選挙区の廃止が選挙制度の抜本解決につながる --- 高田 皓司

2013年07月09日 10:18

選挙制度改革の最大の課題は違憲状態とされている一票格差の是正であろう。そもそも一票格差は何故生じるのか、答えは簡単、選挙区があるからである。選挙区が小さければ小さいほど格差が生じ易くなるのは自明の理であろう。

選挙区を無くし全国一区とすれば、それだけで格差は自動的に完全に解消できる。何故これほど簡単なことに関して意見の一致が見られないのか。


尚、選挙区の存在は一票格差の問題だけでなく、有権者の選択の自由が大きく制約されるという意味でも違憲の疑いがあるのではないかと私は思う。少なくとも自分の選挙区には、投票したい立候補者がいないということは投票意欲を大きく阻害する。

選挙区必要論者の論拠は、

  1. 地方代表の必要性
  2. 政治の安定性(安定政権の出来易さ)
  3. 全国区の場合の選挙運動の困難さ

といったあたりであろう。

1.ある地方の地方代表が必要になるのは、他の地方の地方代表が存在するからである。

地方代表が一切無くなれば、敢えてある地方の地方代表が必要になることも無かろう。それに何よりも、国会議員は、地方代表の集まりであってはならず、全議員が国民全体を代表し、国益を図らねばならない筈である。地方利益を図る議員の存在は必要どころか有害である。

2.安定政権を作るには、微小政党を切り捨て、大政党、特に第一党を優遇するのが良いという論理は首肯し得る。

選挙区を設ければ自然とこの効果が生じるということも当然である。選挙区を小さくすればするほどこの効果はより強化される。では、選挙区を無くせばこの効果は得られなくなるのか。答えはノーである。

このような問いが出て来るのは得票数(得票率)と議席数を単純比例させることしか思い付かないからに過ぎない。選挙区を無くし、全国一区としても微小政党を切り捨て、大政党、特に第一党を優先することは十分可能である。すなわち議席数を得票数或いは得表率に単純比例させるのではなく、得票数、得票率のある適宜な関数に比例させれば良いということだ。

例えば二乗関数を導入し、議席数を得票数、得票率の二乗に比例させることができる。二乗比例制にすれば全国一区でも、微小政党を切り捨て、大政党、特に第一党を優先する効果が得られる。

しかし微小政党を切り捨て大政党、特に第一党を優先するということは、政権安定のために民意を歪めて反映することに他ならないから、民意をそのまま反映する単純比例と併用することが必要であろう。例えば議員定数の半分を二乗比例、残り半分を単純比例で配分して加算し、加算結果である議員数に応じて、当選者を非拘束名簿式で決定するということが一案である。尚、拘束名簿式は政党幹部の恣意性が絶対化されるから、非拘束名簿式とすることは必須要件であろう。

3.選挙運動の困難さは、従来型の津々浦々まで足を運び連呼する選挙運動を想定するから生じる問題に過ぎない。

インターネット主体の選挙運動にすれば、選挙区の広さは何ら問題にならない。

結論として、全国一区、名簿非拘束式、二乗比例、単純比例併用制を提案する。衆議院と参議院の選挙制度を異なったものにしようというのであれば、衆議院は安定政権志向で二乗比例、参議院は民意反映志向で単純比例とすることも考えられよう。議論を尽くすべきは、関数として二乗を選ぶのか、それとも他の関数を選ぶのか、単純比例とのウエイト付けをどうするのかといったところであり、非拘束名簿式全国一区は論理的必然と言うに近い要請と思う。

高田 皓司
77才 無職

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