ネットワークビジネスが理解できない

松本 孝行

個人的にフリーランスという立場もあるので、仕事のためにも色々な異業種交流会であるとか、飲み会などに顔を出す用にしているわけですが、そこでは面白い人達とよく出会います。儲かっている人もいれば、始めたばかりという人もいますし、主婦の片手間で仕事をしている人もいます。スピリチュアル系の人たちとも出会います。

そんな中、ネットワークビジネスをしている人とたまに出会います。先日も20代の女性からネットワークビジネスのセミナーに誘われたわけですが、正直なところ彼女たちの考え方が理解できません。彼女たちは何を考えてネットワークビジネスを行っていて、私を勧誘しようと考えているんでしょうか?


私が感じた彼らの考え方のひとつはお金に対する執着心です。何かというと金、金、金であって、ビジネスの話をするときも「すごい儲かる話がある」とか「少しの時間を使って最大限の収益をあげられる」とか、お金をいかに儲けられるかということばかりを話します。ビジネスはお金儲けも大切ですが「これは面白い!」と思う好奇心や興味がそそられなければできないものだと思います。一度ビジネスモデルとして面白いという話をされたことがありますが、ネットワークビジネスのモデルが面白いなんて思ったことは一度もありません。まぁ私もお金はあればいいですが、彼らのお金に対する執着心は異常です。

そして彼らはよく「夢」という言葉を使います。「夢」というといい言葉ですけれども、ネットワークビジネスをやっている人たちの語る夢は十中八九お金をたくさん稼ぐという夢です。たくさんのお金を稼ぐイコール彼らの夢、というように語るので「あなたの夢が叶いますよ」と言う謳い文句は「あなたはたくさん稼げるんですよ」という話と同じです。私の夢は別にお金をたくさん稼ぐことではないですし、誰もがお金を沢山稼ぐことが夢というわけではないと思うのですが、どうもそのように安直に結びつけている感じがします。

これだけお金に執着をしていたら、もっと他のビジネスで稼ぐことを考えてもいいはずです。例えば投資会社に就職すればゴールドマンサックスなどは何千万円というボーナスをもらえますし、外資系のコンサルティング会社でもかなりのお金を稼げます。就職しないでもデイトレードと言う方法も、大きくお金を稼げるはずですし、上場を目指して起業すれば、それで大金を稼ぐことも可能です。

ですが彼らはこういった行動を取らず、ネットワークビジネスの方へ走ります。おそらく理由としては二つあると感じています。

一つは楽をして稼ぎたいという考え方です。できるだけ努力をしたり勉強をしたりせずに稼げることが彼らにとって重要なのでしょう。お金はほしい、でも嫌なことはしたくないというのは人間誰しも思うものです。それを体現しているのがネットワークビジネスなのでしょう。確かにFXの投資ソフトにしてもネットワークビジネスにしても同じですが「何もしないで、勝手に稼げる」というように勧誘してきます。努力やつらいことを避けたいのではないかと思います。

もう一つ、彼らは学歴が高い人が少ないようです。私は立命館大学の卒業ですけれども、それでも高学歴・エリートというようにある女性から言われ、ネットワークビジネスに誘われました。正直、このくらいの学歴でエリートと言われても全くピンとこないのですが、彼らからすると高い学歴なのかもしれません。もちろん例外的に高い学歴の人もいるのでしょうが、末端のメンバーはあまり高いとはいえないのでしょう。

最近勧誘してきた女性も20代でしたが、彼女はネットワークビジネスを通してお金を稼げるんでしょうか?そしてお金持ちになるという夢を叶えることができるんでしょうか?もちろんネットワークビジネスですから、上位数名以外はお金を吸い上げられるだけなのは目に見えています。それを知ってか知らずか、ネットワークビジネスについて目を輝かせて語る人たちは幸せを得られるのでしょうか。