さすがにもう辞めざるを得ない猪瀬都知事 --- 岡本 裕明

2013年12月18日 11:00

めがね姿で驚異の肌の艶もなくなりつつある猪瀬知事。彼ほど叩きやすいタイプの著名人はいないかもしれません。まるで座布団のように叩けば叩くほど何か出てくるのは格好の週刊誌ネタであり、ご本人の慌てふためき方をむしろ楽しんでいるきらいすらあります。現状の流れからすると百条委員会の設置も含め、猪瀬都知事の一発逆転挽回のチャンスはより狭まり、厳しい判断を迫られているように思えます。マスコミは辞任という「勝利」を勝ち取るまで座布団を叩き続けることになります。


日本の社会に於いてヒーローと嫌われ者は紙一重であるといえます。ヒーローとは人の上に立ち、完璧なまでの精進を重ねることだけがプロフェッショナルとしての鏡であり、終世の評価に繋がります。スポーツの世界で言えば長島茂、王貞治、更にはイチロー選手は期待通りの活躍をし続け、国民からの信頼も厚い故の地位であります。ゴルフでは石川遼から松山秀樹にシフトした感じがありますが、それは石川遼の成績が今ひとつだったからでしょう。但し彼は努力をし続け、好青年である限りにおいて嫌われ者にはならないはずです。

一方、政治やビジネスの世界となれば「昨日のヒーローは今日のサンドバック」ということはしばしば生じます。それは妬み、やっかみが表に出てくるからでしょうか? そして日本の悪いところはサンドバックになった瞬間、その人がノックダウンするまで叩きのめすということかもしれません。これは韓国でも同様でその辺りはほぼ単一民族である点が共通点として考えられると思います。つまり、日本は海外から見ると難しい国なのです。

ではその難しい日本での猪瀬知事の身の振り方。多分、ご本人も選択肢の中に入っているはずの「辞任」のカードを使うかどうか、という点です。多分、そうせざるを得ない時がさほど遠くない時期にやってくるのではないでしょうか? それは都政が止まっているだけでなくオリンピックの人事を早期決定しなくてはいけない中でそれらの作業が進捗していないことで東京都のみならず、日本全体の改革スピードに影響しつつあるということです。

そのためにもはや誰かが背中を押すべき時期にあるかと思います。それは後継者として選んだ石原氏が行うべきなのですが、石原氏も徳洲会との関係で当局から睨まれている中で動きが取れないのでしょうか? 猪瀬氏の5000万円問題は結果としてどうであろうとも、疑惑により都政、ひいてはオリンピックにまで影響を及ぼし、彼自身の手では急速な回復はもはや望めないという現状を踏まえ、都政と都民を考えて身を引くというストーリーは選択しうるのです。もしかしたらもうすでに誰から引導を渡されているかも知れません。

今だからいえるのかもしれませんが、私は何故猪瀬氏があれだけの得票を持って都知事に選ばれたか、と振り返ってみれば結局、石原氏の傀儡ではないかともいえそうです。都民は石原色を引き継ぐ猪瀬氏に大きな期待をしたのです。ところが、彼の言動は石原氏のカリスマ性とは違い、単にユニークなだけで悪く言えば変わり者であることに多くの人は後々気がついたはずです。

例えば私はこのブログで指摘させて頂きましたが、猪瀬氏の六本木~渋谷間のバス24時間運行が思いつきのごとく出てきたことに非常に大きな違和感を感じました。石原氏が「尖閣を買う」と発言するレベルとは違いがありすぎるのです。

猪瀬氏の言い分では、あの5000万円は(都知事になれなかった場合の)いざというときのための資金ということでしたが今、彼にとってみれば本当にその資金が必要になりつつあるのではないでしょうか? だったら、「あの時、返さないで借りたままにしておけば無期限、無利息、催促なし」で悠々自適の作家稼業をおくれたのかもしれません。いずれにせよ、この問題は近いうち、大きく動く気がしております。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年12月18日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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