バブル花盛りのマンハッタン、1LDKのお値段は? --- 安田 佐和子

アゴラ

マンハッタンの住宅市場、それはもう「根拠なき熱狂」が猛威を振るってます。

一等地となれば、一番お手頃な1ベッドルーム=1LDKのコンドミニアムで85万ドル(8670万円)ですからね。

その物件の場所はというと、46丁目は2アベニューと3アベニューの間。NYの象徴のひとつグランド・セントラルまで徒歩7分の距離です。ミッドタウンの東側に住んでいれば、もちろん通勤は徒歩。申し分のない、快適生活が送れます。

広々としたリビングで、ゆった~りした休日を過ごせそう!
midtown-1br

こちらになると、グッとリュクスな立地条件となるためお値段は桁がひとつ変わります。

パークアベニュー沿い、60丁目と61丁目の間に優雅に建つこちら。セントラル・パークから5分の距離なだけでなく、ショッピングのメッカ5thアベニューも目と鼻の先で、まさにマンハッタンの中心で愛を叫ぶ状態ですよ。こんな羨望の的の場所なら……

1LDKが何と257万7500ドル(2億6290万円)!!!

当該物件はパークアベニューに面していないのに、このお値段。
530P_Entry_Homepage_Final

驚くべきことに、こちらで紹介したようなマンハッタンの物件は10件中8件が現金でお買い上げといいますから、恐ろしい。一体誰が買うのでしょうか?ウォールストリートで働くエリートか、はたまたハリウッド・スターか、もしくは事業主といったところでしょうか。

違うんです。そもそもアメリカ人ではありません。

中国人なんです。

以前はロシア人が多かったといいますが、ウクライナ情勢緊迫化でロシア株、ルーブル、ロシア国債などが急落した事情もあるのでしょう。最近の市場を席巻するのは、もっぱらチャイナ・マネーだといいます。おかげで、バブル花盛りなマンハッタンを中心にNYの住宅価格は昇竜のごとく。庶民にとってマイホームは、夢のまた夢のまた夢……蜃気楼と化してハドソン・リバーに沈んでいきそうです。

住宅を購入する気はなく、賃貸で1人暮らししたいあなたにはこちらをどうぞ。

ウォールストリートにほど近いフィナンシャル・ディストリクトに、その物件はございます。グラウンド・ゼロを横目に、NY連銀を背中に通勤したいあなたにはおススメ。家賃も800ドル(8万1600円)と、と~ってもお手頃。気になる室内かといいますと……。

fidi-1

fidi-2

はい、こちらの物件の面積はたったの55平方ft=5.11平方m!2階建てベッドの下を空間を利用する以外に何ができるのか皆目検討つきませんが、一応デスクと冷蔵庫はついてきます。キッチンはなしでも、電子レンジはございますよ。毎日帰って寝るだけの生活を送る方にはうってつけ?

(文中写真はすべて: Curbed


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年5月20日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。