ギャンブル依存症問題の対策には何が必要かという話 --- 宇佐美 典也

2014年10月03日 16:51

ギャンブル依存症のお話二回目です。

前回の続きで「いざ自分や身の回りの人がギャンブル依存症になったらどうすればいいのか?」というようなことをギャンブル依存症問題を考える会の田中紀子さんとだべりました。20分くらいの動画なのでお時間ある方は見てください。本当は10分で終わらせようと思っていたのですが盛り上がってしまいました。


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多分皆さんの周りにも一人くらい「こいつはギャンブル依存症なんじゃないか??」というギャンブラーはいるのではないかと思っていまして、例えば先日オモコロにネタとしてあがっていましたこの記事に登場する「安木」なる人物などは確実にギャンブル依存症と思われるわけです。ギャンブル依存症でギャンブルから抜けられなくなり借金をして、借金を返すためにギャンブルをして、また借金をして、どうにもこうにも首が回らなくなって犯罪に走るという人は多いようなので、あまり笑い事にすべき内容でもないと思うのですが。。。

さてギャンブル依存症の治療となると、①自助グループへの参加、と②治療施設入居、の2パターンがあるようです。

自助グループとは文字通り「自分で助ける」グループでして、ギャンブル依存症の患者同士が集まってお互いが悩みを共有したり、良い経験を共有したりすることで、自分たちで立ち直っていくような活動です。東京だと19の自助グループがあるらしいのですが、人口で同じ規模のニューヨークには137も自助グループがあるようで、日本での活動がイマイチ普及してないことが見て取れます。アメリカなどでは自助グループの存在が社会的に認知されているようで、ギャンブル依存症と判明したら公的機関が自助グループへの参加を促すといった横の連携が取れているようです。例えば生活保護の条件として「ギャンブル依存症の自助グループへの参加」などが入ることもあるようです。なるほど。

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なお自助グループには、依存症患者本人のグループ(GA)の他にも、依存症患者家族のもの(ギャマノン)、共依存患者(依存症患者の症状改善を妨げるような手助けをしてしまう人)のもの(CODA)など対象者の属性ごとに別れています。ギャンブル依存症は進行性の病気なので、「依存症患者が金がないときに金を貸す」、などの行動をとることは本人には感謝されてもむしろ火に油を注ぐような行動であるようで、そうした行動に承認欲求を求めてしまうことは共依存というわけです。男にせびられてギャンブルのお金を援助する女性などよくテレビや映画に出てきますね。

もう一つの治療法である、治療施設への入居ですが、日本では治療施設が少なく数が足りない上に施設入居も有料となっているのでなかなかハードルは高い状況です。ギャンブル依存症患者の家族は大抵借金を抱えていますので、施設入居の費用まで持つとなると泣きっ面に蜂で家族が崩壊状態になるようです。CMなども行われており日本はギャンブルが身近にある割に、その予防教育が十分に行われていませんから、学生のうちからギャンブルにはまって依存症の自覚が無く土壺にはまって抜け出せなくなって犯罪や薬物に走る人も多いようで、社会的損失を考えても業界である程度は対策をとるべきだと個人的には思っております。最近ではスマホゲームの普及により中高生のうちにギャンブル性の高いゲームにはまってしまう人も増えているようです。

そういう中で日本で政策や業界の取組みとしてどのような対策が求められることは何か、ということを話したのですが田中サン曰く松竹梅にわけると

松:ギャンブル依存症対策を体系的に推進するプログラム法

竹:治療施設の入居に対する補助金

梅:ギャンブル依存症の予防教育の普及

とのことです。もう少ししたら始めるであろうカジノ解禁法案の議論も単純な「賛否」に別れるのではなくこうした議論や現状を踏まえたものになって欲しいところです。

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「宇佐美典也のブログ」2014年10月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のブログをご覧ください。


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