今週の経済話題を振り返って 

メディアが世界の金融市場の動きをこれほど追いかけたのもリーマンショック以来かもしれません。実は中国発のこの騒動もユダヤの7年サイクル説でみると見事に当たるのです。

ユダヤは7が一つのサイクルと考えています。これは天地創造の期間が7日だったことが由来で、一週間が7日であることも一つあります。その発想には安息日も含まれており、最後の1つは休まなくてないけない、ということになっています。農業の耕作も7年目は休耕です。つまり相場については最後の1年はお休みということであります。そしてユダヤ歴2014年(2014年9月25日から始まり2015年9月13日まで)は安息年となっています。

ちなみにこの7年周期説を振り返ると
2015年 中国株式暴落
2008年 リーマンショック
2001年 ITバブル崩壊 (911もありました。)
1994年 メキシコの通貨危機
1987年 ブラックマンデー

もう少し詳しく見るとそれら大きな事件はみな9月に起きているのです。何故9月かというとユダヤ暦の一年が9月ごろから始まり(年により違います)、エルルの29日(=大晦日)にかけて事件が起きるということになっているのです。

こういうものを知ってしまうとどうしてもそれが頭から離れないのですが、バイオリズムや12年、13年の周期説など一定のサイクルというのは割とあるものであり、一応、頭には入れておきたいことであります。

その中国。国の威信をかけて、株式市場を支えるとされています。その準備された投入予定資金は48兆円規模。ではどこから出てきた資金なのか、でありますが、少なくとも一部はアメリカ国債を売却したものであるようです。既に直接売却とベルギーなどに置いた匿名口座両方で売却を進め、未確認情報としてこの2週間程度で10数兆円規模となっているようです。この資金は為替操作のため(元切り下げ)が主とされますが、その使途はある程度流動的ではないでしょうか?

株式市場については9月3日の抗戦勝利記念行事にむけ、市場を安定化させるとしています。仮にそうであるとすれば1週間程度は市場は安泰になる可能性があり、その間に中国のみならず、アメリカの利上げの可能性の見込みも含め、新展開が予想されます。ですが、仮にユダヤの占いを信じるなら9月4日から13日がキーとなるのでしょうか?ちなみに2001年も2008年もエルルの29日にNY株式市場はそれぞれ684ドル、777ドルの大暴落を演じています。ただ、もはやここまでくると違う世界の話になるので止めます。

目を転じましょう。日本生命が三井生命を買収することになりました。損害保険業界のアメリカを中心とする買収攻勢もすごいと思いましたが、生命保険業界も熾烈なトップ争い、シェア争いが見て取れます。生保も株式市場が回復し、前向きで責めの経営が出来るようになったということなのでしょう。ですが、人口減が見込まれ、高齢化社会となる日本に於いて生命保険業界は当然ながら先が萎んでいく衰退業種となります。それを考えればもう少し業界再編があってもよいと思います。せいぜい数社程度ではないでしょうか?アメリカからの格安保険の攻勢もすごいですから生保業界は必死にならねばならないでしょう。

同じことは石油にも言えそうです。出光と昭和シェルの統合は苦境の石油元売り業界の再編でもあります。こちらもJXと出光/昭和シェルの二強に対して残る東燃ゼネラルとコスモがどう切り出すのか、ここにかかっています。こう見ると日本の業界もあちらこちらで寡占がじわっと進んできていることが言えるでしょう。(ちなみに統合発表の時の出光の月岡社長の顔の冴えないこと、シェルに主導権を取られて悔しかったのでしょう。)

戦後、お互いが譲らずのサル山の大将だったビジネスモデルは確実に競争力という名の下で連合体を作り上げてきました。ましてや人口が影響する業界、国内から出にくい業界は特にその傾向が強まるということでしょう。次のターゲットは間違いなく地銀のはずです。新聞業界もそろそろ再編があってもよいかもしれません。その場合は高級紙とすべくナショナルペーパーが一つか二つ、巨大なローカル新聞が数紙、それに経済専門紙の区分ではないでしょうか?中日/東京新聞(合わせて350万部)は知られざる世界に名だたるローカルペーパーだと思います。

最後にアメリカ経済を一言だけ。4-6月のGDP改訂値は3.7%増と速報値の2.3%から大幅増となりました。アメリカ経済の足取りはしっかりしていることを裏付けています。9月の利上げ決定をするFOMCは9月16-17日です。そしてそれはエルルの29日である9月13日を過ぎた後の決定となります。

個人的には奇妙なぐらい興味をそそる9月上旬となりそうです。一応、何があっても驚かない心構えだけはしておくつもりです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 8月29日付より