フォード。日本からの撤退 --- 松田 公太

アゴラ

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▲フォードの撤退は日本市場で単に敗れたと考えていいのか(アゴラ編集部)


25日、フォードが年内に日本でのすべての事業から撤退することを明らかにしました。

先日のマクドナルドもそうですが、米国大手企業の縮小・撤退発表が続いています。

この両社とも、販売が低迷し、収益の確保が見通せなくなったことでは共通していますが、フォードの場合は異物混入のような問題を起こしてはいませんでした。

つまり、フォードは日本車や他の外国車にかなわなかったということです。

しかし、本当にそれだけだったのか、今回の決定を機に考えてみる必要があります。

そうすることが、自動車に限らず、日本勢が海外進出をするときに役立つからです。TPPが発効され、FTA・EPAが進めば、国内・国外といった枠組みはどんどん意味がなくなってきます。日本の良い商品を世界中のどこでも広げられるようにするには、ワールドスタンンダードとは何か、それをどのようにして実現していくべきか、そしてその中でどういった戦略をとっていくべきかを、常に考え続けなくてはなりません。

フォードは、マクドナルドと違って、日本法人そのものがなくなります。

そのため、我々にとってフォード車は、文字通り遠い存在になってしまいます。

私が高校時代にアルバイトをして最初に買った車が、12年落ちのフォード・マスタングでした。今のマスタングは燃費や信頼性(故障発生率)もかなりよくなって、世界を代表するスポーツカーとして米国では人気だと聞いております。

海外企業の日本市場からの撤退は、消費者の選択という観点からすれば、マイナスです。

商品自体は良くても、見えない障壁のために売れなかったということだけはあってはなりません。

ライバルの撤退で安堵したり、自画自賛するだけでなく、自分達の足元を見直す良い機会にするべきだと思います。


松田公太宣材


編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2016年1月27日の記事を転載させていただきました(画像はアゴラ編集部)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。