朴氏の早期退陣、新大統領に潘基文氏を期待

2017年01月13日 06:00
朴槿恵&潘基文 Korea_President_Park_UN_20130506_01

Wikipediaより(KOREA.net)

韓国の地政学的位置を重視する

トランプ氏の大統領就任が象徴するように、世界は不確定要素が増し、動乱の時代に入った気配です。中国、北朝鮮がアジア情勢に波乱をもたらすことも警戒しなければならない状況です。そんな時、韓国で政治空白が生じ、慰安婦問題が蒸し返され、日韓関係は再び緊張しています。恐らく中国、北朝鮮にとっては、喜ぶべき状況に違いありません。

結論を先に申せば、朴大統領の早期辞任、それを受け、新大統領の選出を急ぐことです。反日で票を稼ごうとする大統領候補が並ぶ中で、誰を選ぶか。いろいろな人物批判、疑惑がうわさされるにせよ、国連事務総長を務めた潘基文氏が選択肢として望ましいと考えます。潘氏は国連で積んだ経験を活かし、不穏な国際情勢の中で、新しい日韓関係を目指す。もちろん、日本も感情論を排し、何が国益になるかを基本に据えて協力していくべきでしょう。

日本にとってアジア情勢を考える上で、韓国は極めて重要な地政学的な位置にいます。いびつな独裁体制のもとで核武装を着々と進めている北朝鮮が異変を起こせば、至近距離にいる日本はもろにその影響を受けます。中国は裏で北朝鮮を支えている側です。両国の間に韓国が隣接して存在しているからこそ、日本の安全保障の一角が保たれているのでしょう。いつまでも反日、反韓を軸に回わる日韓関係はだれを利するか明白です。

政治空白では何をしてもムダ

韓国では朴大統領の弾劾訴追、大統領の権限停止で、政治空白が生じています。日本の駐韓大使が一時帰国し、「韓国に毅然とした態度をとった」との論調があります。実態はどうでしょうか。交渉相手となる最高責任者が不在の無責任状態なのですから、駐韓大使が韓国にとどまっていてもいなくても、変わりはありません。急いで帰任する必要もありません。政治空白のもとでは、何をやっても意味がありません。

最も重要なことは、韓国が政治空白に早くけりをつけ、日韓関係の調整に乗り出すことです。つまり新大統領の選出を機に駐韓国大使の帰任、通貨協定の協議再開などをし、不安定化しているアジアの中で、日韓関係を再構築する努力を始めるしかありません。そうした環境が整わないまま、日本側がいろいろしかけても、反日強硬派の逆襲を受けるだけでしょう。

では、どうするか。憲法裁判所の審理(最大180日)終了を待たずに、朴大統領が早期辞任に踏み切ることです。かりに弾劾訴追が棄却されたとしても、朴氏には大統領として、手腕も能力もないことがはっきりしており、自らも復職を想定していません。また、「弾劾妥当」となって失職に追い込まれるより、混乱の責任をとるという名分で、早期辞任を決断する道のほうがましだと思います。

反日、反韓のにらみ合いに終止符を

辞任すると、逮捕されることを恐れているのかもしれません。側近だった友人女性の罪(寄付金の強要、不正な資金使用、機密情報の流出など)の重さと比べると、「不覚だった」、「うかつだった」というレベルではないのでしょうか。「大統領の逮捕まで考えなくても」という選択はありえます。

潘氏は出馬の意欲を表明し、有力候補の一人とされます。欧米系のメディアが「韓国人の縁故採用がひどい」、「無能ぶりは際立つ」と酷評するなど、評判は今、ひとつです。また、大統領選を意識してか、潘氏は「日韓合意の再交渉も可能」という立場のようです。どの候補をみても、対日強硬派を標ぼうしないと、脱落しますから、そういうことになるのでしょう。

その中で潘氏の選択が望ましいと思うのは、国連で国際情勢に対する経験を積み、将来を展望した日韓関係を考えられる人物と期待するからです。日本政府と韓国民が慰安婦問題で直接、対峙するような構図は両国とってマイナス要素ばかりです。新政権対韓国民、新政権対日本政府という構図に早く戻すことです。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2017年1月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。

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中村 仁
ジャーナリスト、元読売新聞記者

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