電子政府は利用者本位で構築を

2017年02月24日 11:10

日本経済団体連合会は2月14日に『Society 5.0に向けた電子政府の構築を求める』と題する『政策提言』を発表した。国民に支持される電子政府構築のためのトップダウンの体制整備、マイナンバー制度の積極活用、国・地方自治体の一体改革、世界を先導する電子政府の実現の四本を柱として10項目が提言されている。

これまでの行政電子化の取組みは十分とは言えない。本質的な業務プロセス改革が行われていない、各省毎に取組むため全体最適の思想が欠如している、国と地方の連携が不足している、などとともに、「全ての国民にとっての使いやすさ」を実現するユーザビリティ・アクセシビリティの視点が不足している、と文書は指摘する。僕は2010年ごろから利用者視点の重要性を繰り返し強調してきたので、『政策提言』で言及されたことを感謝する。

『政策提言』は2023年の達成目標として、民間を含めたデータ連携の拡大とともに、「アクセシビリティ対応等を、超高齢社会に突入している日本のアドバンテージとして捉え、ユニバーサル・デザインに取り組む。」を掲げている。目標が達成されれば、「国民に支持される電子政府構築」に近づく。

首相官邸・高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部に設置された新戦略推進専門調査会電子行政分科会は2月10日の会合で『新たな電子行政の方針についての考え方(案)』について議論している。

『考え方(案)』は「デジタル技術の活用による利用者中心サービス」を掲げ、そのために、まず、デジタル視点でサービス提供プロセスを抜本的に見直すとする。「多様な属性を持つすべての人が利便性を享受できる必要がある。……個々人にあった形態でのサービス設計を検討する必要がある。」とも記述されている。そのほか、政府、地方公共団体と民間のサービスが連携する必要性も強調されている。

『考え方(案)』の方針と日本経団連の『政策提言』は方向性が一致する。両者が施策として政府で具体化され、利用者本位で電子政府が構築されるように期待する。

細かな指摘になるが、『考え方(案)』にはアクセシビリティとユーザビリティという用語が用いられていない。両者は確立された概念であり、情報システムの設計段階でチェックを怠れば使えないシステムになる。総務省は昨年4月に『みんなの公共サイト運用ガイドライン』を公開したが、そこでもすでに、ウェブサイトだけでなく電子申請等でのアクセシビリティ対応を求めている。アクセシビリティやユーザビリティという用語を用いることで、システム構築の要求条件が明確になるため、『考え方(案)』を確定させる際には書き加えていただきたい。

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