健常者が知る由も無い、障害者社長に立ち塞がる制度の壁

2017年04月07日 17:00

問題提起

桜の薫る良い季節になって来ました。今日は皆様に、私から問題提起させていただきます。それは、『障害者が働く』ということについでです。

いわゆる『障害者雇用』については、さまざまな公的配慮があります。例えば、社員数に対する一定割合の障害者雇用を、企業に義務付けたり、障害者が働くのをアシストする役割を担う、同僚の給料が補助金で出たり、障害者が働く環境を整える、オフィスのバリアフリー化にも補助金が出ます。このように、企業と障害者双方がメリットを受けられる仕組みとなっています。

しかし、これらのメリットを享受できるのは、あくまで『労働者』であり、社長や取締役などの『経営者』側の障害者は対象外なのです。よって、FC岐阜社長時代も今回の起業にも、これらの補助金は使えませんでした。

一方、障害福祉の制度を見てみましょう。

基本的に外出にはヘルパーさんに同行いただいています。これは、重度訪問介護という制度を利用しており、公費負担されます。しかし、どんな外出でも認められるわけではありません。

重度訪問介護の移動介護については
厚労省の資料に次のように書かれています。

○移動の目的
・社会生活上必要不可欠な外出、社会参加のための外出
但し「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、
通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出」を除く

ご覧のように、経済活動(=仕事とする)にはヘルパーさんは利用できません。どうしてもというなら、自費で雇うしかありません。

労働者であれば、先ほどお話した制度で救われますが、『障害者経営者』には非常に厳しいのです。もう少し掘り下げて考えてみましょう。

◎遠方からの講演依頼
現在、東北からの講演依頼がありますが、現状ではとても受けられません。私+秘書+ヘルパーの交通費と宿泊費に加えてヘルパー自費と、経費(実費)があまりに大き過ぎて、講演料より経費がかかるので受けられません。経費を相手に持ってもらえるほど、売れっ子でもありません。相手が求め、こちらも応える意思があるのに、私が障害者であるがゆえに経費がかさみ、実現困難なのです。

講演という仕事は、健常者なら基本経費のかからない仕事ですが、障害者には介助者の経費が発生してしまいます。健常者と同じリスクはもちろん負うべきです。しかし、障害者というだけで、健常者とスタートラインがあまりに違うのは、正直辛いです。

このように、現在の制度では、私のような重度障害者は、「経営者として働く」ことは全く想定されてないとしか思えません。しかし重度障害者だからこそ、自身のベースで仕事できる、経営者という立場は貴重なのです。

労働者も経営者も、社会に参加して、人の役に立ち、対価を得たい思いは同じだと思います。私は人工呼吸器になっても、働き続けたいだけなのです。株式会社という一般的な形で、納税して、障害者と呼ばれる人の可能性を、普通に見せたいのです。

これからもチャレンジを続けます!

恩田聖敬

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この記事は、株式会社まんまる笑店代表取締役社長、恩田聖敬氏(岐阜フットボールクラブ前社長)のブログ「片道切符社長のその後の目的地は? 」2017年4月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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恩田 聖敬
株式会社まんまる笑店代表取締役社長

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