【映画評】あさひなぐ

2017年09月23日 06:00
あさひなぐ 公式映画原作本 弱き者の武道 (ビッグコミックススペシャル)

二ツ坂高校に入学した東島旭は、偶然出会ったなぎなた部の真春の強さに憧れ、運動音痴ながら入部を決める。“練習は楽”という誘い文句とは真逆の、過酷な練習に耐えながら、同じ1年生の将子やさくら、先輩で、圧倒的な実力者の真春らと共に、インターハイの全国大会を目指すことに。やがてインターハイ予選を迎えるが、ダークホースのライバル校に敗れてしまう。3年生が引退し、新しくなったなぎなた部は、山奥の尼寺での地獄の合宿を経て、ひと回り成長するが、思いがけない出来事によって部員の心はバラバラになってしまう…。

なぎなたに打ち込む女子高生たちの成長と友情を描く青春ストーリー「あさひなぐ」。原作はこざき亜衣による人気コミックだ。部活動を通してティーンエイジャーの成長と友情を描く内容はテッパンなのだが、何しろ、なぎなたというスポーツが、そのビジュアルも含めて大変興味深く描かれている。日本の伝統的な武器及び競技を指すなぎなたは、江戸時代に武家に嫁ぐ女性の護身用として用いられていたそう。そういう歴史のため、女性競技者が圧倒的に多いが、今は男性競技者も増え、世界選手権も開かれているのだそうだ。劇中に登場する、なぎなたの技や基本動作はとても美しく、迫力がある。

なぎなたというスポーツが、1対1でありながら、チームで競うスタイルであることから、同じ部活動ものの映画「ちはやふる」で描かれた競技かるたの戦法やテクニックとどこか共通するものを感じる。その熱気や魅力、個人の力とチームの力のバランスやジレンマもまた、よく似ている。実際、へたれで運動音痴の旭は、ゼロからはじめたなぎなたの虜になって自分自身の殻を破り、エース格の真春は、チームの一人として戦う意味を学んでいくのだ。部員それぞれのキャラも個性的で楽しい。人気アイドルグループ、乃木坂46のメンバーが出演する、いわゆるアイドル映画ではあるが、素材の面白さや、できるだけ代役を使わずに頑張ったというなぎなたシーンの迫力、随所に散りばめられたコミカルな演出のおかげで、意外なほど楽しめるスポ根青春映画に仕上がっている。
【65点】
(原題「あさひなぐ」)
(日本/英勉監督/西野七瀬、白石麻衣 他)
(成長度:★★★☆☆)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年9月22日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Twitterから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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