60万の車差し押さえで、100万の経費を支払わせた弁護士 --- 上原 ゆかり

2017年12月18日 06:00

離婚の経験を生かして、結婚・離婚に悩む方々のカウンセリングのプロを目指す者として、平均的な社会人よりは少しは多くの訴訟を経験してきました。

良くも悪くも様々な教訓も得てきましたが、裁判の原因となったトラブル以外にも弁護士さんとのトラブルに悩まされたこともあります。

実際、弁護士会への苦情も増加傾向のようです。日本弁護士会連合会の「弁護士白書」によると、苦情を受け付ける「市民窓口」の件数は、2006年の8,861件から2015年に14,822件と大幅に増えました。その中身は、事件処理の仕方への苦情が最も多く、対応や態度、処理の遅れなどもあるようです。弁護士の数が同時期に、23,096人から37,445人に増えたのと並行しているようですが、増えた分だけ、質が低い弁護士が目立ってきたのかもしれません。

さて、私自身もまさに弁護士とのトラブルに悩まされたことがあります。私は離婚訴訟は経験がありませんが、離婚後には再婚トラブル訴訟の経験があります。

6年前に年下のある男性との再婚トラブルで300万慰謝料の請求裁判を起こされました。ところが、この男性の新規事業のために私の方が50万の貸し金をしておりました。それなのに再婚をお断りすると、逆上するかの様に私を訴えてきたのです。

いろんな思いがありましたが、訴訟を起こされた以上は放ってはおけません。数日間、男女問題に特化した弁護士を探し回りました。そして最終的にはある大手弁護士事務所に、弁護の依頼をする事になるのです。

この弁護士事務所は弁護士の数も多く、私はその中で中堅のパートナー弁護士を担当に選んだのです。その弁護士に私宛に裁判所から届いた訴状と、訴えを起こしてしてきた彼との一連の流れを話したところ、貸し金の借用書もある事や婚約破棄の正当な理由等からこちら側も相手と同じ訴額の訴え返しをする事になったのです。

そしてそれに付け加えて、こちらの勝訴の見込みが強いからと相手の車を差し押さえ貸し金の代物になる物を早々に押さえる手続きも勧められたのです。
確かに私は50万の貸し金の返却もないままに、婚約破棄の訴訟まで起こされた怒りもあり車差し押さえ(訴訟前の強制執行)も依頼する事になるのです。

この差し押さえにあたっては弁護士費用の他にも、車を差し押さえる為の実費もかかりますから、相手の車の車種や走行距離、年式や傷等の状態から下取り価格を予想せねばなりません。15,000円を支払って弁護士が相手の管轄の運輸局から車検証を取り寄せ、弁護士がネット上で見積もり額を出したところ100万の価値はあると言ってきたのです。

私は弁護士の言う事だから大丈夫だろうと、車差し押さえの依頼書に判を押したのです。
その後まずは弁護士が、相手債務者側住所地の地方裁判所の債権取り立て執行課に車差し押さえの申し立てをします。大体一週間位で、私の場合は裁判所から勝訴の見込みからの強制執行の許可が出ました。

そしてそれからが実は大変でした。許可が出た日から2週間以内に、車を運ぶレッカー車、車の保管場所、債務者が素直に鍵を渡さない場合も考慮した合いカギ作成のできる業者と、
一番肝心な当日立ち会いの執行官とのスケジュール合わせを私が全て行わなければならなかったのです。そして裁判所に提出する様々な書類も、全て2週間以内にやらねば取り消しになるところ、いよいよという時点から私の依頼した弁護士が手際の悪さやミスがかなり出てきたのです。

もしかしたらと思い、その時点で初めて私は弁護士に「先生は車の差し押さえ経験があるのですか?」と尋ねました。すると案の定、その弁護士は車の差し押さえ(強制執行)を行うのが初めての弁護士だったのです。

私はその時点で強制執行手続きに、弁護士には30万の費用の支払いをしていました。それと裁判所へも30万の予納金を納めていました。途中で辞められる状況ではありませんでした。私は弁護士とのトラブル相談の窓口をネットで見つけ、他の弁護士からの指示をも仰ぎながら、自分が依頼した弁護士が間に合わない事は私が代行し、裁判所までの書類の運びまで私が動いたのです。

そして早朝の車差し押さえ日。私も現場に立ち会い、無事に車を差し押さえる事に成功したのです。車差し押さえに成功しますと、次の第2段階はその車をお金に変えねば意味がありません。そこで車下取り業者に、初めて現物の価値評価ができるのです。

とりあえず私は、2社に見積もりに来てもらいました。そして2社とも評価額は60万。一方、先述したように弁護士の予想評価は100万。これは実は取り立てた車が外車で、外車の場合は価格の暴落が1ヶ月単位で激しく変わるそうで、当然私の弁護士はその様な知識さえ持ち合わせていなかったのです。

結局、車差し押さえについてはトータルの“収支”は40万のマイナスに終わりました。

その後の本題である裁判は人からの評判を聞き、小さな弁護士事務所ではありましたが依頼人に対しての弁護業務内容を滞りなく説明をしてくれる弁護士にチェンジし私が勝訴し終わりました。この件から学んだ事は、弁護士にもピンからキリまでありトラブルも多いことです。

皆様も何かで弁護士をお探しの際は、その弁護士が特化して扱う問題の他に経験等にもご注意下さい。

上原 ゆかり
プリザーブドフラワーアレンジメント・ネイルSand.beige代表。アゴラ出版道場3期生

1972年生まれ。花王カスタマーマーケティング、ユニマットライフ営業を経て、2015年独立。自らの離婚経験から同じ悩みに苦しむ女性の手助けを志し、来年からの離婚カウンセラーの活動開始へ向けて準備中。

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