最初で最後かもしれない憲法改正発議:野党は建設的な提案を

憲法改正発議の機会は、今年が最初で最後だろうというのが、現時点での私の見立てである。
憲法改正発議の条件が整っているのに手を拱いて何もしないでいる、というのは勿体ない。

とにかく、現在の日本の憲法の在り方について現在の日本の国民の意見を聞く、というのはそれなりに意義があることだ。

国権の最高機関とされる立法府の国会が、憲法改正の発議権をようやくにして行使する、というのもよく考えれば大したことである。

国の政治が乱れた状態でバタバタとトンデモナイ憲法改正が行われるよりも、国の政治が比較的安定し、民心が乱れていない時に、熟議を重ねて立派な憲法改正をやればいいじゃないか、というのが私の考えである。

憲法改正のための国民投票は、改正項目ごとになされるはずだから、他の改正項目については国民の過半数が賛成しても、憲法9条の改正については否決されることも十分あるだろうと予測しているが、それでもいいんじゃないか。国民の主権発動の最高のチャンスが目の前にぶら下がっているのだから、やれるものならやった方がいい。

なお、私は、現時点での憲法改正論議のゴールが憲法9条の改正論議になるだろうと思っている。

初めから難しい問題に手を付けてしまうと、他の大事な論点についての議論が疎かになるから、憲法9条以外の論点についても十分議論を尽くしてもらいたいものである。

ちなみに、憲法改正の発議だけは何としても阻止する、などと勢い込んでおられる方も結構おられるが、結局は多勢に無勢で、何らかの発議がなされてしまうことは必至だろうと思っている。

そういう政治状況の下では、国民の多数の共感を得られるような憲法改正案の提案を急いだ方が遥かに有益だろうと思っているのだが、さて、立憲民主党の皆さんやその他の政党の皆さんはどうお考えなんだろうか。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年1月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。