オムライスを食べさせたい!あなたならどうする?

画像はphoto-ac.comより

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どうですか?画像のオムライス、とても美味しそうに見えますよね。実際のPRや広報では、写真でお客様を呼び込まなくてはいけません。そのため画像を説明する文章には大きな役割があります。まず、効果があらわれやすいテクニックとして、興味をひく魅力的な言葉、または人気のキーワードをタイトルや見出しに挿入する方法があります。

たとえば、「オムライスの作り方」と「超簡単なオムライスの作り方」でしたら、どちらの記事を読んでみたいと思いますか?多くの人は後者を選ぶのではないでしょうか。これは「超簡単」という興味をひくキーワードがタイトルに含まれているからです。同じように、興味をひきやすいキーワードとして、「無料」「特典付き」なども挙げられます。

みんなが大好きな言葉を挿入する

だからといって、このような言葉をどの文章のタイトルにも挿入するのは安直な考えでしょう。読者に飽きられないためにも、同じような意味を別の言葉で言い換えられるような工夫をしましょう。たとえば、「簡単」という言葉の場合、「小学生でもできる」「初心者でも迷わない」「1分で完成」などといった言葉に置き換えられます。

このようにわかりやすく、人々がひきつけられるキーワードを用いることで、読者は「読んでみよう」という気になります。さらにマジックナンバーを使う方法もあります。次のケースは、タイトルに数字を盛りこむ方法です。

「酒好きサラリーマンが教える酒場・東京編」。このタイトルでも悪くないのですが、次のようなタイトルはどうでしょうか。

「酒好きサラリーマンが教えるトレンド酒場・東京23区編」
「年間300日呑む!酒好きサラリーマンが通う酒場マップ」

23区、300日という数字を入れることで、実用性を加え、説得力を強化しました。300日呑んでいる人は、どんな店を推すのか、気になりますよね。他にも、「実現するために必要なたった3つの方法」「成功するための3つのポイント」、このようなタイトルもヒットしやすいと思います。とくに「3」という数字はマジックナンバーです。

世界有数のコンサルティング会社、マッキンゼー社では、問題提示、解決の手法などあらゆる事柄が3つ揃いで提示されるのは有名な話。「3」は、受け入れられやすい数字なのです。「理由は3つあります」「大切なことは3つです」「お伝えしたいことは3点です」などはセミナーやプレゼン、スピーチでもよく使われる言い方です。

アップル社創設のスティーブ・ジョブズも3つの法則を実行していました。古くはあのシーザーも「来た、見た、勝った」と3言の名言を、リンカーンの「人民の、人民による、人民のための」、戦国武将・武田信玄の「人は城、人は石垣、人は堀」も3つの言葉がキーワードになっています。「3」は人をひきつける数字なのです。

3つにしぼれない場合はどうする

ただし、どうしても3つにしぼることができない、という場合もあると思います。そんなときは覚えやすいよう、内容を意味を持った「かたまり」にし、そのかたまりを7つまでにしぼるようにしましょう。アメリカの心理学者・ジョージ・ミラー教授は、人間の脳は一度に7±2を記憶できるという「マジカルナンバー7」を発見しました。

これは一度聞いただけの内容をどれだけ記憶できるかを調べたものですが、ミラー教授は、人はこのかたまりを7個(個人差により±2)しか覚えられないといっています。数字を使うことは、文章にわかりやすさを与え、読み手の記憶にも残すことのできる技法ですので、状況に応じて効果的に使いこなしていきましょう。

ちなみに、私の著書のマジックナンバーは「5」です。参考までに紹介しておきます。『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)

尾藤克之
コラムニスト