精神科医が解説。アレルギーで片鼻呼吸?実はそれ正常です

2018年07月03日 06:00

画像は書籍書影(筆者撮影)

「試験や受験で緊張して、実力を十分発揮できない」「スポーツの試合で緊張して、実力を十分発揮できない」「人前で話すと緊張する」。そんな、緊張しやすい人、緊張が苦手な人はいないだろうか?緊張は「敵」だと思っている人が多いが、それは「脳科学的」に考えると完全に間違っているようである。

今回は、『いい緊張は能力を2倍にする』(文響社)を紹介したい。著者は精神科医の樺沢紫苑医師。雑誌、新聞などの取材やメディア出演も多い。緊張をコントロールし、パフォーマンスをあげる方法を聞いた。

ノーベル賞学者推薦「片鼻呼吸」

――筆者は、アレルギー持ちである。年間を通じて、スギ、ヒノキ、ブタクサ、ハウスダスト、あらゆるアレルギー物質に襲われている(テスト済み)。そのため、アレルギー性鼻炎でかならず鼻がつまっている。両鼻で楽に息が吸える人がうらやましいと思っていた。

「片側の鼻がつまっているのは正常なのです。鼻の粘膜の乾燥を防ぐために、自律神経の働きによって、鼻の粘膜が2~3時間おきに、交互に膨らみます。これを『交代制鼻閉』といいます。なんと、片方の鼻がつまっているというのは、生理的に正常だったのです。これを応用した『片鼻呼吸』を行うと、自律神経が整います。」(樺沢医師)

「『片鼻呼吸』は、ヨガでは『ナーディ・シュッディー』と呼ばれ、ヨガの6大呼吸法の一つにもなっています。ヨガでは、右鼻が交感神経、左鼻は副交感神経が司ると言われています。片鼻呼吸を行うことで、右鼻左鼻のバランスが整い、交感神経と副交感神経のバランスが整うというわけです。」(同)

――「片鼻呼吸」が正常であることは驚いた。さらに、樺沢医師によれば、鼻呼吸を行うことで、鼻の粘膜では一酸化窒素が作られる。一酸化窒素には血管を拡張させて、脳や全身に酸素や栄養がスムーズに行き渡り、自律神経を整える効果があるようだ。

「片鼻呼吸を行うと、一酸化窒素が鼻の中にたまり、鼻の粘膜から取り込まれやすくなり、自律神経を整える以外にも様々な健康効果が得られます。ロバート・ファーチゴッド、ルイス・イグナロ、フェリド・ムラド博士らは、一酸化窒素が心血管系システムで重要な情報伝達機能を担っていることを発見し、1998年、ノーベル生理学医学賞を受賞しました。そのため、『鼻呼吸』は『ノーベル呼吸』とも呼ばれます。」(樺沢医師)

「4千年前から伝わるヨガの呼吸法の効果が、最新科学によって証明されたのです。ですから、片鼻呼吸の効果と信憑性は非常に高いと思われます。」(同)

正しい片鼻呼吸の方法とは

――ほかにも、鼻呼吸、片鼻呼吸には効能がある。一酸化窒素を増やすことで、血圧やコレステロール値が下がり、高血圧、脳卒中、心臓発作、動脈瘤、動脈硬化などの予防効果、免疫力を高める効果が研究により明らかにされている。

「片鼻呼吸は日頃の鼻呼吸のトレーニングにもなりますが、鼻呼吸によって睡眠障害やいびき、鼻づまりなども改善するといいます。片鼻呼吸の方法は次の6つのステップでおこなうようにしてください。私が行っている方法をお伝えします。」(樺沢医師)

(1)右手親指を右鼻、人差し指を左鼻に持っていきます。
(2)右鼻をふさぎ、左鼻から息を吸います。
(3)左鼻をふさぎ、右鼻をひらき、右鼻から息を吐きます。
(4)そのまま、右鼻から息を吸います。
(5)右鼻をふさぎ、左鼻をひらき、左鼻から息を吐きます。
(6)これを交互に、5~10分行います。

「吸うときは4、5秒で吸い、吐くときは8~10秒以上かけて吐ききります。横隔膜の上下を意識した腹式呼吸を行い、鼻を押さえる以外は、深呼吸と同じです。」(同)

――本書を読むことで、「正しい呼吸法」を理解できる。そして、呼吸法が日常のパフォーマンスに影響を与えていることがわかるだろう。興味深い一冊といえる。

尾藤克之
コラムニスト

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