一流を自認する貴方に贈りたい“ソラ・アメ・カサ”とは?

2018年10月17日 06:00

社会人になると、いままでとは異なる特殊なルールがあることに気が付く。その一つが「報連相」ではないかと思う。報連相は「報告・連絡・相談」の略称になるが、上司や周囲とのコミュニケーションにおいて大きな役割を担っているとも言われる。果たしてそうなのだろうか。必要なのはわかっているが、改めてその役割を考えてみたい。

今回、紹介するのは、『5秒で伝えるための頭の整理術』(宝島社)。著者は、人材コンサルタントの松本利明さん。PwC、マーサー、アクセンチュアのプリンシパル(部長クラス)を経て現職。国内外の大企業から中堅企業まで600社以上の働き方と人事の改革に従事。「ソラ・アメ・カサ」理論をビジネスパーソンの仕事力アップへ提案する。

あなたは「5秒」で伝えられるか

松本さんは、話が伝わらない原因について、頭の中がスッキリ整理されていない状態で考えながら話すからだと解説する。いろんな問題が複雑にからみ合った状態のまま伝えようとするから、余計複雑になり伝わらなくなる。計算が合わない原因は、計算ミスではなく計算式が間違っているからだと解説する。

「キーになるのは『5秒』。5秒以上時間がかかるということは『まとまっていない』のと一緒です。30秒で伝える時も、キーになるのは最初の5秒。5秒で相手の関心を引きつけられれば、9割成功です。YouTubeでも5秒たったらスキップできる広告が多いですが、5秒で『次を見たい!』と思わせれば勝ち、思わせられなければ負けです。」(松本さん)

このような現象は、「ソラ・アメ・カサ」で解決できる。マッキンゼー・日本オフィスが考えた思考のフレームワークとして有名だが、簡単なので覚えておきたい。

「簡単です。『空を見ると曇ってきた(事実)。雨が降りそうだから(洞察)、傘を持っていこう(打ち手)』と覚えてください。事実を伝えるとき(ソラ)に、『どうなりそうか?』(アメ)、『ゆえに、どんな打ち手や行動をすればいいか』(カサ)の3つをセットにして伝えるのです。すると、認識のズレなく判断してもらえます。」(松本さん)

「『ソラ・アメ・カサ』で肝になるのは、事実をどう解釈し、洞察するかという『アメ』です。アメは日本語でやりとりすると省略されてしまうことが多いので、こちらからアメを伝え、認識のズレを確認するといいでしょう。アメは1つではないからです。事実をどう解釈したか、その仮説の数だけアメは生まれます。」(同)

相手が何を求めているかによって、それぞれ打ち手も変わる。品質・クオリティを重視しているのか、価格を重視しているのかで打ち手は異なってくるはずである。

順番を守ればすぐに習慣になる

さらに、「ソラ・アメ・カサ」は簡単に見につけることができる。上司に報告する際、頭の中で、「ソラを伝えたので、次はアメ。最後はカサ」と順番を守って話せばいいだけ。「すぐ習慣になる」と、松本さんは言う。

「ただし、1つ注意点があります。日本人は改善思考が強いこともあり、アメを考えるとき、つい課題や原因を探ってしまうことが多いのです。課題や原因の洞察が正しくても、『その結果どうなりそうか』という未来予測が異なると、打ち手も異なります。日本人は原因探しになりがちなので、その点を注意してください。」(松本さん)

優秀なエリートには共通点がある。5秒で整理し、伝え、全体像と優先度を決め、PDCAを回すことができる裏で、仮説検証をくり返しレベルが上がっていく。これは、大手外資系コンサルティング会社では最初に学ぶ思考術になる。なお、本書は、一般のビジネスパーソンが読みやすいように解説、例示されているので活用しやすい。

尾藤克之
コラムニスト

即効!成果が上がる 文章の技術』(明日香出版社)
※10/15(月)に11冊目となる書籍を上梓しました。

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尾藤 克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

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