全国会議員の学歴を分析して分かった事実の数々

2018年11月05日 11:30

47都道府県政治地図」(啓文社)の巻末に全国会議員の名簿をつけるために、衆参国会議員703名のデータベースをつくった(8月末現在のデータ)。

そのなかで学歴を分析してたら、なかなか面白いことが分かったので解説しておきたい。その対象としたのは自己申告の最終学歴である。大学院、中退などの扱いで何を持って学歴とするかは自明の理でないのだが、本人が普通に使っている学歴を採用している。

官邸サイトより:編集部

最終学歴だけを問題にしているので、海外や国内の大学院をもって最終学歴とした場合、学部レベルでどこの大学を出たかはカウントに入っていない。また、中退や大学院もすべてその大学の数字に入れてあるので、それを前提としていることを断っておく。

まず、日本の大学出身が602、海外の大学が70、高校や専門学校が31である(高校卒23、高校中退2、中学校1,専門学校5)。

ここで留学経験者の多さに驚く。これは卒業してないものは含んでいない。安倍首相なども含めて広い留学経験という意味ではもっといるはずだ。このうちイギリスが5人、カナダが1名いるが残りはすべてアメリカだ。私と同じENA(フランス国立行政学院)に留学していた片山さつきが入っていないが、これは、ENAは公務員の研修所のようなものなのでフランスでも職歴にカウントされ、卒業というコンセプトがないためだろう。

大学経験のない国会議員はずいぶんと減って、苦労人というよりは芸能人やスポーツ選手の割合が高い。唯一の中卒はアントニオ猪木だし、今井絵理子、橋本聖子、山本太郎、三原じゅん子などがいる。森山裕、又市征治、糸数慶子といった有名政治家もいる。

ひとつの大学で10名以上というのは、東京105、早稲田74、慶應66、京都31、日本21、中央21、明治16、創価14、東北11、上智10、法政10だけで意外に少ない。それに対して、ハーバードが14でコロンビアが12で、日本の大学と比べても上位に入っている。

地方の大学では青森、群馬、栃木、静岡、奈良、島根、高知、徳島、佐賀、宮崎の各県に所在する大学出身の国会議員がゼロというのが意外なところ。

東京大学の多さも予想以上に多く、留学者を入れればさらに多数なのだが、その割には、細川護熙以降の首相13人のうちでは、上智、成城、明治、慶應、早稲田、慶應、成蹊、早稲田、学習院、東大(鳩山由紀夫)、東工大、早稲田、成蹊と、アンチ東大包囲網が形成されている印象すらある。

また、地方大学出身者が地元ではゼロというのも多い。鳥取大学は共産党の山下芳夫副委員長(参議院比例、地盤は大阪)と杉田水脈議員(中国比例区だが山口県連所属)。

杉田氏が鳥取大学というのは意外だが、兵庫県出身だからそれほど異例ではない。その鳥取大学出身でただひとりの代議士をもっとも執拗に攻撃しているのが地元選出の石破茂氏というのも変だが独特の思考回路を持つ石破氏ならではか。「新潮45」問題が最初に出たときもさっそく、総裁選挙での安倍攻撃の材料にして党内での杉田氏批判の先陣をきったし、最近も論文撤回を要求する執拗さ。

意外に少ない感じは、大阪3、九州4、意外に多いのは専修9、神戸8あたりか。青山学院や立命も9人ずつ。首相と同じ成蹊は古屋圭司※訂正あり。彼らは優遇されているかはサンプル数が少なすぎて断言できない。小泉内閣のときは、あきれるばかりに慶應優遇だった。

現在の閣僚は、東京大6,早大5、京大、成蹊、学習院、日大、法大、上智、明大、ジョージタウンがそれぞれ1名だ。東大以外の大学は京大中退の1人だけだが、吉川農相は日大卒業後に北大の大学院で学んでいる。慶大はないが、河野外相は慶応高校から慶大に進んだのちにアメリカに留学した。

第三次内閣では、甘利、竹下、石破と慶應出身者が三人いたが、安倍政権下では全般的にはやや慶応出身者のプレゼンスが小さいように見える。しかし、やはり東京以外の大学出身者の割合が議員数に比しても少ないように思う。

※訂正(5日20:45)初稿時、江藤拓氏を成蹊大OBと記載しましたが、成城大の誤りでした。

47都道府県政治地図
八幡和郎
啓文社書房
2018-10-18
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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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