留学生ラガーマンと共存共栄へで大きく成長

2019年01月15日 14:00

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

今日は日本大学ラグビー部GMとして、今年の大学ラグビーシーズンを振り返って感じた事を記します。

明治大学が死闘を制す

ラグビーの大学選手権決勝戦は明治大学が関西王者の天理大学を22-17のスコアで下し実に22年ぶりの優勝を手にしました。決勝の舞台となった秩父宮ラグビー場には大勢の明治大学ファンが集まり一つ一つのプレーに歓声が沸き上がっていました。そして、最後のワンプレーは天理大学の攻撃でしたが、日本航空高校石川時代から注目を集めていたシオサイア・フィフィタ選手の明治大学守備陣のプレッシャーがノックオンを誘いノーサイドを迎えるという劇的なゲームでした。正に大学ラグビー史に残る死闘と言えます。

さて、今シーズンの大学ラグビーを振り返ってみると無敵の王者帝京大学は前人未到の10連覇を目指し、早稲田大学はラグビー部創部100周年の節目の年、そして外国人留学生プレイヤー3人枠拡大と実に様々なトピックスがありました。最終的には、ここ何年もかけて基礎を固めて鍛えられてきた明治大学が栄冠を奪い返すというのは多くのラグビーファンを喜ばせたのでありました。

外国人枠拡大のシーズン

外国人枠拡大にあたっては賛否両論があります。しかしながら、結果として留学生を擁しない明治大学が優勝となったのも何か運命的なものを感じます。

そこで今日は大学ラグビーの留学生受け入れ議論に触れつつ大学ラグビーがどのように日本ラグビーの普及発展に貢献していくかについての私見を述べたいと思います。

さて、私達日本大学ラグビー部には現在4名の留学生が在籍しています。トンガ人留学生3名とオーストラリア人留学生1名です。いずれも、他の選手達と同じ入学試験を受けての入学で、2年生のアサエリ君は自己推薦入試で日本語でのプレゼンも評価されて合格をしています。特にアサエリ君は中々進路が確定しないという状況で、日本大学自体は当時は原点回帰を掲げて留学生ゼロでしたが彼の人間性と目黒学院高校の先生方の強い推薦を受けて留学生受け入れ再開を決めたものです。

1年生のフレイザー君、シオネ君も日本の高校出身でコミュニケーション能力や日本で学びたい事があるという思いから日本での進学を模索している時に学校関係者と私が知り合い入学試験受験を進めてきました。彼らの同級生には高校卒業後に母国に帰国し進学の道を選んだ選手もいるのです。

(箱根駅伝スタート地点の応援に驚くフレーザー選手)

かつて、まだ留学生が大東文化や流通経済あたりしかいない頃の2001年にタウファ・統悦君(現在、近鉄ライナーズで活動)が日本大学に入学しました。以後、日大は多くのトンガ人留学生を輩出してきたのです。元々はアマチュア相撲が普及していたトンガ王国の相撲関係者から「日本で学びたい」という統悦選手を紹介されたのがきっかけでした。私は彼が来日したその日から一緒に過ごし、共に日本語の勉強も重ねていきました。チームにはトンガ文化のかけらもなかったわけですが、日本で頑張りたいという彼の意思の強さが最終学年ではキャプテンに指名されるまでの成長やトンガ文化の理解を支えてきたのは事実です。この点については同世代で角界に入門した南の島や碧剣という力士達からも人間性の良さ、優しさを感じてきたのを今思い出します。

(統悦君は大学の先輩後輩の関係に最初は戸惑ったそうです。)

タウファ統悦のおかげで成長できた

考え方にもよりますが、私は統悦君と過ごした経験からオセアニア地域(大洋州)の国々との交流の機会を得る事が多く、今でもミクロネシア振興協会の役員を務め、これまでにもパラオ、ソロモン、パプアニューギニアの皆さん方とも様々な取り組みをする事が出来ました。ラグビーにおいても、世界大会等ではフィジーやサモアのラグビー協会の方々と色々な意見交換も重ねて、いつも前述の統悦君のように実直で日本で学びたい若者がいれば教えて欲しいとよく話してきたものです。

(フィジーラグビー協会の方々と)

また、これも大きな縁ですが、私が在学中に関東学生ラグビーフットボール連盟の委員長をしていた頃にご指導頂いた大東文化大学の中本博皓先生が実はトンガ王国の研究では第一人者であることを知ったのもオセアニア地域の勉強会に出ていたからです。経済支援、人的交流、文化交流などの色々テーマがあるとは思いますが、私は日本大学で留学生と出会わなければこの約20年の間、学べなかった事、経験出来なかった事が沢山あります。

(昨春のオーストラリアでは在豪トンガ人に助けてもらいました。)

余談ですが、東京都教育委員会の職員との間で、英語教育について、より習得を深めるにはアウプットの機会を増やしたいとよく話します。しかも、出来れば非ネイティブ同士だと尚更共に頑張るから会話力が上がるというのは私がオセアニアの人達と経験してきた事に基づく実感です。

純粋に日本で頑張りたい青年達を応援したい

留学生枠が3人に増えたラグビーシーズンで私達のチームにも色々な意見を寄せられました。しかし、私の立場からすれば縁があり本学で学ぼうと決意してくれた選手達があくまでルールに基づいた日本人選手達と同じ入学試験に合格し、ルールに基づいて試合に出場していた彼らが苦しむ局面だけは避けなければならないと神経を使ってきました。

アサエリ君に至っては中学2年生から日本にやってきたのですが、彼の小学校の同級生も日本に来たいという話が浮上し、それで日大にやって来たのがオト君です。そういった人の縁での入学が続いてきた本学の場合、留学生がスタメン落ちする事もよくありました。

今回、天理大学の留学生達も決勝戦に臨むに当たり大きなプレッシャーを感じた事と思います。個人的には、ノーサイド後に最後までうずくまり悔しさをにじませていたモアラ君の姿が頭から離れません。人それぞれ長所短所はありますが、モアラ君やアサエリ君などは高校時代から「日本人より日本人らしい」と言われてきました。モアラ君については、彼が高校二年生時のこと、高校代表に選ばれた遠征先での怪我の為、選抜大会には出場出来なかったものの献身的にチームのサポート係を務めていた姿をよく覚えています。こういう彼らの気質や努力を何度も見てきました。

いずれにしても、今季の総括として結局は留学生のパワーだけでは勝てない。チーム力の結集こそが大切なんだという事を大きく学んだのは万人に共通すると思います。

覇権を奪回した強い明治大学、スター選手が集まる早稲田大学といったラグビー伝統校に各大学がどうやってぶつかっていくのか来シーズンの見所です。我が日本大学は春季大会は幸運にも明治大学と同じグループに入ります。かつては八幡山で頑張って来た間柄、今年は胸を借りる事が出来てその壁を選手が感じる事が出来ます。

今年はラグビーワールドカップイヤー。多文化共生社会において留学生と文武両面て切磋琢磨することで未来は大きく変わるものと信じています。日本代表からジュニアラグビーまで大きく変化を感じる1年になりそうですし、頑張り甲斐があります。


編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2019年1月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。

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川松 真一朗
東京都議会議員(自由民主党、墨田区選出)

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