公共施設の利活用の前に決めるべき3つの原則

2019年02月04日 06:01

近年、「公共施設マネジメント」という言葉をよく耳にしませんか?どの自治体も補助金頼りの財政の中、高度成長期に大量に作ってきた公共施設が老朽化し、更新費用を払えないという事態に陥りました。そこで、総務省が旗振り役となり、平成26年に「公共施設等総合管理計画」の策定を地方自治体に要請しました。

写真AC:編集部

これを受けて、どの自治体も公共施設マネジメントに真剣に取り組みだしたわけですが、そもそも公共施設の台帳さえない、つまりどこにどんな施設や土地を持っているかも管理していない自治体がほとんどという有様だったので、焦って整備したのが実態です。民間企業では有り得ない・・税金運営だと、こんなずさんなことになるのです。

ともあれ、全国各地の自治体が公共施設の今後のあり方についての方針を定めたわけですが、大半はキレイごとに終始。努力目標的な方針を定める自治体ばかりです。

公共施設の削減の際には必ずと言っていいほど反対の声が上がるので、削減目標をあらかじめ方針として策定していない状況では、削減根拠が薄く、結局ほぼ削減できないでしょう。改革派の首長がいればその時期だけは進むかもしれませんが、今の日本の人口減少を鑑みれば、人的依存なく安定的に削減していく必要があるのではないでしょうか。人口減に合わせて、公共施設も縮小化していかなくては、とても採算が合いません。

出生数の母体となる我々団塊ジュニア世代が既に出産適齢期を超えており、今後出生率が爆発的に伸びることは有り得ません。全国的に見れば人口減少は避けられない中、自治体間で人口の取り合いをすることに生産性はありません。

PPP研究所のリサーチパートナーとして、地方自治体の公共施設マネジメントに意見することがありますが、そもそも削減目標なくして、廃止になる公共施設を何とか利活用したいという時点で問題です。人口減少を何とか食い止めることを前提に、公共施設の利活用を考えるのでは無く、人口減少後を見据えた公共施設の再編成を検討すべきです。

削減目標に沿った上で、福祉施設の需要過多に対応する必要に迫られていたり、利活用がまちの活性化に大きく資するのであれば妥当性もありますが、そうでもない施設は手放していかなくてはなりません。削減目標も無く活用案を練ることは、人件費の浪費、つまりは税金の無駄遣いです。

今、地方自治体の公共施設マネジメントを考える前に必要なのは、「ハコモノ三原則」です。

【ハコモノ三原則】
1「新規整備は原則として行わない」
2「施設の更新は原則、集約化・複合化・多機能化した施設とする
3「施設総量(総床面積)を縮減する(40年間で15%程度の縮減が必要)」
さいたま市、目黒区などが策定済み)

山本ひろこ 目黒区議会議員(立憲民主党)
1976年生まれ、広島出身、埼玉大学卒業、東洋大学院 公民連携学修了、東京工業大学 環境・社会理工学院 博士課程後期。
外資金融企業でITエンジニアとして勤務しながら、3人娘のために4年連続で保活をするうちに、行政のありかたに疑問を抱く。その後の勉強会で小さな政府理論に目覚め、政治の世界へ。2015年、目黒区議選に初当選。PPP(公民連携)研究所、情報通信学会、テレワーク学会所属。健康管理士でもある。

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山本 ひろこ
目黒区議会議員(立憲民主党)

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