パチンコ人口が減ったことを単純に喜んでいいのかという話

2019年03月13日 14:00

ども宇佐美です。
昨日「日本人の7割はパチンコを一度もやったことがない」というニュースが結構バズっていましたが、これに関して思うところを書きたいと思います。

まずニュースの内容の確認だが、記事によれば1万人弱のアンケートをしたところ

→現在パチンコをしている人は全体の7.7%、過去にしていたが今はしない人が45.6%、一度もやったことがない人が46.7%、

→他方でパチスロに関しては現役は5.1%、一度もやったことがない人が70.8%(過去にしていたが今はしない人がおそらく差分の24.1%)

という結果が出たとのことだった。

「パチンコやったことがない人が7割」というバズり方をしたが正確には「パチンコやったことがない人が5割、パチスロやったことない人が7割」ということらしい。いずれにしろ2010年に11.9%いた現役パチンコユーザーが7.7%まで減ったのだから、業界としてはまさに「瀕死」であろう。ソシャゲーの普及、広告規制の強化、など複合的要因で2008年ごろから顕著なパチンコ離れだが個人的には「ついにここまで来てしまったか」という印象である。

ネットでは概ねのこの結果に好意的で「パチンコなんてなくなっても誰も困らない」「みんなパチンコみたいな脱法ギャンブルをやらなくなったのはいいこと」というような反応が多かったように思える。ただ、私としては単純にそうも言えないのではないか、と思うところである。

これは主観だが基本的にパチンコホールに来る人というのは、多かれ少なかれどこか孤独を感じていて、社会に居場所がないか、少なくとも自分が社会にしっくり嵌まってないと感じている人である。そういう人がパチンコホールに集まって、ウサを晴らすかどハマりして、ひどい場合はギャンブル依存症になっていく。良くも悪くもパチンコホールはこういう問題が見える「リアルな場」である。

ではパチンコホールから人が減ったところで、かつてのユーザーが抱えていた問題が解決したかというと”必ずしも”そういうわけでもない。もちろん解決する場合もあるが、そうでない場合の方が多分おおいのだろう。(相互作用があるにしても)本質的には「問題は人にある」のであって、必ずしもギャンブルの側にあるのではない。そしてそういう人がどこに流れていくかというと、ソシャゲで課金しまくっているわけである。この辺の対象層の重複はソシャゲ開発の当事者も語っている。

金なし、開発たった7人…期待ゼロだった「モンスト」、なぜ驚異的ヒット?(Business Journal )

ソシャゲを批判して、パチンコを上げるわけではないが、個人的にはソシャゲに依存するのはパチンコに依存するよりももっと危険だと考えている。なぜならソシャゲはリアルな「場」があるわけではないから、パチンコよりも格段に依存症状が周りに見えづらいからだ。そしてパチンコと違って24時間プレイ可能だ。ちょこちょこニュースで見るソシャゲに嵌まった夫婦が借金を作って家庭が崩壊する、なんていう話は報じられているよりもずっと多いんだろうと思う。とはいえパチンコ業界も依存招対策はほとんどしてないので50歩100歩ではあるが。

いずれにしろパチンコ業界が生き残るにはソシャゲとの競争で生き残っていく必要があるわけで、こういうことを考えると「依存症対策」というのは本来はパチンコ業界にとって決して後ろ向きに捉えられるような話ではないんだろうと個人的には思う。「パチンコは依存症の症状が周りに見えるし、業界として対策もしてくれるから、ソシャゲよりもまだマシだよね」という評価を社会的にどう作っていくかを考えることが業界にとって中期的に一番重要なことなのではなかろうか?

たまに囁かれる、パチンコ税とかパチンコ業法という話も、本来はそういう観点で議論されるべき話なんだろう。こうしたことは案外現場を見ているホールの店長なんかはわかっているのだが、問題はパチンコ業界の指導層が未だに「パチンコはギャンブルじゃない」とか「ギャンブル依存症という病気はない」とか危機感がないことを言ってることなんだろう。ただこのまま行けば本当に業界は消滅するので、さすがにそろそろ目覚めるのではないかと思う。

この辺のことも新著「パチンコ利権」では詳しく書いたのでご興味ある方は読んでいただければと思う(結局宣伝)願わくば業界の人に届いて欲しいものである。

ではでは今回はこの辺で。

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宇佐美 典也
作家、エネルギーコンサルタント、アゴラ研究所フェロー

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