昨日から変わったもの。消費はこの先どうなる?

中田 宏

一昨日は新元号『令和』が発表され、当日の朝から晩まで、昨日も含めて、この二日間はとにかくこの話題で持ちきりでした。

さて、元号が発表された4月1日といえば多くの会社で新入社員が入社した日でもありました。実は私の娘も新社会人の仲間入りを果たしましたが、『令和入社』って今後は言われるんでしょうね。

4月1日といえば他にも、働き方改革関連法が施行され、大企業での残業は年720時間以内、単月では100時間未満に制限されました。この法案、中小企業は来年から適用されることになりますが、違反すれば罰則が科せられる事になりました。

また、改正出入国管理法も施行されました。
基本的に今までの日本では認められていなかった外国人の労働者。これからは、新たな在留資格が人材不足が深刻な14業種で認められるようになりました。

そして我々の身近なところで何が変わったのか。
あんまり嬉しくはないニュースではすが、物の値上げです。

(写真AC:編集部)

(写真AC:編集部)

例えば牛乳やヨーグルトなどの乳製品が店頭価格で10円程度の値上げです。これは酪農家が減っていることや飼料価格の高騰などによるものです。そして、清涼飲料水がこれまでの希望小売価格(税別)から20円程度値上げになります。こちらは物流費と原材料費の高騰などが要因です。またサバ缶が需要増や漁獲量減少により値上げされます。

その一方で、ラインナップは少ないですが値下げになるものもあります。
例えば、牛肉です。TPPがすでに発行されていますから、カナダ産牛肉などが段階的に関税が引き下げられますので、やがて価格に反映されることになってきます。アメリカはオバマ大統領はTPPに積極的でしたが、トランプ大統領がTPPから抜ける決断をしたため、アメリカ産の牛肉は値下がりません。近い将来、「なぜアメリカ産の牛肉を買わないのだ」ってトランプ大統領は逆ギレするのが目に見えていますね。

それから、原油価格の下落により国際線の燃油サーチャージが下がります。例えばアメリカ行きの場合。今までよりも1万円以上下がり、7000円程度になるそうですから、大幅な値下げになります。しかし、毎日アメリカに行くわけではないですからね。

実は値上げまで続くらしいです。
というのも、10月に消費税が8%から10%に上がります。増税後に値上げすると、便乗値上げと取られかねないし、購買意欲が低下すると考え、メーカーは、増税前の値上げを検討しているようです。例えばスナック菓子は5月に値上げや内容量を減らすなどする。
インスタントラーメンは6月から4~8%値上げになるそうです。

あえて言うならば、値上げにも『いい値上げ』と『悪い値上げ』があると思います。単純に原料費が上がったから値上げし、給料が上がらずものの値段だけ値上がった場合、消費は落ち込みます。だけど、今日本は人手不足ですから、人を大切にするという為に物やサービスの値段を上げげ、それが給料に反映されるというならば、これいい値上げだと思います。

さて、これから日本の消費をどうなるのでしょうか。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年4月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。