為替と仮想通貨の新発想

2019年05月30日 14:00

安全通貨を買う、という言葉を聞いたことがあると思います。世界の中で米ドル、円、スイスフランはその典型とされます。では安全通貨同士の比較はどうでしょうか?ドルと円の為替は相対なのでどちらかが上がればどちらかが下がるシーソーゲームですからこれだけ見ても何もわかりません。

写真AC:編集部

いわゆるドルストレートではなく、クロス円(米ドル以外の通貨ペア)では円は2年半ぶりの高い位置にあり、世界的に見て円は強くなっているとロイターは報じています。ただ、ドルも強いため、双方が強くなってしまい、ドル円の為替に表れていないという状態とも言えそうです。ただ、一部の為替専門家は引き続き対ドルの円高予想をしており、105円という数字が目先上がっています。

ちょっとマニアックですが、これを複数の通貨の比較インディックスチャートに当てはめて指数基準日を18年10月1日とし、19年5月27日における各国通貨の強弱を比較してみました。10月を基準としたのは米中通商交渉が世の中で懸念され始めた頃だったからです。すると主要通貨で一番強いのは円で指数では105.83、ドルが100.88に対してユーロは97.15、ポンドは意外と98.13をつけています。

ユーロが世界主要通貨の中では弱い傾向が止まらないわけですが、通貨安は輸出競争力の上昇ですからドイツは有利になります。それが反映されるのがユーロ圏各国の国債であり、更にいびつな関係が生じてしまいます。つまり、ドイツやフランスの国債が買われ過ぎる傾向にあるともいえるのです。為替がトリガーとなり、様々なひずみを生み出す、ともいえるのかもしれません。

ところで通貨とは政府保証のマネーであります。ではなぜ、自分の国では自国通貨だけを使うのでしょうか?アメリカからのお客さんが日本でドルをそのまま使えてもよさそうな気がしませんか?もちろん、小売店からすればレジにいろいろな通貨があるわ、為替レートはあるわ、となったら大混乱します。だからかつては両替商にいって現地通貨をゲットしたのです。

でもちょっと待ってください。最近、海外旅行に行って現地通貨に両替しましたか?少額はするかもしれませんが、かつてあったトラベラーズチェックなんて死語ですよね。ほとんどの方はクレジットカード決済のはずです。アメリカ人が日本で買い物するクレジットカードはアメリカ発行のものですからドルベースなんです。よって考え方としては日本で買い物したものをドルで払っているのと同じなのですが、受け取った店が困るのでカード会社が円転してくれるという見方もできます。

こう考えると日本に年3000万人も来る海外からの旅行者はみな、違う通貨を日本で使っているとも言えないでしょうか?これはある意味、AIやらIoTだと言っている現代世界に於いてずいぶん遅れているシステムなのかもしれません。

写真AC:編集部

もしも仮想通貨で世界通貨をバスケットし、バランスさせて為替変動が少ない安全な仮想通貨を流通させたとしたらどうでしょうか?仮想通貨の場合、その発行額に対する保証がどうなっているのかが問題になります。その発想をいっそ、新通貨使用者全員が発行者であり使用者という「とんでも発想」があったらどうなりますか?言うだけ言って深堀していないのですが、絶対不可能ではない気がするのです。

例えば日本人が円ベースで100億円、アメリカ人がドルベースで1億ドル、欧州からも1億ユーロ分参加すればその総通貨をバスケットに入れ、安定的な交換比率を提示し、商品がどの国でも新通貨で両替なく買えるという仕組みを作ったらどうでしょうか?多分、誰も考えたことがないはずですが理論的には可能なはずです。私は実現不可能とか素人、と言われようが新しい取り組みが必要だと思うのです。

今の世界で不満ばかり言うのではなく、じゃあ、どうしたらよいのか考える、という癖が必要だと思うのです。現代の為替システムは私にとってもっとも改善を要するエリアだと思っています。海外送金もスイフトシステムという前近代的システムがようやくだめだと指摘されてきてます。

日本は為替変動のたびに企業業績に影響し、株価が揺らぎ、時としてニュースで大きく報じられます。それがなく、安定したグローバル社会の発展ができればこれほど良いことはないでしょう。私は今の為替システムがどうにか早くアップデートされないかと心待ちにしています。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年5月30日の記事より転載させていただきました。

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