教育格差の是正に挑む② データをどう活かすか

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)のおくざわ高広です。

前回の教育格差の是正に挑む①の続きですが、「教育格差(ちくま新書)」の著者である松岡亮二さんに「意見交換をしたい!」とメッセージを送信したところ、快く受け入れていただきました!

まずもって、心から感謝します。ありがとうございました。

※本ブログでは、書籍の詳しい内容には触れませんので、是非お読みください。

意見交換の冒頭、松岡さんから、「どうしたら具体的に変えることができると思いますか」との問いかけがありました。

現状分析して終わりにすることなく、政治が悪いと批判に終始するのでなく、小さくてもいいからアクションを起こしていきましょう。

そのメッセージを、まずは皆さんにお伝えしたいと思いますし、私もそれに応えることができるよう取り組んでいく所存です。

さて、以下意見交換した内容からポイントをいくつか抜粋します。

●日本の教育界が保有する大半のデータは、分析可能な状態で収集・保管されていない。

→まずは、各種調査をデザインしなおすことが必要。

(何のために、どのような項目を、どのようにデータベース化していくか)

格差を是正する一つの方法が教員の配置であり、それにもデータが有益。

→教員(正規・非正規)の過不足を正確に把握することや教員の個人データを一元化することがスタートライン。

(教員配置に加え、個々の教員に対しどのような支援が必要かという検討材料にもなる)

●学校現場には、数多くの調査があり、教員の疲弊の原因となっている。

→減らそうという議論ではなく、教員と子どもにとって有益な調査に変えようという議論にしてほしい。

(そのためには、教育データを解析する人的リースも育てる必要がある)

●「教育をより良いものにしよう」ということに反対する人はいないが。。。

→個人の情熱や努力に依存しない、エビデンスに基づく対話の場をシステム化する必要性。

●データは潜在化した(当事者が気づいていない)教育格差も浮き彫りにする。

→逆境を跳ね返した「一部の美談」をことさらに取り上げることなく、本質的な課題を見る。

また、意見交換の場では話しませんでしたが、松岡さんの萩生田大臣による「身の丈発言」への論考(現代ビジネス)も是非読んでいただきたいと思います。

私もお話を伺う前は、逆境を乗り越えていけ、若者よ!という考えが、心のどこかにありましたし、費用面でのサポートこそが、教育格差を埋めると思い込んでいました。
しかし、それだけでは足りない格差が、厳然たる事実としてあることを教えていただきました。

「教育格差」を政局にすることなく、どうすれば「教育格差」をなくし、一人ひとりの子ども達の可能性を最大化できるのか。引き続き、調査・研究・提案を重ねていきたいと思います。

昨日は成人の日。
まちを歩くと、着物や紋付き袴、スーツを身にまとった新成人とたくさんすれ違いました。

その背景にある「教育格差」を想像したとき、私たち政治家に課せられた責任は重く、果たすべき役割は大きいと痛感しました。

誰もが産まれてきてよかったと思える社会へ、
教育におけるデータの有益性が市民権を得るように、働きかけていきます。


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2020年1月13日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。