安いは怖い 世界経済の行方

2020年02月28日 16:00

今週、世界の株式市場は大きく動揺していました。

先週から今週にかけてのニューヨーク株式市場のダウ平均株価の動きはこうなってます。

2/21(金) 28,992.41ドル
2/24(月) 27,960.80ドル
2/25(火) 27,081.36ドル
2/26(水) 26,957.59ドル

そして日本の東京株式市場の日経平均株価の動きはこうなっています。

始値       終値
2/21(金) 23,427.77    23,386.74
2/24(火) 22,949.37    22,605.41
2/25(水) 22,374.14    22,426.19
2/26(木) 22,255.83    21,948.23

いずれも先週から今週にかけてどんどんと下がっているのがわかると思いますが、当初は連休明けの火曜日には780円という大幅安、そして水曜日は179円安、昨日は477円安と3日間でこれ1,500円近く根を下げています。

なぜ世界的な株価下落になっているのかと言えば新型コロナウイルスの世界的な感染拡大ですね。昨年12月に新型コロナウイルスが発症してからも、アメリカでは新型コロナウイルスの感染がそこまで拡大しないだろうという理由で、アメリカ経済は堅調に推移をして、ニューよく株式市場のダウ平均株価も値上がりしてきました。

ニューヨーク株式市場が堅調ならば東京も、世界各地の株式市場も堅調という状況ででしたが、先週末からはイタリアで感染症患者が急拡大、そして株価が下落、これにつられてヨーロッパのドイツやフランスでも株価が下落しました。

先日お伝えした通り、iPhoneの製造などの工場稼働が完全ではないため、アメリカでもアップルなどハイテク企業の株価が下落しました。要するに経済の先行きが不透明ということでアメリカでの株価が下落しています。さらに、経済が停滞するだろうという予想から、原油や銅などの価格も下がっています。

株式は企業の業績によって株価が変動するから、リスク資産と呼ばれています。今回は経済環境の悪化で多くの株価が下がっているわけですが、こういう状況では安全資産と言われるアメリカ国債などにお金が流れています。

日本国債やアメリカ国債などの国債は国の信用で利率が決まっている為、安全資産と呼ばれています。今回もリスク資産の株式市場から安全資産にお金が流れ、アメリカ国債が買われています。その結果、アメリカの10年物国債の利回りは1.331%(2020年02月26日 終値)となっており、2016年の過去最低を更新しました。このようなアメリカ国債金利の低下は通貨安につながり、日本では円高が進みます。

日本の為替と株式の相関関係は、円高のときは株安、円安になると株高となります。この原則通り、株は安くなっていますが、今回はそれだけではなく、新型コロナウイルスの感染は日本でも拡大しています。ニューヨーク市場につられて日本も下がる、何より世界経済全体を見てみると世界同時株安になっていますから、深刻です。

通常ならば株価が安いときには値上がりを期待して買いが入りますが、今回は経済全体の先行きが読めない、すなわち個別企業の問題ではないわけです。ですから通常とはかなり違う様相です。もうおわかりだとは思いますが、かなり怖いことになっている気がします。

以前もお伝えしたことがありますが、「俺、株なんか持っていないから関係ない」というわけにはいかないんです。

株価が下がるということは、企業の資産が下がることを意味し、株を保有している個人の資産価値も下がります。これは経済全体にとって悪影響を与えていくことに繋がってしまいます。

はっきり言って、全ては新型コロナウイルスの感染拡大がどこまで広がるか、そして各国がどれだけ拡大を阻止できるかにかかっています。

さて、株や国債などはこれ金融資産と言いますが、冒頭で話した銅などは実物資産と言われています。銅は経済が停滞し工業製品の生産が減れば、銅の利用が減る為、実物資産としての価値が下がってしまう性格ですが、ここに来て、実物資産で値上がりをしているものがあります。

それは次回の知っトクでお伝えします。お楽しみに。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年2月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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