厚労大臣のテレビ出演に文句を言うのは、お門違いだろう

早川 忠孝

SNSで呟くことをもって、この国会議員は情報発信に熱心だ、などと短絡的な評価をされない方がいいと思う。

SNSはあくまで個人的な情報発信のツールであり、使い方を間違えるととんでもない事態を招くことがある。
アメリカのトランプ大統領のような使い方は感心しない。

テレビ東京系「緊急生放送!池上彰の新型コロナ大疑問SP」より:編集部

厚労大臣が民間のテレビ局に出演していることに、大臣失格だ、正式な記者会見をやるべきだ、などと都知事として失格の烙印を押された方が騒ぎ立てられているようだが、厚労大臣のテレビ出演はどこのテレビ局であっても、褒められこそすれ、貶すべき筋合いのものではない。

厚労大臣があらゆる機会を通じて国民に本当のことを伝えようとしている姿は、日本の政治家としてはむしろ見習うべきで、万一、テレビ出演した厚労大臣の説明に納得が行かないのであれば、単にそのことを指摘すればいいだけのことだと思う。

都知事失格の烙印を押された方の発現に触発されて、厚労大臣のSNSを通じての発信が少ないことを指摘される方がおられたが、これは、厚労大臣が選挙後一貫して国政の中枢にいて、うっかりとした発言が出来ない立場に置かれていたことを失念されていたための投稿だろうと思っている。

国政の中枢にいる国会議員が国政に関する重要な事項を個人のSNSで一般に開示してしまうようなことは、絶対に避けなければならない。

トランプ流がどこの国でも通用するわけではない。

内容によっては、市場に影響することがあるかも知れないし、場合によっては守秘義務に違反してしまうかも知れない。

どこの世界にも何の影響力もない市井の評論家やブロガーと、国政の中枢にいる方々とは自ずから違う。
口が重くなるのは、仕方がない。

口が重いのは、それだけ重要なポストにいる、という証拠である。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年3月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。