東京五輪を再順延するなら2022年なのか大検証

2020年04月01日 18:00

東京五輪の来年7月への順延は妥当である。私は3月12日に「東京五輪の一年延期へ意見集約を急ぐチャンスだ」という記事を書いたが、あの時点で書いたことはほぼすべて当たっていたと思う。

この種の提案は、早すぎても遅すぎてもうまくいかないのである。安倍首相は、トランプ大統領を説得しG7の了解を取り付け、見事に状況を日本に有利なようにコントロールした。称賛に値する。

昨年9月、NYでバッハ会長の表敬訪問を受けた安倍首相(官邸HPより)

今の段階で発表するなという米紙の批判もあったが、それはスポーツマンへの配慮に賭けた批判だ。早く決めないと準備ができないし、もうひとつは、2022年にしてしまうと、代表選考をやり直さざるを得なくなり、2020年東京五輪の順延ではなくなってしまうからだ。

「アスリート・ファースト」というだけで誤魔化してしまいがちな小池都知事の物言いもどうかと思うが、それなりの配慮は不可欠だ。

2021年開催でも選手村は再検討した方がいい

しかし、2021年夏の開催に不安がないわけでない。世界的な流行にどう対処するか、いろんなケースをシミュレーションしておく必要がある。そんななかで私がいちばん怖れているのは、選手村で感染が起きたケースだ。その規模によっては選手が集まってから中止に追い込まれる可能性があるので、まずは、それを避ける必要がある。

私は選手村方式について再検討すべきだと思う。たとえば、国別にして相互の交流をさせないというのも一案だ。流行が続いている国は隔離するとか2週間以前の来日を求めるということもありうる。感染の防止も対応も各国の責任になるので効果的だと思う。また、それに伴って、選手村は使用するにせよ食事の提供などにも困難をきたすので縮小し、ほかの施設に分散した方がいい。

極端には、各国、日本全国に散らばって宿泊し、試合の日にだけ東京にくるようにするのも一考だ。

それ以外にも、国際交流の場としての華やかさは諦めて、感染防止優先で体制を組み直すべきだ。

2022年にした場合にそのあとどうする

次に、やはり流行の状況から2021年は無理だとなったらどうするのか?まず、2024年というのは難しい。そうしたら、8年間、五輪がないことになり選手が気の毒だ。2020年の代表は大半が出場のチャンスを失う。それに次回開催のパリの了解も必要だ。

私はその場合は「東京2020」は中止にして「東京2022」とするのが良いと思う。そして、パリを2024年に開催するかどうかは、フランス次第だろう。フランスが予定通り2024年というならそれでもいいし、東京五輪を2021年に開催できないようなケースでは、パリも準備に支障が出る可能性もあり、1年ないし2年ずらした方が楽かもしれない。

たとえば、2026年にするなら、もう、五輪開催年を2年恒久的にずらすのも一考だ。あるいは、2025年にして、2028年にロサンゼルスとすれば、2022、2025、2028という風に3年おきに開催と言うことになり、それも悪くないかもしれない。

いずれにしろ、これはマクロン大統領と安倍首相が腹を割って話し合うのがいいのでないか。要は、完全な中止に追い込まれないために、さまざまな工夫をすることが大事だと思う。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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