インフォデミック―根拠のない「4月1日ロックダウン」はなぜ広がったのか(政治山オンライン:拙稿)
根拠はなくとも論理的に成り立つ情報を否定することは、ある程度のファクトがあったとしてもとても難しい。
ファクトでの説得を試みる難しさを考察した研究も報告いるが、真偽不明なニュースを解釈することに、情報に関するリテラシーや情報処理能力はあまり関係ない。どんなに頭が良い人でも論理的には成り立つ真偽不明な情報に関しては、気に留めざるを得ず、各々の行動に影響を与えてしまう。
こうした状況下において、情報の受発信を行うにあたって必要な心得は、
①真偽不明な情報が出回っているという事実認識を持つこと
②簡単に入手できる根拠のわからない情報に対して一喜一憂して鵜呑みにせず、ファクトチェックを行うこと
③情報源がはっきりせず、ファクトチェックができていない情報の発信には十分注意すること
④どんな状況になっても対応できるようにできる限りの備えをしておくこと
がやはり重要。
インフォデミックが起こる状況は、根本を質せば、政府の日頃からの情報発信に大きな問題があるからである。
例えば中国においては、政府がきちんとした情報を公開せずに普段から情報が徹底的に管理・検閲していることが政府発信情報の信頼性を損ねており、日本においても政府が今まで様々な事象に対して、隠蔽、改竄、捏造を繰り返してきた結果、市民が政府の情報を信頼できなくなっていることが大きな原因の一つである。
今、政府が行わなければならないことは、保身のために情報を誇張したり、矮小化したりすることではなく、専門機関や専門家からの信頼できる情報源からリスクのある人々にリアルタイムの情報が流れるようにシステムを整えるである。
私たちからも引き続き政府への要請を続け、しっかりとした情報の受発信を行える体制整備に尽力する。
編集部より:この記事は衆議院議員、中谷一馬氏(立憲民主党、比例南関東)のブログ2020年4月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は中谷一馬オフィシャルブログをご覧ください。