ミヤネ屋の橋下は面白かった:9月新学期と経済対策

2020年04月30日 06:01

橋下徹氏が「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ系、4月29日放送)に出演しているのを見て、なかなか充実したやりとりだった。その感想を書き、あわせ私の意見も書いておく。

なお出演は司会の宮根誠司氏のほか、 アンミカ(タレント)、橋本五郎(読売新聞特別編集委員)、村中璃子(医師)、高岡達之(読売テレビ解説副委員長)の各氏などである。全般的には、非常に意欲的で面白かった。こういう場面では、スピード感があって、場合によっては守旧派を敵に見立てて進む橋下氏らの手法に向いた局面だから当然だろう。

「ミヤネ屋」(4/29)より

前川喜平氏の9月新学期開始反対論を一蹴

前川氏ツイッターより

最近話題の9月新学期だが、橋下氏はもともとメリットが多い話だから実施を決めてしまって、細目を決めたら良いという意見。橋本五郎氏がいろいろ影響は大きいので各方面の意見を聞いて問題の洗い出しをとか言っていたが、それではできないし、細目を決めるのにも時間を浪費することが分かりきっているので、これは、橋下氏が正しい。

また、橋下氏が前川喜平氏がTwitterで難しい理由を列挙していたことについて、「できない理由だけを列挙するダメな官僚の典型。教育委員会制度も現状維持を死守して日本の教育から活気と責任感を奪ってきた」と厳しく批判。「名前を出すと番組が困るかもしれないが」と付け加えていた。

9月入学について前川氏は、

「無責任な議論が横行している」

「ちょっと真面目に考えれば、その困難さが分かるはずだ。文部科学省で過去に何度も検討したことがある。今の高3生のためには、大学の9月入学枠をできるだけ広げることと、9月入学のためのセンター試験を来年6~7月に実施することを検討すべきだ」

「今年の小1を9月に入学させると、その12分の5は入学時に7歳になる。来年以降もそうするなら、義務教育の年齢を『6歳から』でなく『6歳5か月から』に変えることになる」

「来年9月の新入生を6歳に戻すなら、来年の4~8月に6歳になる子も加わるから、この学年だけ人数が4割超多くなる」

などと主張している。

移行期間についての私の提案

前川氏は「来年から大学を全部9月入学にすると、来年の新入生の検定料、入学金、授業料の入金が5か月遅れになる」「私学財政には大打撃だ。当然補償が必要になる」などと後ろ向きの理由を並べているが、どうにも工夫できることばかりだ。

もはや守旧派官僚の鑑みたいなものだが、リベラルを気取る進歩的マスコミ人の諸氏はどうしてこの御仁を擁護するのだろうか。

そもそも1月のセンター入試は、インフルエンザなどが流行っているときにするのは愚行だ。もっともひどい不公平を生じさせる。第一、寒冷地の受験生にとっては大きなハンディだ。

写真AC

私は、移行方式としては、今年は4月入学の新入生をそのまま9月から入学させたらいいが、来年からは、5年間に渡って、入学する児童・生徒・学生の誕生日を少しずつずらせばいいと思う。

つまり、来年は5月2日から6月1日生まれを1年生とし、1か月ずつずらすのなら、さほど大きな混乱なく、移行できるはずだ。

私学経営への影響については、ひとつは、上記のように13ヶ月分の新入生を受け入れさせることについて、定員を少し増やすことを認めたらいい。そのことで、だいたい解決するはずだ。

さらに、すでに多くの大学がネット講義などを始めているわけで来年の夏には少し余裕がある。たとえば、来年の夏には夏期講座で社会人などを再教育することにして、それに国は助成を行うようにしてはどうか。

企業温存よりは転廃業を促進するべきだ

自粛問題については、橋下氏は強制力のあるものにして、そのかわりきちんと補償すべきだというような考えのようだが、私は補償という考え方は馴染まず、協力金であるべきだと思うので、そこは意見が違う。が、これは既にしばしばアゴラで論じてきたテーマなので問題の指摘だけにしておく。

救済策について橋下氏は「自分は市場経済を大事にして、無理にダメな企業を助けない方がいいと思ってきたほうだが、いまは異常事態だから、とりあえずみんな助けて、それから再スタート」という趣旨のことを述べていた。

「ミヤネ屋」(4/29)より

この点については、私は意見が違う。状況が重大で世の中は元には戻らず激変が予想される中で、みんなを助けて、みんな貧乏で体力も消耗した企業ばかりになってはこの国も地域も業界も再起できないからだ。

むしろ、転廃業や大幅な事業内容の見直しを奨励すべきだ。そろそろ引退しようかとか長く存続するのは難しいと思っていたような人には廃業のための援助をすべきだ。外食などは、席の間隔を取り、換気のいい店にするための投資などにこそ援助すべきだと思う。

転業も促進すべきだ。外食産業をはじめ、これまでの形では新しい環境に適応できないという企業や人には転業や方向転換のための投資にこそ金を使うべきだ。

日本航空と全日空などいったん統合して再編成すべきだ。もともと、国際便については、2社が同じようなことをしているのは無駄である。

個人も新しい時代に適合するためのスキルアップのための研修費用などを援助した方がいい。

異常事態だからこそ施策は前向きのものに厳選すべき

財政支出も、橋下氏自身は財政規律を重んじてきたわけだが、国と地方は違うというのと、いまは異常時なのであまり考えないで対策を打つべきだという意見だが、私は、危機にあってこそ、未来指向の投資を精選すべきだと思う。

むしろ、これまで惰性で出していたような予算は大胆に切り捨て、制度統合なども大胆に進める。内容の濃い予算を組まないと、いずれ不可避な財政再建もできないと思う。

国もそういう支出が何か知恵がないのでは困るのだ。私に金を使わせてくれるなら、いくらでもいい使い途を提案したい。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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