唾液検査が切り拓く、ウィズアウト・コロナの新世界

2020年05月22日 06:00

米国で実施されている現行のドライブスルー方式のPCR検査(サウスダコタ州公式flickr)

コロナ不況といわれるなかで、特に「蜜」をつくる空間の業界は大打撃を受け、解除後も、客足が遠くとの懸念が拭えません。

映画館、劇場、ライブハウス、屋内スポーツ施設など、多くは、徹底した消毒や、座席を空けて営業を試みるとも聞いていますが、それでは、採算が合わず、やはり死活問題は続きます。

それでは、これらの産業の未来に光がないかと言えば、そんなことはありません。

確かにコロナ時代は、新しい日常を伴う新時代です。生活様式も変化を余儀なくされるはずです。

しかし、テレビが出てきたときのラジオ、ネットが出てきたときのテレビ、いずれもなくなる、なくなると騒がれましたが、なくなりませんでした。視聴回数が減ったかもしれませんが、自分の好み、シチュエーションに併せて選ばれています。

私は、アフター・コロナとも、ウィズ・コロナとも呼ばずに、今後の社会をウィズ・アウト・コロナの時代と捉えて、まちづくりを考え始めています。

コロナの完全終息を待つのも、非現実的だからです。コロナを100年に一度と捉える方がいますが、振り返ってみれば、SARS、MARS、コロナと実は、20年に3つの新型ウイルスが発生しており、毎年とは言いませんが、100年に一度ではなくなってきていることは、現象が物語っています。残念ですが、かつてのゲリラ豪雨に似てきました。100年に一度のはずが、毎年のことになってきたのです。

専門家によれば、「動物と人間の距離が近くなり過ぎた」、「アスファルトが広がり、微生物が生き残れる場所が少なくなった」、「動物の数が増え、人の数が増えすぎた」ことなどが理由として考えられるそうです。

ウイルスも生物ですから、生存をかけて、生き残れる場所を探し続けた結果、増え過ぎた人類に宿るようになったのかもしれません。

ウイルスが100年に一度ではない頻度で発生するケースを、私たちは直視して、まちづくり、施設づくりをしていかなければいけないと考えています。

しかし、都市とは「蜜」を目指して作られたもので、集積こそ、都市の魅力ですし、集積された人やモノや情報の行き交いで、新しいビジネスやアイデアを生み出してきましたから、それを「疎」にすることは容易でもないし、いくらZOOMが台頭しても、人は人との交流を抜きにアイデアを生み出すことはできないだろうと思います。

これは、劇場などのエンターテイメントも同様です。

そこで、アフター・コロナでも、ウィズ・コロナでもなく、ウィズアウト・コロナを提唱しています。

「蜜」になる空間では、入場時に、ウイルス感染者を見分けて、陰性の方だけに入場をいただき、安全な空間を作り出すことです。

「そんなことできるか!」とお叱りをいただきそうですが、東京都は、早速、ウィズアウト・コロナに乗り出しました。

5月20日に発表された東京都の補正予算案の一部

上記の通り、東京都は、全ての都立学校の玄関口にサーモグラフィーを設置し、生徒たちの体温を瞬時に判定するというものです。7億円の予算に加えて、区市町村が小中学校に設置する場合には、1/2補助を行うため、28億円の予算も計上しています。

まさに、ウィズアウト・コロナの発想です。

私は、入場における体温測定だけではなく、実は、PCR検査も行えばいいと考えています。もちろん、検体をとって、検査機関に回していたら、日が暮れてしまいますので、検査方法の革新が必要です。それが、「唾液」による検査です。

以下は、山中伸弥先生が自身のサイトに、海外の論文を紹介し、コメントを出されています。

(内容)

唾液からのPCR検査の有効性を報告したイタリア(Azzi et al.)と香港(Kai-Wang To et al.)からの論文。イタリアの論文では、重症もしくは重篤の25名の患者全員で、唾液サンプルでもPCR陽性であった。香港の論文では、患者の重症度は記載されていないが、患者自ら唾液を採取したとあるので、軽症か中等症であったと推察される。こちらは、12名の患者のうち、11名の唾液でPCR陽性であった。

(コメント)

唾液で検査ができれば、検体採取による2次感染のリスクを避けることが出来ます。日本でも同様の解析が必須です。

唾液から、検査は可能になりそうです。

もちろん、まだ時間はかかりますが、もし、これが、リトマス試験紙のようになったらどうでしょうか。ペロッと舐めれば、すぐに判定できる商品ができた場合には、「密」になる空間でも、入場の段階で判定され、安心して過ごせるのではないでしょうか。

その情報を携帯に読み込ませ、検査後数日は、陰性の証明として、入場時に携帯をかざせば、どこでも入れるようになるかもしれません。

サーモグラフィーの技術、検査の技術、あるいは、空間内の換気の技術など、現代の日本が誇るテクノロジーを駆使すれば、コロナ時代にウィズアウト・コロナの空間を創出することも不可能ではなさそうです。

そして、いち早く、ウィズアウト・コロナの技術を確立し、世界で一番安全な都市・東京を実現したならば、カジノがなくても、世界のビジネスマンが、東京での国際会議を目指すのではないでしょうか。その時、東京は、世界一の都市に昇華すると言っても過言ではありません。

その技術革新のために、東京は投資し、まちづくりを行なっていくべきだと提言し続けていきます。コロナを鎮圧しても、次の新型ウイルスが襲撃してくることを想定した方が合理的だからです。

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伊藤 悠
東京都議会議員(目黒区選出)都民ファーストの会 政調会長代理

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