自粛は必要だったか③ 第2波は来るのか。モンテカルロシミュレーションで検証した

2020年05月31日 06:00

5月29日の日本の新規感染者は75人となり、5月25日の緊急事態宣言解除以後最高となりました。「第2波の只中にいる」という人あり、「軽々に第2波というべきではない」という人あり、そこで今後どうなるか、モンテカルロシミュレーションコードPHITS を用いて検討してみました(*)。今回は5月25日の緊急事態宣言の解除までをフィットした結果で、25日以後、モデルの中の接触感染のパラメータσを大きくして今後どうなるか計算しました。

望遠レンズの圧縮効果を例示した写真(4月25日撮影の吉祥寺商店街、nakashi/flickr:編集部)

図1は、日本全体の新規感染者数の日毎変化です。黒線がこれまでのデータをフィットしたシミュレーション結果(σ=0.1)、青線が5月25日の解除とともに接触感染のパラメータσを3倍に、紫線は4倍にしたときの結果です。感染者数は5月25日からスムーズに変化していきます。小さい値の変化なので、対数表示にしたのが図2です。

図1

図2

これで、何が分かるか。これからの2週間のデータから、これまでの7週間の自粛が必要だったのか否かが分かります。

  1. このまま指数関数的に減少すると、自粛の必要はなかったことになります。
  2. 再び感染が拡大すれば、自粛はそれなりの効果があったと言えます。

現在日本は、ほぼ鎖国状態ですので海外からの新たな感染者の侵入はないと仮定すると、この考察は有効です。感染者の増加にともなって、国、自治体が再び自粛を促し、明確な差異が見えなくなるかもしれませんが、新型コロナウイルスの感染力と現在の日本社会がもつ基本的な感染確率について、有益な情報が得られることを期待します。

(*)モデルの詳細や自粛の影響については、最初の記事また、前回の記事を参照してください。

仁井田 浩二 RIST(一般財団高度情報科学技術研究機構)、理学博士
原子核物理、核反応理論、放射線輸送コードの開発、粒子線治療装置等の遮蔽評価業務

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
仁井田 浩二
一般財団高度情報科学技術研究機構 理学博士

過去の記事

ページの先頭に戻る↑