同郷、同世代の泉健太へのエール 〜 代表選を出来レース、消化試合にするな

2020年09月08日 11:30

北海道札幌市出身の46歳である。同じ札幌出身の46歳に泉健太という政治家がいる。そう、このたび立憲民主党と国民民主党が合流して生まれる新党の代表選に出馬している彼である。立憲民主党の代表 枝野幸男に挑む。

泉氏(国民民主党サイトより)

私はこの秋に行われる2つの党内選挙に、やや白けてしまっている。自民党の総裁選、そして合流新党の代表選である。ともに、出来レース感が漂っているし、ほぼ予想通りの顔ぶれだ。すっかり菅首相が誕生するかのような空気が支配している。まあ、長期政権のあとは短命に終わりがちなので、偉大なる中継ぎ政権、リレー政権になる可能性もあるのだが。石破潰し、岸田への梯子外しに引いてしまっている自分がいる。そしてまた、国民は消極的に支持をするのか。

合流新党(という名前もどうかと思うのだが)の方が、本来は見どころがあるはずである。立憲民主党代表の枝野幸男と国民民主党の政務調査会長の泉健太が立候補している。

ただ、申し訳ないのだが、もともとのこの2党の支持者以外に注目が広がっていないように感じる。こちらも出来レース感が漂っている。そして、総選挙は菅対枝野という新旧官房長官対決になるかもしれない。面白みがない。もっと他に人はいないのかと言いたくなる。

候補者の名前に、国民民主党代表だった玉木雄一郎はいない。ここで、泉健太はバケなくてはならない。しかし、注目度は低いといっていいだろう。自民党同様に、数の論理で枝野代表が確定しつつある。

国民民主党の代表選は、サポーターでも投票できた。私も投票した(なお、私はよくパヨクだと罵倒されるが、特定の政治団体には所属していないということをここで明言しておこう 2018年12月までビール党だったが、すでに離党している)。

しかし、自民の総裁選で党員投票がないように、今回の合流新党の投票も党員やサポーター投票はない。合流新党らしさ、新しさがそこにはない。

なんせ、泉健太の存在感が薄い。国民民主党に対して、ジェネリック自民党という揶揄する声があったが、泉健太はジェネリック玉木雄一郎にすらなれていない。いや、玉木雄一郎になる必要はない。泉健太とは何か、国民民主党の数年間とは何だったかが問われている。政策提案型、課題解決型野党であるはずだった国民民主党イズムを見せてほしい。

正直なところ、同世代の不甲斐なさを感じている。誰にでもわかるように言うならば、長州力や藤波辰爾が叫んだ「俺たちの時代」がまだきていないのである。なんだろう、この永遠の若者感、下っ端感は。しかもすっかり中年である。

これは泉健太にとって化けるチャンスでもある。そして、俺たちの時代の存在感を示すまたとない機会だ。合流新党が単なる野合ではないことを高らかに宣言しなくてはならない。

よくプロレスのインディー団体では「俺でも勝てるぞ」というヤジがとんでいた。たしかに、勝てそうな人はいっぱいいた。プロレスラーがこれではダメだ。

同様に、国会議員は国民の代表であり、窓口である。親しみやすさ、若さアピールも結構だが、国会議員は別にもっとも賢くなくてもいいのだが、何か他と違う色、凄み、強みが必要だ。「俺でも勝てるぞ」と国民に思わせてはいけない。

というわけで、今回の代表選は私は泉健太を応援する。ただ、このままだと、党内泡沫候補に終わってしまう。マック赤坂やドクター中松は泡沫候補と言われつつ、魂や主張、やりたいこと、ありたい姿があった。泉健太にはまだまだそれが感じられない。敵は枝野だけではない。菅、石破、岸田にも負けない存在感、短期間で化ける力が必要だ。

彼が国会議員になった頃、私は名古屋の小さな出向先で会社員をしていた。まぶしく見えた。東京に出て、会社員になれば何かが変わると思ったが変わらなかった。泉健太にも、国会議員にもなれなかったが、なんとか生きている。というわけで、泉健太は1人ではない。世代を代表して戦っている。出来レースをストップする奮闘を期待する。


編集部より:この記事は千葉商科大学准教授、常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2020年9月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部准教授

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