日本のチャンスでもある中国の実力向上

2020年10月20日 14:00

バンクーバーは中国人の移民が多いところで知られていますが、同じ街で暮らす者として彼らの財布の中身がどうなっているのか気にならないわけにはいきません。中華系スーパーには目の玉が飛び出るような価格の和牛がショーケースに鎮座していますが、知り合い曰く、中華系の人がごく普通に購入していくと。駐車場には高級車が並び、子連れの中国人の奥様達は巨大なSUVがお好みのようでトラックのような車をいとも簡単に駐車しているのは駐車アシスト機能付きなのか、熟練の技なのかとにかくこの10年、明らかに変わったと思います。

金儲けに関しては巧みな操縦術をもつ中国人ゆえ、本土の中国人も同様なのだろうと推測せざるを得ません。もちろん、都市層と農村では大きな格差が存在しますが、時間をかけて改善されていくのでしょう。

また、世界から叩かれるような無計画な伐採や環境への無頓着、激しい交通渋滞に人々の道徳感の低さなどは確実に変わりつつあり、我々の先入観から少しずつ取り除かねばならないかもしれません。確実にアメリカを射程距離に収めるだけの実力はついてきています。

上海の夜景(2020年9月撮影、Melvinnnnnnnnnnn/flickr)

中国の7-9月のGDPは4.9%成長。1-3月がマイナス6.8%、4-6月が3.1%であったことを考えるとV字回復といってよいでしょう。事前予想の5.2%には届きませんでしたが上出来だとみています。もちろん、統計の信ぴょう性は相変わらず間引いて考えなくてはいけませんが、個人的には数年前の状況より信頼度は高まってきているとみています。

それはそもそもの数字がいい加減だったのは下から上がってくる際の積み上げに問題があったわけでこれでは諸外国が「本当かい?」と疑問視する以前に中央政府が事実を知ることができず、判断を誤るリスクがありました。とすれば政府としては改善せざるを得ない部分だったと考えています。

さて、リーマンショックの際、中国が行った4兆元(56兆円)に上る景気対策は世界景気回復の大きな原動力になったことは疑いの余地はないでしょう。私はコロナ不況でまた中国が世界経済をけん引する可能性が否定できなくなりつつあるとみています。

今回、コロナが一番早く問題が起き、一番早く感染対策を行い、これこそ嘘か本当かわかりませんが、ぴたっと感染症は止まり、国慶節などであれだけの人出があってもコロナはほとんど存在しないぐらいの状態になっています。一方、隣国インドをはじめ、欧米ではこの冬は乗り越えられるのか、というほどの感染者急増で追加的な経済ダメージは相当なものになりそうです。仮に中国のV字回復で内需が中国の輸入を押し上げるならばこれは各国経済にとっては助け船のはずです。

問題はこの助け船に乗らない、あるいは乗れない国との格差がどうなるか、であります。またしても中国に一本取られるのか、正念場にあるように見えます。

日経にオーストラリアのシンクタンク発表のアジア太平洋地区の2020年度実力ランキング、アジアパワーインデックスの記事があります。これによるとアメリカがが81.6、中国76.1とあり、ポイントを落としたアメリカをポイントを増やした中国が追う展開となっており、多分数年後には逆転が起きる可能性があり得ます。興味深いのは日本が3位で41.0ポイント、インドが39.7でこれまた肉薄しています。

写真AC

日本はどんな国なのか、といえば高い教育、社会基盤の高さ、成熟感、地政学的外交の重要性、経済レベルだろうと思います。とすれば今後、20年は成長が期待できるアジア地域全体において世界から見て投資や拠点のベースとして中国以外の選択肢で日本が必然的チョイスになるような仕組みが作りやすくなってきているとも言えます。

言い換えれば中国の実力が強くなればなるほど日本も強くならざるを得ないというわけです。これはファイブアイズとの取り組みもあるでしょう。東南アジア諸国やインドとのアライアンスもあると思います。日本は地理的に太平洋を挟みアメリカ、カナダと面していること、背後に中国がいることを考えればこれほど戦略的位置づけの国家はないのです。

そして世界は常にバランス外交、あるいはリスクヘッジを考えるため、1つの国に賭けることはありません。とすれば日本が潜在的には圧倒的有利なのであります。

中国は共産党という仕組みで国民統制をします。日本は欧米との信頼関係が築かれ、近年は東南アジアでの連携も非常に強化されています。この枠組みを考えるならば日本は必然的な国家となるファンダメンタルズは高いはずです。バフェット氏が商社に投資したり、カナダ最大のファンドが日本の不動産投資に動くのはそのあたりも予見したのかもしれません。

まずはオリンピックをどう開催し、世界に日本をアピールできるのか、この辺りから巻き返しを図ってもらいたいところです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年10月20日の記事より転載させていただきました。

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