トランプの米国10大ニュース(バイデン勝利前提)

2020年10月22日 06:00

ホワイトハウスFB

アメリカ大統領選挙はバイデン有利で最終盤になってきた。さまざまな理由で世論調査で5%程度の差なら五分五分だと思うが、10%もあると厳しい。

「オクトーバー・サプライズ」が出るかだが、次男のハンターをめぐる疑惑では、とどめを刺すのには少し弱そうだ。むしろ、大統領に当選してから厄介なことになる可能性が高く、もしかして、カマラ・ハリス大統領に道を拓くきっかけになるかもしれない。

もちろん、外交的なサプライズの可能性もなくなったわけでない。22日の最後の討論会でバイデンが大チョンボをするかもしれないから、分からないが、トランプの勝機は3割以下になってきたという印象だ。

そこで、少し気が早いが、バイデン勝利を前提にトランプのアメリカ4年間の10大ニュースを選ぶことにする。もちろん、この大統領選挙をめぐる混乱などこれからのことは、別である。

① 中国との経済戦争と軍事的対立の激化

④ 欧州とアメリカの対立も深まる

中国は世界一の大国になるだろうという点がアメリカにとってソ連とも日本とも違う脅威だと私は言い続けてきたが、アメリカはその日が近づいている現実に気が付くのが遅すぎた。また、そうだとしても米国の秩序に歯向かう国になると思ってなかった。しかし、習近平の中国は野心をあらわにした(馬鹿なことにしたというべきかもしれないが)。バイデンになれば脅威が消えるはずもなく、米中の覇権争いはこれから数十年の世界の基調となる。

米欧もアメリカンのあまりもの身勝手さにあきれ果てて自立を強化するだろう。そのなかで、安倍首相の日本はヨーロッパ、インド、オーストラリアとの価値観を共通する国々の連携で対処する方向で舵を切った。

② 新型コロナの流行と世界経済のマヒ

新型コロナに対して、いかなる対応が適切だったかは、今の段階で評価は難しいが、少なくともトランプのもとで高い成長を実現していたアメリカ経済が急減速し、また、価値観や生活スタイルも大きく変わった。

③弾劾は免れるも多くの側近が逮捕される

逮捕された元首席戦略官のスティーブ・バノン(Gage Skidmore/flickr)

トランプの弾劾は失敗したが、トランプ側近で多くの人物が逮捕投獄された。しかし、そのほとんどは、偽証などであって、大統領や自分自身を守ろうとしただけだ。政治的陰謀に近かった嫌疑のうさんくささを考えれば、同情に値するのも事実だった。バイデンやヒラリー周辺の疑惑に同等の司法への攻撃はされていない。

⑤ 中東、ラテンアメリカなどからの入国規制強化

トランプのテロ対策、難民対策には批判も多かったが、無秩序な中東やラテンアメリカからの流入にはストップをかけられたのは事実。大統領選挙でもヒスパニックなどからの支持率は前回よりかなりアップしている。いい加減な気持ちの難民は彼らにとっても迷惑だ。

⑥ジョージ・フロイド事件とBLM(“Black people. I love you. I love us. Our lives matter, Black lives matter.)

BLMの翻訳は難しいのだが、「黒人の命も粗末にするな」いったところか。ジョージ・フロイド事件で一気に盛り上がって、ミネアポリス警察は解体されるらしい。しかし治安の悪さによって、アフリカ系など立場の弱い人ほど犠牲になっているので事はそう単純ではない。

歴史観の見直しによって、コロンブスはともかく、ワシントンやリンカーンの銅像まで取り壊されたりしている。ウッドロー・ウィルソンはリベラルのシンボルだったが、KKKの賛同者だったことが分かったりしてプリンストン大学から追放。

⑦ SNSを巡る保守とリベラルの攻防

SNS(プラットフォーム)を運営しているのは、カリフォルニアのリベラルだ。ところが、このSNSがリベラルが独占している既存メディアに保守が対抗する手段となってトランプ大統領は誕生し、Twitterを通じて国民と対話した。焦ったSNS側は保守サイドの投稿を妨害して対抗しているが、自殺行為であることはいうまでもない。

⑧ 保守派の判事を3人任命

トランプは天の御加護か3人の最高裁判事を任命するチャンスを得た。バレット判事の任命にも成功しそうだ。この結果、最高裁は保守6、リベラル3の構成に。これは大きな影響をトランプが敗北しても残す。

⑨ 北朝鮮の金正恩第一書記との会談

ホワイトハウスFBより

話題としては派手だったが、進んだとも後退したとも言えない。ただ、文在寅がアメリカの味方でないことだけでなく、北朝鮮からも相手にされていないことが判明したのは結構なことだった。

⑩ イランとの対立とエルサレムへの大使館移転

ISILの敗北はオバマ時代にはっきりしていたのでこれは織り込み済み。アメリカはあちこちから撤退する一方、イランとその味方を封じこめるのにそれなりに成功。エルサレムに大使館を移すのも、リベラル派が心配したほど酷い結果をもたらしていない。

番外① パリ協定からの離脱

これはもともと共和党政権になったら離脱は確実視されていたのでたいしたニュースでない。

番外② 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定からの離脱

これも織り込み済み。日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定( Trade Agreement between Japan and the United States of America)もほぼ同じ内容で実害なし。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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