「日本版議決権行使助言会社」はなぜ誕生しないのか?

2020年11月20日 11:30

東京で予定されていた仕事が次々とキャンセル(延期)となっておりまして、また「緊急事態宣言状態」に戻りつつあります。仲間内での忘年会もむずかしそうな感じになってきましたね。

(ISS インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ株式会社HP:編集部)

(ISS インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ株式会社HP:編集部)

企業統治改革が進み、とりわけ機関投資家の受託者責任(スチュワードシップ)に光が当たる中で、日本においても俄然ISSやグラスルイスといった議決権行使助言会社の存在に注目が集まりました。今朝の日経新聞9面では、代表的な議決権行使助言会社であるISSがドイツ取引所に買収される(株式の80%をドイツ取引所が取得する)と報じられており、素直に驚きました。

取引所ビジネスの在り方にも驚きましたが、私の「素人考え」では、ISSは中立公正な立場で議決権行使助言を行う事業であるものの、厳しい規制もなく(?)、意外にあっさりと株式売買の対象になってしまうという点です。ISSの保有するデータの利活用が買収の目的であり、議決権行使助言業務には関与しない(組織内にチャイニーズウォールを築く、ということ?)なのでしょうか。

しかし取引所のビジネスとして議決権行使助言会社を傘下に置ける、というのであれば、日本取引所も和製の議決権行使助言会社を作ればよいのではないでしょうか。海外でもローカルの中小規模の議決権行使助言会社があるように聞いたことがありますが、機関投資家の費用対効果に見合うような議決権行使助言業務を手掛ける組織を日本でも育成できるのではないかと。

ひょっとすると、すでにそのような取組みは進んでいるのかもしれません(私が単に情報に疎いだけかも・・・・(*´Д`))。日本企業も本腰をあげてESGに取組む状況がこれからも進むのであれば、ビッグデータの収集も含めて議決権行使の推奨を真剣に判断する事業が日本製で生まれても不思議はないように思います(ISSやグラスルイスの寡占状態に風穴を開けることが、議決権行使助言業務全体の質の向上にもつながるのではないでしょうか)。


編集部より:この記事は、弁護士、山口利昭氏のブログ 2020年11月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、山口氏のブログ「ビジネス法務の部屋」をご覧ください。

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