コロナワクチン接種後死亡においては死因不明の場合でも救済認定されるべき理由

疾病・障害認定審査会において現在では精力的に審査が行われており、コロナワクチン接種後死亡者の救済認定数は大幅に増加し、2023年8月30日までの公表で合計210例となりました。

最近の死亡一時金の認定において特記すべきことは、疾病名が、心肺停止、突然死と記載されている事例が増加していることです。心肺停止というのは、発見された時の状態であり死因ではありません。突然死は、ある日突然に死亡したという現象であり死因ではありません。これらは死因が不明の時に、医師が便宜的にそのように記載された場合が大半と推測されます。

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心肺停止、突然死の事例が救済認定されるということは、死因が不明であっても、「接種後数日以内に死亡した」という事実だけで救済認定される可能性があるということを意味します。

問題は、死亡診断書または死体検案書の死因の欄に「詳細不明、不詳あるいは不詳の内因死」とのみ記載されていた場合です。接種後死亡報告の一覧では、死因の欄が不明と記載されている事例が多数存在しています。これらの事例が救済認定されるかどうかが、今後大きな問題となると予想されます。

死因がはっきりしない場合は、詳細不明、不詳あるいは不詳の内因死と記載するべきですが、医師によっては「心肺停止、突然死、心臓死」などと記載することがあるようなのです。なお、死亡診断書などには不詳と記載されているが、厚労省への書類には心肺停止や突然死と記載されている場合もあるかもしれません。

死亡診断書・死体検案書に「心肺停止、突然死、心臓死」と記載されていれば救済認定されるが、「詳細不明、不詳あるいは不詳の内因死」と記載されていると救済認定されないのであれば、極めて不公平で不条理と言わざるを得ません。

死亡診断書などに死因不詳と記載されていた場合でも、救済申請を諦める必要はないと、私は考えます。死亡一時金請求書には、申請者が経過を記入する欄がありますので、そこに「突然死亡した」とか「心肺停止の状態で発見された」とか事実を記載すればよいのです。審査する医師の良識に期待したいと思います。

最後に、現時点での死亡一時金・葬祭料が認定された事例の集計表(VBAによる自動集計)と年齢分布のグラフを提示します。

70歳未満、特に50歳未満において、男性の比率が非常に高いことは注目に値します。心筋炎・心膜炎の事例、それに伴う不整脈・突然死の事例が多いためと考えられます。また、90歳以上では逆に女性の比率が非常に高いことも興味深い現象です。