航空自衛隊がロシア機に対して「フレア警告」:自衛隊員の命を守る議論を

林官房長官が記者会見にて、北海道・礼文島北方を3度にわたり侵犯侵犯したロシア軍機に対して、航空自衛隊の戦闘機「フレア警告」を実施したことを発表しました。自衛隊が警告措置としてフレアを使用したのは初めてのことです。

会見する林芳正外務大臣 首相官邸HPより

通常、フレアは機体に向かってくるミサイル等を防ぐために使用されるものです。

そのため、「フレア警告」のニュースを受け、自衛隊機が撃墜されたと思った人がいるのかもしれません。

航空自衛隊のプロトコルとして、言葉による警告が無視された場合、威嚇射撃等の実力を伴った警告が行われます。しかし、実際問題として、威嚇射撃は戦闘機同士の戦闘につながる恐れが高いため、「フレア警告」が選択されたと推測します。

今回のロシア機との接触のような難しい場面で隊員がどのような手段を取ってよいのか、又は慎むべきなのかについての再考が必要です。

ロシア軍の挑発的行動を受けて、国会が誇る安全保障の専門家である議員さんたちは中国とロシアが連携を強めていると警告を発しています。

「次の総理」候補の一人である石破氏は日本が領空侵犯に直面した場合、「危害射撃」が可能となるように法改正すべきだと主張しています。今回の出来事は、安全保障マニアの石破氏の総裁選での勝利に向けて追い風となるのでしょうか?

他国に挑発的な行動を取らせないようにし、同時に任務を遂行する自衛隊員の命を守るために「実戦」に備えた法体系、部隊運用が求められています。そして、東アジア情勢が緊迫化している今、そのような体制の整備は待ったなしの状況です。