菅政権へのみっつのお願い

藤沢 数希

昨日の民主党の代表選では菅直人が大差をつけて小沢一郎を破り、民主党の代表、つまり日本国の首相に選ばれた。このことについてはすでに多くの識者が数えきれないほど論評を書いている。菅直人が優勢であることは事前にさまざまなメディアで伝えられていたので、筆者としては特におどろきはなかった。今日は、財務相続投が決まった野田大臣による祝砲ともいえる為替介入が、実に6年ぶりに実施された。この為替介入は市場にサプライズを与えドルレートは一気に2円ほど上昇した。そしてそれに答えるかたちで日経平均株価は日中に4%以上も跳ね上がった。菅政権はひとまず順調な再スタートを切ったようである。


今日のエントリーでは筆者から菅政権へのみっつの要望を述べたいと思う。これからいうみっつの要望は日本経済を再び成長軌道に乗せ、日本国民が将来も豊かであり続けるために絶対に必要なことである。

1. 社会保障費改革

日本の社会保障費は100兆円を超えつつある(すでに超えている可能性が高い)。その内訳は50兆円程度が年金、つまり老人の生活費。そして30兆円程度が医療費である。日本のGDPが500兆円程度ということを考えるとこの100兆円の社会保障費というのがいかに莫大な金額かわかろう。そしてこれはおそろしい勢いで毎年増え続けている。

医療技術の発達等により平均寿命が飛躍的に伸び、また出生率の低下で人口に占める高齢者の比率が急速に高まった。現在は3人程度の現役労働者で1人の年金生活者を支えているが、あと10年もしないうちに2人で1人を支えることになる。このような仕組みが早晩破綻することは火を見るより明らかだろう。

そこでふたつの選択肢がある。税金を上げて企業や労働者へ多大な負担をかけるか、給付を減らすかである。残念ながら現在のようなグローバル経済の中で前者を選択することは自殺行為になるだろう。なぜならば人も会社も日本から逃げていくからである。よって日本が取る選択肢は後者しかない。つまり給付水準の大幅なカットである。

現在、多くの高齢者がおどろくほど健康であり、また多くの金融資産が高齢者に偏在している現状を顧みれば、貧しい若者の所得を高齢者に機械的に移転する必要性は皆無である。年金支給開始年齢を75歳以上と大幅に引き上げる。さらに所得や資産のある高齢者に年金を支払う必要はない。健康上のやむを得ない理由で働けない者にのみ国が生活を保証するという、障害者福祉に社会保障費は限定するべきだ。そしてそのような本当に国が救済しなければいけない人達はずっと少ない。時に厳しい現実を説明し国民を説得するのがリーダーたる首相の仕事だ。大胆な社会保障費のリストラを菅政権には期待したい。市場により暴力的にそうすることを強制される前に

2. 税制改革

菅内閣からは時おり悪い冗談としかいえないような話がメディアを通して伝わってくる。例えば高額所得者の所得税の累進性を強めるなどだ。現在、日本の所得税の最高税率は40%で地方税の10%を合わせると50%になる。江戸時代でさえ五公五民(収穫の50%が年貢)というのは農民一揆が起きるかどうかのぎりぎりの線だったという。いうまでもなくこれは世界最高水準の税率だ。ここからさらに税金をあげるなんて狂っているとしかいいようがない。

日本から企業が海外に逃げないように、あるいは海外から企業を日本に誘致するために法人税を下げようという議論がある。もちろんアジア諸国の中で飛び抜けて高い日本の法人税を下げることは喫緊の課題だということは、筆者も全くの同意見である。しかしむしろアジア諸国と比べて異常に高いのが高額所得者に対する所得税だ。いうまでもなく企業は人によって作られ、人によって経営されている。そういった企業で意思決定に関わるマネージャーや莫大な利益を生み出す専門家は高額所得者だ。彼らは会社のため、あるいは国のためにも働いているかもしれないが、第一に自分のために働いているのだ。同じ仕事をして1億円の給料をもらっても、日本では5000万円しか残らないのに、香港やシンガポールでは8500万円も残るとなれば誰がわざわざ日本で働こうと思うだろうか。

東京の金融業界に関していえば、数千万円から数億円の所得があるプレイヤーの多くが2008年の金融危機以降の全社的なリストラクチャリングのなか、東京から香港、シンガポールに移籍した。例えば1億円の所得がある人材の場合、会社の利益には10億円以上貢献している。その分の法人税が40%だとすると4億円だ。所得税は4千万円程度だ。こういう人材が1人香港に移籍すると、日本国政府は4億4千万円の税収を失うことになる。生活保護世帯への援助が年間300万円程度とすると、約150世帯の生活保護家庭に相当する税収が香港政府に移転することになる。「命を守りたい」と繰り返しいっていた民主党政権は、実際は弱者の命を奪うような政策ばかりを実行しようとしているという現実を直視すべきだ。

所得税のフラット化と、法人税の減税によって、租税競争で他のアジア諸国と対等のビジネス環境を構築しないといけない。そして国家間でこのような競争が起こることは大変素晴らしいことだ。

3. 労働市場改革

長引く不景気、デフレ、そして経済の無成長によりもたらされる閉塞感。こういった日本経済の問題の元凶が、労働市場や産業構造の硬直化だ。時代と共に刻一刻と変化するグローバルな経済環境に追随するためには、流動的な労働市場と産業構造の活発な新陳代謝が不可欠だ。前者は、時に企業によるリストラ、つまり従業員の解雇を意味し、後者は時に衰退産業の破綻を意味する。しかし日本国政府はこういった一時的な「痛み」を避けるために、潜在的な失業者を企業に縛り付け、実質的に破綻している企業を補助金などにより保護してきた。つまり国の貴重な労働力や限りある資本を、衰退する分野にロックインし続けてきたのだ。

このように経済のダイナミクスが失われれば経済が成長しないのはむしろ当然の結果だ。筆者は解雇規制の自由化により、日本の労働市場の流動化を一気に推し進めることを菅政権には期待したい。すべてが手遅れになる前に。

以上。

参考資料
平成19年度社会保障給付費の概要、国立社会保障・人口問題研究所
日本の税をどう見直すか、土居丈朗、他
労働市場改革の経済学、八代尚宏
だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方、鈴木亘

コメント

  1. mother07 より:

    だれだ、為替介入効果ないって言ってたのは。一度 ”リフレ”の人たちがいう政策が実行されるのを見てみたい。

  2. ケット より:

    本当におっしゃるとおり実現したらどうなるでしょう。
    どれぐらいの餓死者が出るでしょう。
    中小企業の倒産による経営者の自殺はどれだけの数になるでしょう。
    自殺に至らなくても借金で犯罪を犯したり親の葬式にも行けなくなる人も多数出ます。それがどんな数であっても無視していいでしょうか?
    介護を受けられず、汚れたまま斃死する老人はどれだけの数になるでしょうか?家族に殺される老人と加害者は?
    ある程度以上「不幸」が増えたら社会が持続できない、それが全体主義になることも多いのでは?

    わたしは国が破産しようと、またはどんな自由化路線であろうと、または現在のシステムを変える力が誰にもなくても、とにかく「誰も餓死させない」ことだけは徹底してほしいです。
    それと「自殺せず破産できる」については最低限を確保しての徹底自由化なら文句は言いません。

  3. disequilibrium より:

    高所得者の中でも、国内でしか通用しない人材まで減税する必要は全くないと思います。
    そういった人達は、恐らく利権に関わっていますし。

    外国語能力、専門性、職業などに基づき、税収の期待値を考慮し、減税率を決定すべきではないでしょうか。

  4. livedoa555 より:

    解雇規制の自由化により労働市場の流動化を実現する
    条件として、転職時の障害を撤廃しなければいけない。

    その一つに、就職時の身元保証人の要求を禁止すること。

    二つ目に、労働市場の流動化は労働者の地理的な移動
    が伴う。転居時の賃貸住宅契約に連帯保証人を要求され
    ると遠方への転職が困難になる。そこで、賃貸契約に保
    証人を要求することを禁止すること。

    三つ目に、終身雇用を前提とした長期のローンを伴う
    持家優遇政策を改め、労働者の流動的な移動に適した
    単身世帯の賃貸住居者をモデル世帯とした政策に
    転換すること。

    次に、税率についてですが...

    確かに、所得税・法人税ともに日本の税率は高いのは
    事実です。しかし、様々な、控除や優遇策のために、
    実際に支払っている税金額は高所得者ほど少ないのです。
     
    特に、法人税に至っては、損金の繰り越しが何年にも渡って
    できるので、最高益を出しておきながら法人税を払わなくて済む事例もありました。(確か、銀行だったかな?)

    だから、税率だけを議論するのはナンセンスです。様々な
    控除・優遇策と伴に見直すべきです。

  5. wishborn2400 より:

    ケットさんの意見には基本的に賛同するのですが、藤沢氏が
    どこまでの社会保障費のカットを言っているのか明確でない
    ので、餓死者云々とまでは言い過ぎかなと。

    しかし、年金については国家が約束したものを反故にする程度
    まで給付を削減するとすれば、国家の信用が全く失われること
    でしょうし、私財が不当に得られたものということでもなければ、
    それがあるからといって給付を無くすようなことは、実質的な
    私財没収です。
    給付を削減することは必要です、しかし現役負担を多くしても、
    年金を払ってきたことの意味が全くなくなるようなことは避け
    なければなりません。信用されない国家が残っても意味が無い。
     その上で私は、一定の年代以降については、社会保障を
    明確な目的とし、生活保護制度と連動した制度に切り替えて
    いくべきだと考えています。

    税制改革については、シンガポールや香港に対抗して勝ち目が
    あるのか疑問ですね。競争?つまりチキンレースになれば、
    その税率もどんどん下がっていくわけでしょう。
    述べられているような税収自体が下がっていくわけです。
    実にリバタリアン的ですね。

    解雇規制の緩和には賛同したいが、藤沢氏のいうような自由化は
    人間が生きている現実をみることなく、市場のコマとして認識して
    いるだけです。それによる社会へのダメージは考慮されていません。

    市場主義者は同じ社会を共に生きる隣人ではありえません。
    彼らにとって重要なのは利益であって、人間ではないからです。
    食料の生産や、労働者となる人間が生まれ育まれる社会や環境。
    それを維持するためのコストは、彼らにとって単なる無駄です。
     環境問題について国際的な規制が求められているように、人間
    が生きていける社会を維持するための国際的な規制が必要です。
    そうでなければ、彼らは金銭的に評価されないリソースを再現なく
    蚕食していくことでしょう。

  6. nnnhhhkkk より:

    >4
    くだらない捏造ですね。収入が増えれば増えるほど控除の恩恵なんて無くなります。法人税の損失繰越だって世界中どの国でも認められています。ちなみにアメリカは法人税の損失繰越20年です。そして日本はたったの7年。
    日本の税は低中所得層ほど優遇されています。金持ち憎しの発想が事実を受け入れないのでしょうが、日本ほど金持ちや高所得者層をいじめている最低な国家は見当たりません。収入が増えれば増えるほどそれは実感します。
    嘘だと思うのなら、税金額が高所得者ほど少ないとういう証明をしてください。
    ↓参考までに
    http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/028a.htm

    >5
    現役世代の負担を更に重くしてまで年金を維持しろという発想は理解できません。今の高齢者がどれだけ賦課方式によって若者や将来世代から略奪しようとしているかを計算したら笑っちゃいます。それなのに更に世代間格差を広げろと考えるのなら、完全な亡国への道です。そんなに未来のある若者の報酬を未来のない枯れ木にあげるのが正義ですか?世代間格差を広げる政策を善とする考えは、未来のことを考えない今さえ良ければという高齢者の考えに過ぎません。
    それに算数の計算ができれば社会保障制度の維持が不可能なぐらいわかっていいものでしょう。ピーク時には1人の現役が1人の高齢者を支えるのですが、まさか月収20万円しかない人に15万円の社会保障を負担しろとでも?
    若者なんて高齢者からみたらマリオネットに過ぎないのでしょう。いつから若者は高齢者の奴隷になったのでしょうか?高齢者から見たら若者なんて人間じゃないのでしょう。高齢者にとって重要なのは利益であって、若者は人間ではないからです。奴隷か操り人形としか思っていないのでしょう。

  7. bobbob1978 より:

    >>wishborn2400様
    「国家の信用が全く失われることでしょうし、」

    これに関してはとっくに失われてますよ。若年層でまともに年金が貰えると思っている人はいないでしょう。どこかで必ず約束を反故にする必要が出て来ます。問題は「反故にするかしないか」ではなく「いつするか」ということだけです。

    「しかし現役負担を多くしても、年金を払ってきたことの意味が全くなくなるようなことは避けなければなりません。」

    その場合、現役世代が年金を払う意味はあるのでしょうか?返って来る見込みがないのに払わされるのは単なる所得移転に過ぎません。

  8. wishborn2400 より:

    nnnhhhkkk さん。
    まず、社会保障制度放棄するようなことは、国民の生命と財産を
    守るという国家の本質的な使命に反します。
    必要かつ可能な負担増(これは支出の増加と収入の減少の両面
    です)を忌避することは国民としてすべきことではありません。
    気持ちはわからなくもありませんが、主権者としての自覚に欠けて
    いるだけのことです。

    年金に関しては3点。
     第一に、受給者には正当な受給権があり、本来支払われるべき
    性格のものであるということ。略奪などではありません。制度に従い
    きちんと負担をしてきたものを、全く意味がないというほどに減額する
    のは、明らかに不当です。可能な限り、支払の努力はしなければな
    りません。

     第二に、年金の制度改正に際して、これまでの年金制度に対する
    負担を全く無視したものとすれば、受給者および受給年齢を迎える
    人々の理解を得ることは難しい。現役の負担をある程度増やしても
    制度改正を迅速に行うべきです。少なくとも、略奪云々と言っている
    うちは理解を得ることは出来ないでしょうね。

     第三に、年金を全く反故にするということになる、つまり国家が国
    民に約束したことを完全に放棄するようなことをすれば、国家への信
    頼は失われ、政策に対する負担を求めることが困難になる恐れがあ
    るということです。負担のある政策が支持されなくなる。
    そこに国民の信頼が必要でないと考えるならば、国家権力による負
    担の強制徴収をすればいいということになるでしょうが、まともな話
    ではありません。

  9. wishborn2400 より:

    bobbob1978さん、年金のシステムについて制度を変える必要性
    があることは間違いありませんから、現行の年金制度に対する
    信用は失われていますが、国家に対する全体的な信頼が失われ
    ているということはありません。
    誰もが国家の存在を前提に、そのシステムの上で毎日を生活し
    ています。さまざまな公共サービスが、我々の負担によって成り
    たっていますが、それを自覚していないだけのことです。
    しかし、国民に対する債務を一方的に放棄するようなことをすれば
    国が与える保障に大きな疑問符がつくことになります。
    その信用の劣化に対するコストは看過できません。

    年金制度の本来の目的は社会保障です。所得移転といいますが、
    すでに国庫の負担が入っていることを考えれば、むしろ不思議に
    思うこともないでしょう。
    あなたが考えるような単なる金融商品ではないからこそ、負担と
    給付の見直しが行われてもいるのです。
    意味があるかどうかは、あなたが社会保障制度に意味があると
    考えるかどうかです。

  10. nnnhhhkkk より:

    >8
    今の制度を維持すれば犠牲になるのは明らかに若者及び将来世代です。それを改革するのは社会保障の放棄などではありません。
    年金の場合、問題なのは賦課方式による事実上の若者からの略奪泥棒の合法化です。あれを略奪泥棒を言わずなんと言えばいいのでしょうか?現役世代に更に負担を増やしてでも社会保障を維持しろなどとは笑止千万。負担させられる側の気持ちなんて考えず、自分が生きている間だけでも若者への負担を強いて制度維持しろという解釈にしか見えません。
    そして若者に主権などなく奴隷でいろとでも言うのでしょうか?あなたのような高齢者から見れば若者は人間ではないのでしょうから略奪している感覚すら掛けているのでしょう。たいして社会保障の負担もせず多額の年金をもらうことを受給権だのなんだのと偉そうに言っている老人を見ると、正直許せません。
    さんざん負担を増やされた挙句、俺が老人になる頃には制度維持など明らかに不可能ですから受給は大きく減らされるでしょう。とっくの昔に若い人には現在の年金制度など支持されてません。支持しているのは現役時代に、たいして負担もせずに現在いっぱい年金をもらっている世代だけでしょう。受給権などと言いのけて、自分達が生きている間だけでも贅沢し、そして逃げ切ることしか考えていない。
    現在の年金制度なんて75歳ぐらいからの支給でないと維持は不可能です。あるいは支給額を大幅に減らすかしか制度維持はできません。今の制度を維持する場合、ピーク時には若者の所得のうち7~8割ぐらいを負担しないと制度を維持できません。しかも社会保障としてほとんどが若者に戻らず高齢者に所得移転させられるのです。
    月給20万のうち、15万円も高齢者に取られたら誰が働くでしょうか?優秀な人材は間違いなく海外移住するでしょう。残ったのは単純労働しかできない人と老人だけです。

  11. ケット より:

    要するに年金制度自体、人生わずか五十年で長生きは古来稀な時代に制度設計されたもの、平均寿命85など想定外だった、ただそれだけのことです。

    でもそれで老人を切り捨てたら、それはそれで消費が落ち、犯罪が増え、親族扶養義務で絞られる若者も多数出て、結局社会はいろいろ払う羽目になるでしょう。
    あと老人も、豊かな老人と貧しい老人の双方がいることもお忘れなきよう。

    何とか介護を布作りのように機械化し、老人たちが助け合って生きられるようにするしかないのでは?
    そして軌道エレベーターやメガフロートで経済も成長させ、若者は月に十五万取られるけど月収が二百万だから問題なし、でも月十五万でも介護ロボットの助けがあれば問題なく暮らせる…そんな状態にしない限り、老人か若者かどちらかが潰れます。

    あと信頼の問題ですけど、「誰も餓死させない」宣言をはっきりやればどうでしょうか?

    まあ生存権も認めない者や、いまだに軍事費なくせばとか言う者が議論の場を大きく占拠し続け、さらに連帯保証のせいで挑戦もできないのでは…

  12. fr041548 より:

    新入社員です。

    年金は全額払い戻しで消滅させた方がいいんじゃないかとすら思っています。

  13. wishborn2400 より:

    nnnhhhkkk さん、私は今の制度をそのまま維持するなどと
    言ってはいませんよ。高齢者でもありませんしね。
    あんまり、ものごとを決め付けてかかるのはいただけません。

     賦課方式そのものも、あなたが言うような略奪のためのもの
    ではありませんし、物価高騰期にはその効用を発揮しました。
    大体、給付の削減が必要となるような状況は、上の世代に
    とっても歓迎せざるものです。意図した結果であるなどという
    のは被害妄想です。問題が顕在化したあとの対応の遅さに
    ついては私も常々批判してきたことですが。

     自分に反対する意見を言っているということで、勝手に私を
    高齢者だと思い込み、感情的に批判されても困るんですよ。
     それは意見そのものを見ているのではなくて、相手が自分
    と対立した立場のものかを見ているに過ぎないからです。
    この問題をどうしていくのか、それを問題にしなければなりま
    せん。受給者や受給を控えた世代も、同じく問題の当事者で
    あることを考えれば、双方が互いのことを考えなければ解決
    は難しいのです。考えても見てください、上の世代が悪意を
    もっていたでしょうか?毎日を懸命に働き、税金や年金を負
    担し、次世代を育てて来たのです。その延長に今の若者世代が
    ある。年金の制度改革の遅れの責任は問われるべきですが、
    彼らは略奪者などではありません。

     この問題を長引かせれば、後の世代にも大きな影響を与える
    ことでしょう。負担が可能な範囲で現役世代の負担が大きくなる
    としても、迅速な議論と一刻も早い解決をはからねばなりません。

  14. nnnhhhkkk より:

    >13
    どうも失礼しました。まだ俺も若造のガキなので理不尽なことに対してはすぐカッとなるので決めつけで書いてしまいました。但し高齢者との決めつけは、あなたと同じ手法で同レベルの文章にしてわざと書いただけです。
    >市場主義者は同じ社会を共に生きる隣人ではありえません。彼らにとって重要なのは利益であって、人間ではないからです。
    まず許せないことの一つ。いっぱい稼いで税金をいっぱい払っている人を、利益の方が人間より重要だなどと低俗なことを書くのがまず許せないということ。さんざん税金をいっぱい払って社会貢献をしているのに利益の方が人間よりも重要だなどと決めつけで書かれていて気持ちのいい人なんていません。それを言うなら、金持ちを世界一高い様々な税金で苦しめているのに、更に金持ちに負担を増やせなどと言っている貧乏人の方が金持ちという人間のことよりも自分の利益しか考えていない人でなしです。
    そもそも金持ちをケチだとか批判する人に限って金持ちより税金を払っていません。見苦しいし、ルサンチマン爆発で足を引っ張っているだけのような感じさえします。そういう嫉妬心を撒き散らすのは恥ずかしいと思いませんか?
    もしあなたが10億円の借金をしながら事業を立ち上げ、そして成功して税金をいっぱい払っているのに、資本家は人間よりも利益が大事で、同じ社会を共に生きる隣人ではありえません。などと税金をちっとも払っていない貧乏人に言われたら頭にくるとは思いませんか?しかも世界一高い法人税を支払い、そして世界一高い相続税と世界一高い贈与税と世界で4番目に高い所得税を支払わされているのにも関わらず、そこまで金持ちや成功者を貶める
    ことを書かれてなんとも思わないですか?

    年金は賦課方式なんて若者の資産を未来の略奪制度なので今すぐ辞めるべきでしょう。どんなに偽善を言おうが略奪です。

  15. wishborn2400 より:

    ケットさんが言われる、「誰も餓死させない」宣言は面白いですね。
    連帯保証人もそうですけど、一度事業を失敗するとやりなおせない
    いうのも、社会の活力を失わせているように思います。
    生存や子供の養育については国が補償した上で、社会的規制を
    緩和するということでなければ、国全体が疲弊するのみでしょう。

    nnnhhhkkkさん、理不尽であると思われる自体は当然といえる
    ほど状況は厳しく難しいものですから、その気持ちはわかります。

    しかし、私はあなたを特定の世代に属するものとし、それを前提と
    して批判するようなことはしていません。そうした批判は議論の
    場では、あなたの意見の信頼性を下げるものですから、避けた
    ほうが良いですよ。わざと云々ということですが、やはり落ち着いて
    考えることをお勧めします。

    いっぱい稼いで税金をいっぱい払っている人を云々と言いますが、
    現在の年金制度における支給が全く反故になるとすれば、より
    反対するのは「いっぱい稼いで税金をいっぱい払っていた人」
    ですよ。そうした人が貯めていた個人の財産をあてにすることで
    社会保障給付を削るということですから。
     彼らにとってはnnnhhhkkkさんの意見の方が納得できないで
    しょう。支給される約束の年金が全く失われる、nnnhhhkkkさん
    がそこまでのことを言っているかどうかはわかりませんが、藤沢氏
    のように、資産があることを理由に年金を支給しないというのは
    彼らからしてみれば略奪のようなものです。

     それから市場主義者とは、単なる高所得者ではありませんよ。
    「食料の生産や、労働者となる人間が生まれ育まれる社会や環境。
    それを維持するためのコストは、彼らにとって単なる無駄です。」
    という人たちのことを言ってます。その辺を無視しないでもらえると
    紙幅を無駄にしないで済むと思いますよ。

  16. jajamata より:

    >wishborn2400さん
    資産が多い人に対しても少ない人に対しても、年金の支給額の減額は収奪だと言えます。しかし資産の多い人は少ない人に比べて困る度合いは少ないでしょう。結局のところ社会保障費を減らす必要がある事は明らかであり、誰がそれを負担しなければならないのですから、あれもだめこれもだめと言っていては話が進みません。金を強制徴収すると信用を失うという話がありましたが何を今更という話です。私たちは今現在でも税金という形で強制徴収されています。

    あと市場主義の意味が違いませんか?。あなた方言っているのは無政府主義者か極度のリバタリアンの事です。

  17. nnnhhhkkk より:

    >15
    >私はあなたを特定の世代に属するものとし、それを前提として批判するようなことはしていません。
    世代云々の話ではなく、金持ちや成功者に対する偏見への批判をしただけのことです。利益を増やすことはそれだけで社会貢献をしているのです。それなのに『市場主義者は同じ社会を共に生きる隣人ではありえません。彼らにとって重要なのは利益であって、人間ではないからです。』と書いたのはあなたの方です。独断と偏見で資本家批判をしたのですから、俺が独断と偏見で書いたところで問題はないでしょう。あなたのレベルに合わせて書いただけのことです。

    俺の信頼性云々もどうでもいいことです。あなたがどう思おうが構いません。俺が言いたいのは現実を見ろということです。理想論だけでは社会保障なんて持続はできません。必ず誰かが損をするのが社会保障です。年金受け取る前に死んでしまえば払い損するだけです。しかし保険的な機能なので、どこかで妥協するしかないのです。全員が恩恵を受ける社会保障などこの世に存在しません。
    そして現在の年金制度に関しては、明らかに老人がいい思いをしております。インフレを考慮に入れても社会保障負担をほとんどしていません。現在の80歳ぐらいの高齢者の場合、インフレを考慮に入れた社会保障負担でも、支給額は負担額の10倍ぐらいあるでしょう。結果的に賦課方式によって若者や将来世代から略奪強盗泥棒搾取しているのです。
    この構造を変えるには、今すぐにでも制度改革をしなくてはならないでしょう。それには当然大きな痛みを伴います。共済年金や厚生年金が廃止になることも覚悟が必要でしょう。給付額が半額以下になるのも避けて通れないでしょう。資産がある人には給付を停止せざるを得ないこともあるでしょう。
    これ以上現役世代の負担を増やすなんて論外です。少なくとも社会保障として将来戻ってこない負担など精神的に耐えられません。

  18. wishborn2400 より:

    jajamataさん、私はあれもダメ、これもダメなどといってはいません。
    負担増と、支給の削減。社会保障としての性格を明確にした新しい
    制度が必要であるといっているわけですから。

    批判をされる前に、きちんと読んでいただけるとよいかと思います。

    私は強制徴収すればよいという理由で、負担をする国民の信頼が
    必要ないと考えるのであれば、それは間違っていると言っている
    のです。別におかしな話でもないでしょう?
    表現にわかりにくいところがあったかもしれませんが、曲解という
    ものです。
    しかし、現在においても強制徴収されているという理由をもって、
    国民の国家に対する信頼が必要ない、あるいは信頼していない
    ということですと、主権者としてはちょっとどうかと思いますね。

    市場原理主義というのでは、狭い範囲の人を指すように理解され
    ますからね。自分は「原理」主義者ではない云々という話は
    あまり本質をついた話ではないので。
    気に入らなければ「食料の生産や、労働者となる人間が生まれ
    育まれる社会や環境。それを維持するためのコストは、彼らに
    とって単なる無駄です。」という人々を意味するものだと理解して
    おいてください。単語の意味を云々していて仕方ありませんから。

  19. wishborn2400 より:

    nnnhhhkkk さん、私は市場主義者を、社会を維持するための
    コストを無駄であるという人々だと言っていますが、金持ちとも、
    成功者とも言ってはいません。高齢者云々についても同様ですが、
    勝手な決め付けで話をされても困りますね。

    又、ご自分で言われるように社会保障そのものが負担の金額と
    同額が戻ってくるというものではありませんので、社会保障として
    将来戻ってくるかどうかは問題ではありません。
    問題は、何をどう守るかということです。

    社会保障とは何かというところから考えなおされた方がよいかと
    思います。

    現実をみるということであれば、受給者や受給を控えた世代の
    理解が得られないような案に現実味はありませんね。
    まあ、そういうつもりはないのでしょう。
    結果的に略奪?泥棒? それは結果的に若者世代の負担が
    大きくなったと言えばいいだけのことですからね。
    そこに憎悪に満ちた言葉は必要ありませんよ。

  20. nnnhhhkkk より:

    >19
    市場原理主義者をあなたの勝手な解釈で利益の方が人間より大事だなどと偏見を込めて書いたのだから、俺が高齢者を泥棒と表現しても問題ないでしょう。あなたのレベルに合わせて書いているだけの話です。
    それにしても社会を維持するコストが無駄だと言っている市場原理主義者とやらは誰ですか?具体的にお願いします。社会を維持するためと称して無駄ばかり作られた現状を直せと言っている人ならいっぱいいますが、社会を維持するコストが全部無駄なんて思っている人がいるとは思えません。
    警察がいなければ犯罪者だらけになってまともに生活できませんし、消防や救急医療も必要なものです。問題なのは、明らかに負担を全然していない高齢者がどんどん図々しくなって要求が大きくなってきたこと。とくに最近の高齢者は若者のことなんかゴミとしか思っていないような我儘ぶりです。後期高齢者医療制度の時の高齢者の爆発ぶりを見ても明らかでしょう。自分の生きている間のことしか考えず、若者や将来世代のことなんて一切考えない。
    社会保障とは何かを考えろとのことですが、言うまでもなく保険的機能です。誰かが得をし誰かが損をするのが保険の役割です。そしていざという時に機能するものでなければ意味がありません。問題はそんなことではなく、高齢者を若者から搾取して贅沢するための制度になっているのが最悪なのです。
    それに社会保障として戻ってくるか否かは相対的なものの見方であって、個々人の話ではございません。負担をほとんどしてこなかった世代だって、年金をもらう前に死ねば個々人としては損をしています。保険とはそういうものです。必要なことは、賦課方式をいち早くやめて世代間で積み立てる方式にするか、支給年齢を75歳ぐらいからにするか、あるいは支給額を3分の1程度にするとかしなければ年金制度は維持不可能です。もちろん相対的な話あって、個々人の話ではございません。

  21. wishborn2400 より:

    nnnhhhkkk さん
    いいかげんに勝手な決め付けを反省して欲しいものです。
    金持ちだとか、成功者だとかという話は、何かの間違いだった
    ということでよいのでしょうか?

    まあ市場原理主義者ということですと話は簡単です。
     彼らが市場において労働力その他の財を調達する場合、
    それに期待できる価値が同じであるならば、コストの高いものを
    選択する理由はありません。そのコストは生産物に反映され、
    市場での競争力を削ぐもの、つまりムダであるとされるからです。
    偏見でもなんでもありませんね。

    具体的には?非正規雇用を増加させるような政策を続けていこう
    としている人々などは、そう言えるでしょうね。

    そもそも、そんなに極端な人でなくとも社会を維持するための
    コストについて、それによって何が守られるのかを意識すること
    なく忌避するような人も含めて批判しているので、市場主義者と
    いう、ある程度幅のある表現をしているのです。
    相手の書いたものを、ちゃんと読んでから反論しましょう。

    また、言われるような状況は先に自身が言われたように結果的に
    そうなったに過ぎません。贅沢をする「ため」の制度になることは
    ありえないのです。それは単なるあなたの評価です。

    そもそも、年金制度は収入がなくなる老後のためのものです、
    すでにいざとなっているわけですね。社会保障について考えたと
    言いますが、まああまり考えられていないようです。
    現実に、その収入により老人ホーム等の負担を支払って、生活を
    成り立たせているわけです。そうした人々の生活をどうするのか、
    どうやって理解を得るのかということを考えなければ、制度改正は
    難しいでしょう。