中国の離婚の実態 - 小谷 まなぶ

小谷 まなぶ

急激に経済発展を続けている中国で、離婚が急増していることは、ひとつの社会問題になっている。中国で一番、離婚の多い街は、四川省の成都ということである。


成都の離婚比率は、結婚した人と離婚した人の比率は、 結婚したカップル:離婚した夫婦=3.3:1 という比率になる。3組の結婚があれば、1組は離婚するという計算になる。ある専門家は、成都の離婚率が多いのは、四川大地震に影響しているのではないかというレポートをまとめている。その専門家曰く、『四川大地震が発生して、多くの人が亡くなったことや、経済的に損失したことなどが、影響して、人生について考え直す人が増えたのではないか。個人の幸せの追求を始めたことが離婚を増加させた原因になったのではないか』と、レポートでまとめている。
 ちなみに、中国全土の離婚は、一日平均4800組以上ということである。中国人の夫婦生活は、共働きが多い。子供は、両親や、お手伝いさんに預けて、面倒を見てもらうことが多い。職に関して、男女平等の意識が強く、女性も、一線で働いているケースを多く見る。すなわち、自立している女性が多い。
 経済的に自立していることが、一概に、離婚率を高めているとは、言いがたいが、私が知る限りでは、どちらかと言えば、中国の男性より、女性のほうが、働くイメージがある。特に、地域によっては、男性があまり働かないという風習のある街も存在する。中国は、急激に裕福になり、金銭的な欲求を強く持つ人が多く存在する。人の幸せは、お金だけでは買えないのだが、結婚生活や、人の関係には、金銭的な部分も大きく影響している。
 日本でも『金の切れ目は、縁の切れ目』と言うが、中国でも、そのことが、強く影響しているのではないだろうか。

■小谷まなぶの中国貿易ビジネス奮闘記(ブログ)