社会を変えるのは就活デモではなく、ビジネスだ

2010年11月25日 17:00

 11月23日の勤労感謝の日、北海道や東京、愛媛で就活くたばれデモが行われました(参照)。就活については脳科学で有名な茂木氏も異論を唱え、アゴラでも新卒一括主義についてのテーマで議論がなされるなど、大きな社会問題となっています。就職内定率が過去最低というニュースがあり、学生もかなりナイーブになっています(参照)。

 しかし、私は学生がデモと言う手段を選んだことを残念に思います。なぜビジネスで社会を変えてやろうと思わなかったのか、と。


 バングラディッシュにグラミン銀行というものがあります。もうかなり有名になった、ムハマド・ユヌス氏が設立したマイクロファイナンスの銀行です。このグラミン銀行はバングラディッシュの農村部、特に女性たちの自立を促し、貧困の解決に寄与しています。その効果を世界も認め、マイクロファイナンスは世界中に広まりました。

 これは一つの例ですが、なぜムハマド・ユヌス氏はデモを行って貧困を解決しようと思わなかったのでしょうか。バングラディッシュ政府に対して、貧困解決を叫ぶという方法もあったでしょう。なぜマイクロファイナンスというビジネスを用いて貧困を解決しようと考えたのでしょうか。

 もっと身近な例を考えてみましょう。孫正義氏はソフトバンクを立ち上げて、日本の通信環境を劇的に変えました。彼はなぜ、デモによって通信環境を変えることを選ばなかったのでしょうか。国やNTTに向かって「高速ブロードバンドを普及させろ!」というシュプレヒコールを上げなかったのはなぜでしょうか。

 ユヌス氏にしても孫氏にしても、もし彼らがビジネスではなくデモによって社会を変えられた、という風にみなさんは想像できるでしょうか?私には想像できません。むしろデモをやらずにビジネスを推進したからこそ、バングラディッシュは成長著しい途上国として見られるようにまでなったのではないでしょうか。そして、日本ではブロードバンド網が整ったのは、ソフトバンクの懸命な企業努力による部分が大きいのではないでしょうか。

 今回の就活デモも、なぜビジネスで就活を変えようと言う方法を選ばなかったのか、残念でなりません。大学生の時ほど自由に時間が使えるときはありません。資金はないかもしれませんが、就活を変えたいという熱い思いに資金を出してくれる人もいたかもしれません。特に就活については、デモよりもビジネスで社会を変える方が有効ではないか、そう思います。

 私は、ビジネスは社会を変えることが出来る庶民が持つ最大の武器だと思います。

 (就活及び就活デモについては私のブログTwitterでも議論を広めて頂ければ幸いです。)

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松本 孝行
セカンドチャンス 代表

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