日本が産油国に成る日

山口 巌

予想通りアメリカが静観を続ける事でリビアの内戦は泥沼化し、何時終わるか全く予測出来なくなった。自分に反対するものを全てテロリスト、アルカイダと呼び自身の権力の源泉である筈の東部の油田施設を空爆した。明らかな自傷行為だ。ここまで来るとカダフィ大佐の意図は全く判らない。普通に考えれば狂っていると言う事だろう。

問題はBBCが伝える様にリビア情勢が石油価格の暴騰をもたらしている事だ。

アメリカがリビア問題介入に腰が引けてる以上、長期化は間違いない。WTI先物市場もじり高基調だが、サウジ等に飛び火すれば暴騰は確実であろう。市場関係者の中にはバーレル辺り200ドルを予測するものもいると聞く。

WTI

http://www.fuji-ft.co.jp/chart/0n-genyu/

当たり前の話だが、原油価格の暴騰により濡れ手に粟で巨利を得るのは産油国である。一方、膨張する原油代金支払いで国際収支を悪化させるのは輸入国である。

従って、この機会に日本は原油の輸入国から輸出国に転換し、石油収入で膨れ上がった国債をゼロにし、債務問題から来る頭痛に悩まされる事がない国に生まれ変わるべきと思うのである。

勿論、今後更に政情が悪化する中東に戦略商品である石油の90%を依存する事が日本の安全保障上好ましくない事は付け加えておく。

これを可能にするのが尖閣列島沖合にある海底油田だ。埋蔵量は随分以前の探査で日本は約1,000億バーレルと推定し、中国側は800億~1,600億バーレルと推定している。現在の探査技術は当時より遥かに進んでいるので、今探査すればこの数倍の数字が出るかも知れない。

仮に中国側推定値の上限を採用したとしても、海底油田の価値は原油単価が高騰してバーレル当り@200ドル、為替が@80円/ドルとすると;@200ドル×1,600億バーレル×@80円/ドル=約3,000兆円と言う凄い事になる。

勿論応分の採掘コストがかかるので全てが利益となる訳ではないが、これはこれで、国内メーカーへの機材の発注とか、沖縄での雇用の確保とかプラスの面が期待出来る。

実際の埋蔵量、採掘時の原油価格それから為替により3,000兆円はもちろん上下する。

あれこれ思案する前に一度中国、台湾と共同で詳細な探査を行い正確な埋蔵量を把握するくらいは急ぎやるべきと思う。

山口 巌

コメント

  1. kiokada より:

    下水処理にあるバクテリアを使用すると良質な原油成分を製造してくれるという。ある試算によると十分採算の取れるレベルの生産性を有しているそうだ。

    シアノバクテリア系(光合成バクテリア)でも原油を製造するものがあって休耕田の利用が検討されている。

    そちらの方が有望だと思うのだが。

  2. bobby2008 より:

    ネタとしては面白いと思いますが、尖閣諸島には残念ながら希望が持てないようです。以前の記事のコメント欄で教えてもらいましたが、米国の石油会社が沖縄返還前に調査して撤退しているそうです。あそこに膨大な石油があれば、そもそも沖縄は返還されなかった可能性も考えられます。

    ところで、米企業が調査・撤退した後で、尖閣諸島に膨大な油田があるかもしれないという情報が国連機関から出てきました。そのおかげで、中国が尖閣諸島の権利を主張しはじめたという事を考えると、そもそも何の目的で国連機関から?という意味も含めて、誰かによる、何らかの政治的な目的の存在を思われる、非常に興味深い事ではあります。

  3. izumihigashi より:

    光合成で石油を生成するバクテリア「ボツリオコッカス」と言う藻類がありますが、何処かで聞いた話として、あのビルゲイツもボツリオコッカスを利用した石油生成の研究に投資しているそうな。
    で、昨年日本の沖縄近海で発見された藻類が世紀の大発見だったようで、その名も「オーランチオキトリウム」と言って、これは光合成ではなく、有機物を食用として体内で分解石油生成するそうです。何と、ボツリオコッカスの10倍の石油生成能力があるとか。商業ベースに乗せる事が出来れば、将来は50円/L程度での生産が可能性とか。
    2万㎢で深さ1mの水槽でオーランチオキトリウムを繁殖させると、それで現在日本が必要としている石油は全てまかなえる計算だとか。

    Wikipediaで検索してみるといいと思います。
    投資案件としても面白いと思いますね。