意味不明な世田谷新区長の主張

2011年04月26日 05:13

世田谷新区長、保坂展人氏曰く、今回の勝利区民の良識によるものとのご高説である。

問題は区民の良識なるものの中身が意味不明な点である。保坂氏は今回の選挙を、原発から再生可能エネルギーへに焦点を当て戦われ勝利されたと理解しているが、一体世田谷区として具体的にこれをどう進めると言うのだろうか?

大震災の余震が毎日続き、原発事故の影響がどこまで拡がるのか判らない時期に行なわれた選挙で「原発依存から自然再生エネルギーへ」と訴えたことや、「心ある被災地支援を徹底しよう」、「区民参加の世田谷をつくろう」と呼びかけたことを積極的に評価して頂けたと感じています。

脱原発と言った所で、世田谷区が新たな原発建設計画を進めていた訳ではない。それとも、密かに下北沢や三軒茶屋のビルの地下にコンパクトなマイクロ原発を建設する計画でもあったのだろうか?

或いは、原発との共存共栄路線の継続を決めた敦賀市の様な市町村を暗に批判しているのだろうか?

仮にそうならば、偏光したイデオロギーや小賢しいパーフォーマンスとは無縁に、純粋に原発と向き合う事を決めた敦賀市民に対し余りに失礼である。全体最適により、決して原発が建設される事もなく、電力が優先的に供給されるであろう世田谷区の驕りではないのか。

具体的に、世田谷区として30%に達する、電源を原発とする電力供給分を節電すると言うのであれば、東京電力の負荷軽減に直結する訳で、高く評価する。

全国に先駆け、各家庭に電力消費の監視を行う為のスマートメーターの設置を義務付け、ディマンドレスポンスHome Energy Managemet System(HEMS)を導入する事で可能となる確立が高い。しかしながら、区民の意識がそこまで到達しているとはとても思えない。

今一つは、再生可能エネルギーへの転換である。しかしながら、これも意味不明である。一昨日の記事で説明した通り、NEDOが年間2,000億円超の予算を30年以上使いながら、未だ実用化の目途が立っていない。

NEDOに比べ、人材も居らず、技術もなく、開発資金のない世田谷区に一体何が出来ると言うのであろうか?

再生可能再生エネルギーと言えば一般に、太陽光・太陽熱、風力、バイオマスそして地熱・水力と言った所である。

太陽光に就いて言えば、人口密集地であり集合住宅、商業ビルの多い世田谷区は最も適していない。

風力はそもそも風車の建設用地がなく、世田谷区にそれ程風が吹くとも思えない。

バイオマスは実用技術の確立が先決で世田谷区単独では無理。

地熱は世田谷区内に火山が無く、水力は多摩川の高低差では無理。

現実的には何一つ出来ないのではないか?

保坂氏に世田谷区を預かる区長、政治家としての自覚、責任感に疑問を感じる。3.11の福島原発の事故以来世の中に充満する、反原発のムードに安易に流される区民に対し、全く実現性はないが、取敢えず世論の追い風を受ける事が容易な原発から再生可能エネルギーへで対立軸を明らかにし、選挙に勝利したと言う所ではないか?

仮にそうなら、保坂氏が胸を張る、区民の良識の勝利等ではなく、区民の非常識の勝利と言う事になる。

保坂氏は早急に原発から再生可能エネルギーへに就いて具体的プランを纏め、区民に提出すべきである。

山口 巌

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