地域主権に向けて、自治体相互の協力関係~職員給与は直接被災地へ - 加藤俊介

2011年06月07日 15:19

今回の不信任騒動は一体なんだったのだろうか。あんなことをやっている余裕があるのだろうか。国民の多くは、与党だろうと野党だろうと構わないと思っている。ただ、被災地の復興に尽力して欲しいと願っているのに、それが伝わらないのだろうか。そして、多くの人が身を削って出した義援金は一体いまどこにあるのだろうか。

そんな中、国家公務員の給与を削減する法案が閣議決定され、今国会に提出されるようである。公務員には争議権が与えられていないため、本来公務員の給与は人事院勧告に基づいて決められるのであるが、今回は被災地支援のためということで異例の労使の交渉により決められたようである。この決め方がどうかという問題もあるが、被災地のためということであれば公務員として道理にかなったことではあると思う。


私は地方公務員であり、まだ直接的に給与削減という話にはなっていないが、これまで地方公務員の給与が国の動きに準じてきたこと、それからこの災害の状態を考えれば、地方も同じような流れになるだろうと思っている。しかし、疑問であるのが、国の場合職員の給与の削減が被災地支援と結び付きやすいのに対して、地方の場合、職員の給与を削減したところで、もともと被災地の中心である東北に資金を提供していたわけでもなく、そのルートもないため、果たして給与削減と被災地支援に直接の関係があるのかということである。

一つ考えられるのが、地方交付税である。被災地に渡す交付税が増える分だけ、その他地域の交付税が減らされるから、職員の給与削減となるという論理であるが、これはあまりに消極的であるし、現在の政府の対応を見る限り、本当に被災地のために削減した給与が役立てられるのかとの疑問が残る。この疑問を拭えないまま、国の給与削減に地方が準じれば、結果職員の士気の低下と、新規採用者の質の低下を招くだけである。

自治体の長の方々にお願いしたいことは、職員の給与を削減するのであれば、交付税が削減されたからなどと消極的な理由からではなく、積極的に被災地のために使って欲しいということである。難しく考えずに、ある被災した自治体に「直接」手渡せばいい。全被災地に平等に配分しようなどと考えなくてもいい。被災していない自治体の方が、被災した自治体よりも多いのだから。平等や公平、規則など難しく考え過ぎた結果が義援金なのである。

直接自治体から自治体へ支援金を渡す、これが結局一番被災した自治体のためになるし、支援金を提供した職員の感情も救われるのである。こうした自治体相互の結びつきは地域主権の流れにも適っており、これからの協力関係の基礎ともなるのである。

(加藤 俊介 地方公務員)

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