いまどきの起業について:より良いものを追い求めて

松岡 祐紀

成功の秘訣は知らないが、失敗するには誰もかもよろこばせようとすればいい。 ビル・コズビー

ツイッターでつらつらと呟きを眺めていたら、「調べたらオンライン英会話スクールはもう100社もあるらしい」との呟きを見つけた。それは起業家志望の学生のツイートだった。残念ながらどのような業種でもたいてい100社程度は競合他社は存在する。

起業するのに、何か新しい、誰も挑戦したことがないことをやる必要があると思い込んでいる人達が多すぎる。多くの場合「誰もやったことがない」ことにチャレンジすると、失敗に終わる。なぜならば、誰もそれに手を出さないのは、そこに市場が存在しないからだ。


自分がオンライン英会話業界に参入を決めた時も、すでに100社以上は競業他社が存在していた。では、なぜそれでも参入を決めたかというと、自分のニーズを満たしてくれるスクールは未だ存在していないと思ったからだ。

一昔前までは、「万人に受けるサービス」を目指す必要があった。成功するためには、ある程度の規模が必要だったからだ。しかし、今は違う。インターネットのおかげで費用をかけずにマーケティングが可能になり、またソーシャルメディアの台頭により、差別化もより容易になった。

多くのマンパワーが必要だったことが、今では「フリー」で行える。これほどリスクを背負わずに起業できる時代はかってなかっただろう。これからの起業は、自分で出来ることは出来る限り自分で行い、いかにお金をかけずに運営していくかということが、成功の鍵を握る。

震災後、ますます低迷していく日本経済において、経済を活性化出来る要素として、これからもっと起業という選択肢を考慮して欲しい。華々しい成功を収めることは難しいかもしれない。だが、自分自身の特徴を活かして、それなりの成功を収めることはそれほど難しいわけではない。

誰もがやったことがないサービスを提供して成功するよりは、既存のサービスを「より良いもの」にしたほうがはるかに成功する確率が高い。そして、万人にとってより良いものを目指すよりは、自分がターゲットと考える特定の人々にとって「より良いもの」を提供することを心がけることが重要だ。

株式会社ワンズワード 代表取締役 ブログ