自らが主管の行政手続法を踏みにじる総務大臣

2011年12月02日 07:28

「周波数オークションに関する懇談会 報告書(案)」が、12月12日締め切りで意見募集にかけられている。意見募集は行政手続法に定められた手続きであり、政府が積極的に国民から意見を集めることによって、公正・透明な行政運営を実現しようとするものである。


法の規定の主要部分は次の通りである。

第三十九条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。
第四十二条 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定める場合には、意見提出期間内に当該命令等制定機関に対し提出された当該命令等の案についての意見(以下「提出意見」という。)を十分に考慮しなければならない。

行政機関は「提出意見を十分に考慮しなければならない」が、提出意見の通りにする義務はない。しかしどのような意見が出るかわからない募集中の段階で、元々の当該命令等の案を採り他の意見は拒否すると行政機関が表明するのは、行政手続法の根本精神を踏みにじるものである。

11月30日の行政刷新会議では、提言型政策仕分けの結果について審議され、総理大臣は「2012年度予算編成で生かせるものは生かす。具体的な検討を進めるよう各省に指示した。」という。翌12月1日の衆議院総務委員会で自民党より700/900MHz帯での周波数オークション導入について質問が出たが、総務大臣は「本年5月に成立した改正電波法に基づき、スケジュールに沿って粛々と手続きを進めてまいりたいと思います。」と回答した。

この回答は明らかに行政手続法を無視するものだ。なぜなら、いつから周波数オークションを導入するかについても、今まさに意見を募集している段階だからだ。行政手続法の主管は総務省である。その大臣が行政手続法の精神を踏みにじったのだ。もともと意見募集は「国民の声を広く聞いています」というアリバイ作りのようなものであったが、それすらしないというのは、そして総理大臣の指示にも応じないというのは、総務省の暴走以外の何物でもない

山田肇 - 東洋大学経済学部

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