そもそも地デジで何か良い事があったのか?

2012年01月28日 06:22

地デジ対策に投入される国費はなんと総額9344億円!!!との事である。そして、2014年度までに更に2,000億円の投入を総務省は予定しているらしい。一兆円弱の公共事業を行った訳であるから、既に多くの外郭団体を設立し、天下りの受け皿にした事であろう。その財源の確保を規定事実化しようとしているのだと思う。


こんな無駄遣いを放置して消費税増税でもないだろう!

まずは「アナアナ変換」という地デジ放送を行う周波数を確保するために、一部地域のアナログ放送の周波数を別の周波数でのアナログ放送に切り替えるための予算として1800億円が投入されました。この時点ですでに1800億円もかかることが信じられません

原点に戻り、地上波という民間企業のインフラ(伝送路)整備の為に、一体何故国費が投入されるのであろうか?

実態をみれば、「アナアナ変換」は公共事業として行われている。地上波の社員は、40才を過ぎれば年収が1,500万円を超えると聞いている。本来、自社でやるべき工事を国に代ってやって貰えば確かにこんな年収を払う事は容易いだろう。地上波を甘やかし過ぎていると思う。

更には、国費投入の条件としてアナログからデジタルへの移管により不要となるアナログ帯域の有効利用が条件となっていた筈である。確かに、「オークション」が条件にはなっていないが、現在の日本の財政状態から判断して、オークションにより数千億円と言われる収入を国庫に納入するのが筋である。

しかしながら、総務省はこれを無視した。

次に本来の地デジ対策(低所得者への地デジチューナー配布、地デジコールセンターやデジサポなどのコールセンター運営、地デジ難視対策衛星放送、地デジについての広報、難視地区の調査や中継局の設置など)には2014年度までに2000億円が投入されることになっています。

何でこれしきの事に2,000億円もの巨額の費用が必要なのか?

仮に、支援を必要とする国民が2,000世帯とするならば、一世帯当たり@1億円という有り得ない金額になる。2万世帯で@1千万円。20万世帯で@100万円。200万世帯で@10万円である。

一体、全国で支援を必要とする世帯はどの程度なのだ? まさか、黄金で出来た地デジチューナーを配布する訳でもないであろう。

環境省のエコポイントのページを見ると個人と法人で合わせて80%以上がテレビ(地上デジタル放送対応テレビ)の購入によるエコポイント発行になっています。つまりエコポイント予算の80%の約5544億円が地デジ普及のために使われたと言えるわけです。

経済効果を狙ったのかも知れないが、日本メーカーのテレビは殆どが中国で生産されていると聞いている。従って、日本の雇用には全く結びついていない。厳しく言えば、税の無駄遣いである。

そして、問題はかかる巨額の国費を投じて「そもそも地デジで何か良い事があったのか?」である

視聴者に取って「良い事なんか何一つない」という結論ではないか?

そして、その理由は総務省によって甘やかされて来た、地上波の怠慢である。

「デジタルコンテンツ」のネット解放を何故加速させないのだ?

携帯端末で視聴して貰い、そこから収入を得る事業に注力すべきではないのか?

NHKは何故「受信料」という曖昧模糊としたものから、「視聴料」という明瞭なものに事業モデルを切り替えないのか?

デジタル化に伴い、CASが普及した訳であるから、「視聴料」を支払わない世帯に就いてはスクランブルをかけ視聴不可にすれば良いだけの話ではないか?

一方、国民もNHKを視聴しない自由(受信料を払わぬ自由)を保障されるべきである。

視聴率の測定もデジタル時代に即したものに移行すべきである

テレビ番組の成功失敗は一般に視聴率の高低で判断される。

電通子会社の「ビデオリサーチ」が視聴率測定を独占している訳であるが、今のやり方は流石にデジタル時代には合わない。

先ず、モニターの数が東、阪、名で各600世帯と余りに少ない。

次に、電話の上り回線を使用してデーターを収集する仕組みで、モニター世帯が電話契約のある所に限定され、結果偏る。若いカップル等は固定電話の如きレガシーサービスは契約せず、各自が携帯電話を所有している筈である。従って、こういう世帯の視聴状況は全く反映しない事になるのである。

日本全国でケーブルテレビの配信世帯数は1,300万世帯程度と聞いている。デジタル化に伴い、大部分は双方向の筈である。何故、ケーブルテレビと協力して視聴データを収集しないのであろう?

もっとも、ケーブルテレビの双方向サービスのデーターでは、地上波の視聴率はビデオリサーチの調査結果より、遥かに低いそうであるが。

紙面の制限もありここで留めるが、放送のデジタル化は、官僚が自分達の天下り先開拓の為にやっただけの話で、今のまゝでは何一つ国民の役に立っていない。とは言え、巨額の国費を投じたのであるから、地上波は経営努力をして、地デジの恩恵を判り易い形で国民に届けるべきである。

余談となるが、東京スカイツリーも意味不明である。今年5月に完成予定らしいが、地デジ移行は昨年7月に完了してしまった。

早い話、東京タワーで充分で、東京スカイツリーは本来不要という事ではないのか?

こういう無駄使いする程、金が余っているのであれば、地上波も携帯キャリアー並みに電波使用料を払って欲しいものである。

記事を書きながら、つくづく、監督官庁の総務省と地上波は「破れ鍋に綴蓋」と新たに認識した。

山口巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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