維新の会が沖縄にもたらす「最高・最強のプレゼント」とは(下) --- 田原 健央

2012年03月22日 07:30

※編集部注:このエントリーは昨日の「維新の会が沖縄にもたらす『最高・最強のプレゼント』とは(上)の続きです。

(2)定年後の本土日本人サラリーマンや、富裕なお年寄りを呼び込む

これから日本は定年ラッシュが起き、たくさんの人が定年を迎えます。これに伴い、定年後に海外移住を考える人も増えるでしょう。そのとき、沖縄は日本人の移住先として強い競争力を持ちます。なぜなら、沖縄には次のような特徴があるからです。


1.日本語が通じる点。ほとんどの日本人は日本語しか話せないので海外移住のハードルは高いが、沖縄なら問題ない。
2.インフラや医療もそこそこしっかりしている点。
3.環境が良い点。沖縄は気候も温暖で過ごしやすく、自然も多く、海も空気もきれいである。香港やシンガポールみたいな自然はないし空気や海は汚くて・・・というような所よりも沖縄のほうが魅力的。

今後、医療施設や高級老人ホームや娯楽施設を今よりもいっそう充実させれば、沖縄はさらに人気になるでしょう(そのための財源は前述の(1)や後述の(3)で稼ぎます)。

沖縄は人も優しく、食事も美味いです。制度設計や運営をうまくやれば、沖縄は定年後の日本本土のサラリーマンや富裕なお年寄りにとって天国になり得ます。日本は1400兆円の金融資産がありますが、そのうち7割は高齢者がもっています。この金持ち層が沖縄に来てくれるんです。この人たちは沖縄にお金をいっぱい落としてくれます。そのお金は間違いなく沖縄経済を活性化させると同時に、めぐりめぐって一部を沖縄州が回収し、沖縄の弱者に向けることになります。

(3)沖縄州庁職員の給料を沖縄のGDPに比例させる

これは、職員の経済活性化に対するモチベーションを上げようというのが狙いです。

そもそも働く人がいちばんやる気をなくすのは、がんばっても給料が伸びないときです。日本の財政は非常に厳しいので、今後何もしなければ公務員の給料は国も地方もこの先下がり続けます。沖縄の公務員の給料もどんどん下がり続けるでしょう。これは財政が厳しいので仕方ないのですが、働いている人のやる気はなくなってしまいます。

このような現状に対し、もし「頑張って沖縄州の地域のGDPを伸ばし経済を活性化させれば、その分だけ沖縄州職員の給料も上がる!」という制度を導入したらどうなるでしょうか。

沖縄州の職員はみんな「沖縄の経済を良くしよう!」とものすごくがんばるはずです。

「そんなの非現実的だ」と思うかもしれませんが、実はシンガポールはすでにこれをやっています。

シンガポールの官僚の給料は、シンガポールの民間企業セクターの業績とGDP成長率に比例します。つまり、企業の業績やGDPが上がればシンガ官僚の給料は上がり、下がれば給料も下がるということです。これによって、彼ら彼女らは必死で知恵を絞り、シンガ経済を良くしようとがんばるようになるのです。このことがシンガポールの発展を支える原動力の一つになっています。

人によっては、「そうすると金が全ての基準になり、弱者が放置されるのでは」と心配するかもしれません。もちろん経済的な豊かさだけが絶対の尺度ではありません。ただ、沖縄の人の中に貧しさで苦しんでいる弱い人がたくさんいることを私は知っています。前回の記事にも書きましたが、ある程度の経済的豊かさがないと弱い人は救うことができません。愛だけあれば弱者を救えるという考えは現実が見えていない理想論です。弱い人を救うためにはお金が必要で、そのためには経済の活性化が不可欠なのです。そして、経済の活性化を実現するためにこの制度は有効です。

現在、沖縄のGDPは大体4兆円ですが、私は制度設計や運用をうまくやれば10年間で2倍の8兆円にできると考えています。

その時にこの制度を導入していれば、沖縄州庁職員の給料も10年で2倍になります。何もしなければ給料がどんどん減っていく中で、10年で2倍になるというのは夢があります。沖縄州職員も「やってやろうじゃねえか!」というやる気が出てくるでしょう。そうすれば、沖縄は今よりさらに良いところになっているはずです。

シンガポールは沖縄よりも面積が小さく、資源も沖縄よりありません。そんなないない尽くしの国でもここまで来ることができました。沖縄だって、きっとできます。
(シンガポールの官僚制度については以前まとめたことがあります。詳しくは「シンガポールのすごい官僚制度について」をご覧ください。)

他にも案はあるのですが、とりあえず今回はこの3つにとどめます。

今、沖縄は厳しい状況におかれています。失業率や一人当たり県民所得は日本最下位で、有効求人倍率も0.3倍くらいしかありません。財政も厳しく、財政力指数は全国でも下から五本の指に入るクラスで経常収支比率も90~100をうろうろしています。経済はこの先も削られていくであろう公共投資と基地予算に依存しており、閉塞感が漂っています。

しかし、上記のようなことをやればこの苦境は打開できます。そして、これが維新の会が沖縄にもたらし得るプレゼントです。

私は以前沖縄を旅行したときに沖縄が大好きになってからというもの沖縄のことを調べまくってきたのですが、知れば知るほど「沖縄って、すごいポテンシャルを持つ所だなあ」と感じるようになりました。実際に沖縄に住んでいるとなかなか気づかないかもしれませんが、外から見ると沖縄は本当にものすごいポテンシャルを持っているんです。制度設計や運用をうまくやれば今後10年でGDPを2倍にし、20年で日本最強都市になっていてもぜんぜんおかしくありません。シンガポールや香港を越える世界最強都市の座も十分狙えます。

私は現知事の仲井眞さんは個人的に好きでも嫌いでもない(どちらかというと好きなほうかな)のですが、道州制や一国多制度が実現した暁には、沖縄州の初代代表が仲井眞さんになるにせよ誰になるにせよ、上記のようなことをやってほしいです。

なお、そのときはシンガポールなど海外の例が参考になると思います。私は個人的にシンガポールやそれに近い戦略を取る国の制度についてはかなり詳しく調べています。また、沖縄についてもこの記事で書いた以外にいくつか案を持っています。ご関心がある方は私までご連絡ください。

(ちなみに、私はもともと上山教授や橘氏の大ファンなので、もしかしたら今回の記事は少し上山教授や橘氏寄りにバイアスがかかってるかも……。あと、本記事について私の認識違いや勘違いなどもあるかもしれませんし、今後ご意見をいただく中で考えが変わるかもしれません。さまざまな方から学び考えを深めたいので、ご意見、ご批判等、お気軽にご連絡いただけたら幸いです)

田原 健央
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