正しさ(善悪)はイロイロ

2012年09月12日 12:00

たくさんのご意見を頂いた
これ以上、ご意見を貰っても応えられず、ひどいのはブロックしましたので、私なりの考えをまとめます。

私は炎上を悪いこととは思っていません。交流のない人から、上っ面ではない本音が聞けて、非常に有意義でした。ただ、全部を読まずにステレオタイプの思い込みで批判しに来るな(苦笑)。というわけで、切ると誤解が生まれやすいので長くなって申し訳ない。


■正しさ(善悪)はイロイロ

正しさ(善悪)には、社会的な善悪、科学的な正しさ、経済的な正しさ、法的な善悪などなど、いろんな正しさ(善悪)の基準があります。社会的な善悪で見たときと、法的な善悪で見たときと、答えが全く違うことは珍しくありません。

裁判が必要になるのは、お互いに法的な正しさという同じ基準で主張し合っても一致しないからで、お互いに「正しさの基準」すら一致してない状態での議論に何の意味もありません。議論ではなく考え方の違いを思い知るための会話と言えるでしょう。

ある問題に向き合うとき、どの正しさ(善悪)を優先的に考えるか?は問題の性質によって変わります(変えるべきです)。

例えば、原発(放射能)の問題では、

結論
社会的な善悪 全員避難させ賠償すべき 東電は悪 即時廃炉
経済的な正しさ 原発を稼働させ無駄な燃料費を抑制すべき 年3兆円前後の国富を流出させてはいけない 再稼働すべき
科学的な正しさ 現状の汚染度では健康被害は起きない 過剰な避難の方が危険がある 避難を止めるべき
法的な善悪 点検が済めば速やかに稼働すべき 稼働させないことは違法である 再稼働すべき

マスの中身は私が適当に作りました、結論も「稼働と避難など」がごっちゃになっていますが、私の主張ではなくたとえです。(もっと埋めると、イロイロと見えることがあります)

原発問題では、所謂「放射脳」と呼ばれる人達の主張を整理すれば、

    社会的 >> 経済的 ≒ 科学的 > 法的

というような善悪の基準で考えています。

それはともかく、命題(は真偽ですが)は「安全」であるはずで、憎むべき対象は「放射能(放射性物質)」でしょう。
であるならば「放射能(放射性物質)」には言葉も、法も通用しませんから、先ず一番目に「科学的正しさ」を置かなければ、命題である「安全」は達成できません

科学的な正しさで考えたあと「どうしてもリスクが高い」という答えが出るなら、次に、社会的な善悪を、「リスクが低い」なら法的、経済的な善悪を優先する。というように、正しさ(善悪)基準を柔軟に変えるというのが、私なりの正しさ(善悪・正義)です。

相手の揚げ足を取るときは、上の表の善悪を「たすきに掛け」にして批判すればいくらでもできます。議論をするならば「たすき掛け」を注意できる議長なり、司会(しきり役)なりがいなければ議論にはなりません。
(マスコミはたすき掛けを許しすぎ、というかマスコミがやってるからね……)

もう一つは、建前上は「安全のため」という命題を掲げていますが、本質的な命題が違っている人が多くいます。

例えば、
反核・反原発のイデオロギーを持った団体。
自分の商売を優先したタレント大学教授。
反体制であることは善と考える自称元ジャーナリスト……などなど。

これらの人と所謂「放射脳」の人達は、原発問題では「見かけ上の善悪の基準」が一致しています。なかなか厄介な存在です。

命題が違うというのは、本来は権利のぶつかり合いで、社会的に「その命題が正しいか」から入る必要があります。

■プリキュア報道の問題は、まずは社会的な正しさで考えるべき

プリキュア報道の問題は「幼女(幼児)が被害者になった」というところから起こりましたが「憎むべき犯罪をどうするか?」という問題には残念ながらなっていません。

「幼女(幼児)に劣情を抱く人達に恐れ」、「そういう人はアニメファン?(面倒なので以下、オタク)に多いんじゃないか?」という恐怖心を持った人(仮にオタク以外とします)と、「自分たちの趣味が奪われるんじゃないか?」という恐怖心を持った人(オタク)の権利のぶつかり合いです。
(もちろん、傍観者も、無関心者も多いわけですが……)

原発(放射能)の問題は、本来は命題が一致しているはずですから「科学的な正しさ」を第一にすべきですが、プリキュア報道の問題は、単なる権利と権利のぶつかり合いですから、科学的に答えの出る問題ではありません。

権利と権利のぶつかり合いでは、まずは社会的な善悪で考え、それで決着が付かないとき、法的に考える必要があるのです。

オタク以外の主張は
    「幼女(幼児)に劣情を抱く」というのはよく分からない(怖い)
    よく分からないからプリキュアファンというのは関係があるでしょう。
    何らかの規制が必要。

オタクの主張は
    「幼女(幼児)に劣情を抱く」のは実行しない限り自由。
    プリキュア(アニメ)は関係ないので報道するな。
    規制をした方が犯罪は増える。

重要なことは、「幼女(幼児)に劣情を抱く」「二次元(代償行為)で昇華できている」ということが、オタク以外には理解されないということです。オタク以外(オタクにも当然多いですが)は、子供を「可愛い」と本能的に思っても、それは決して性的対象ではなく「本能的に守るべき対象」なのです。大変下世話な身も蓋もない言い方をすれば、オタク以外はオタクほど自制的ではなく、代償行為では劣情は満たされず、満たすために大変な努力をして劣情を満たした結果、子供を授かる。

「セクシャルマイノリティ」「二次元で昇華できている」という言葉は理解できても、本能的に経験として意味が理解できません。

つまり、オタク以外は「そんな訳はないだろう」と(法的に正しくないときは黙っていることが多いですが)疑っているわけです。その状態で「実際に実行してしまった人」がごく僅かでも出れば「やっぱり!」と思う気持ちを止めることができないのは当然です。
また「規制をした方が犯罪は増える」というのは真偽のほどは分かりませんが、当事者から言われたらこれほど怖いことはない

その状態で、オタクが「報道するな!」「私たちの趣味を守れ!」という主張をぶつけても、社会的には「趣味と被害者」は比較のしようがないので、そんな主張が通るはずがないでしょう。
ここでも「法こそ正義」「人権こそ絶対」という違う命題を持っている人達とは方向性が一致するので、その人達の協力は得られますけれど……。

法的には確かに趣味の自由はありますが、一方に怖がる自由もあります。この問題で、法を持ち出すならば法の許す限りの差別的扱い(迫害と言えますね)を受け、更に、法も変えられる(つまり規制)可能性もあります。
そんなギスギスした社会は、当事者以外(私のことですが)にも迷惑が掛かり、誰も望んでないと思いますが、すでにそうなっています。これ以上は勘弁して欲しいわけです。

■プリキュア報道は偏向報道か?

あらゆる報道は偏向報道です。例えば、新聞の一面記事も、トップニュースも、それを選んだ人が「最も重要である」と考えたものが来ます。プリキュアを報道した人は、プリキュアファンであるということと、幼女(幼児)に対する性犯罪は相関があると考えている。ということの現れで、偏向をゼロにすることは不可能です。

「『幼女(幼児)に劣情を抱く』のは実行しない限り自由」とか「二次元で昇華できる」という主張と「プリキュア(アニメ)は関係ない」という主張は、私の様な素人には矛盾しか感じられませんから、相関あるいは関連があると考えるのは妥当といえます。

犯人が「プリキュアファンでなかった」としたら大変な偏向報道(というより捏造)ですが、そうでなければ言い掛かり的な批判で、被害者が出ているのにそんな批判をしたら、逆効果しかないでしょう。

もちろん、何度も繰り返していますが「プリキュアを観たらから犯罪を起こした」というのは問題がありますが「プリキュアファンだった」という報道を批判するなら、それこそ表現の自由の侵害でしょう。

■繰り返しですが私なりの妥協案

残念ながら分かり合えることはないけれど、より良い社会を作るには認め合う必要はあります。

こういった内容の報道とそれに対する憤りの声、反論は何度もなされてきましたが、有り体に言えば「子供を守りたい」という親に、「俺たちのエロ趣味を認めろ」という主張の繰り返しです。原発問題で社会的な善悪で考えると、健康被害が全くなくても「命より金か」と言われるのに「子供の人生(命)よりエロ(アニメ)」が通るはずがない。

もちろん、悪いことをしたのは極一部の犯罪者で、お互いに何も悪いことはしていません。ほぼ全オタクは悪くありません。しかし、「二次元で昇華できる」と言われれば「同一視するな」という方が無理です。社会的な善悪で考えられ、社会的に同一視されているにもかかわらず、法的に「同一視するのはおかしい」というのも、科学的(統計的)に「アニメ(のお陰)で犯罪は減っている」というのも、意味がないのです。「たすき掛け」の反論になってないかよく考えましょう。(意味があると思えば続ければ良いですが……)

ともかく、私が期待するのは「日本鬼子ぷろじぇくと」 のような返しです。「日本鬼子ぷろじぇくと」では中国からの謂われのない攻撃に対し、権利の主張をすることなく見事にいなしました。

同じように「カウンセリングを受けましょう」「病気と診断されたら治療を受けましょう」という運動を中から起こして「こんな運動をしています」といなされれば、それ以上は言いにくい。「こんな運動をしています」とアピールするための社会との接点としては、女児向けのアニメでその親も見ているであろう「プリキュア」で「大きいお友達」に呼びかけるのがベストでしょう。(求めているのは、科学的な効果ではなく、あくまで社会的な効果ですよ)

なお、「何も悪いことをしてないのに、なぜ、病気扱いするのか?」というのは「病気は悪」という偏見の現れですから言わない方が良いでしょう。カウンセリングとは病気かどうか専門家に判断して貰うということです。

いずれにしても、このまま権利の主張を続けたらどうなるか、自分たちで冷静に考えた方が良いと思います。私はアニメも特に観ないし、子供もいない、どっちになってもよい第三者ですが、現状のままでは、権利の主張しかしてないオタクに賛同はできません。

「偏向報道だ!」と言う前にやることがあるはずです。

株式会社ジーワンシステム
代表取締役 生島 勘富
E-Mail:info@g1sys.co.jp
Twitter:@kantomi

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生島 勘富
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