イギリス、イスラエルとの共通点と日本の存在感 --- 岡本 裕明

2013年02月01日 10:52

安倍晋三、ベンジャミンネタニヤフ、デヴィッドキャメロン。この三人に共通するのは強い愛国主義かもしれません。

イスラエルの総選挙で再選されたネタニヤフ首相はイランやパレスチナに対して強硬な姿勢を貫き通しています。そしてやられたらやり返す、という非常に明白なポリシーはイスラエルの歴史が物語る自己防衛と言ってしまっては軽すぎるかもしれません。


一方、イギリスの首相キャメロン氏は会見がアルジェリアのテロ事件で当初予定が狂ってしまったものの、EUとの関係に対して国民に問うとする方針を示しました。つまり、2017年に国民投票を行い、その結果次第ではEU離脱というシナリオに可能性が出てきたのです。

私がいつもやりとしているトロントのトレーダー氏。最近数ヶ月の質問は決まって日中間を巡る「島」の問題。トレーダー氏がなぜ、この問題にそこまで固執しているのか私の感覚ではやや疑問だったのですが、どうも北米のその手のビジネスをしている人からすると尖閣の問題が講じて何らかの戦争が起きれば世界経済に大きな打撃になるという懸念は我々の想像以上のものなのかもしれません。

それは世界の歴史を見れば領土問題を巡る部分戦争は割とよく起きているものですが世界に強い影響力がある国同士となると次元が違うということなのでしょう。

日本、イスラエル、イギリスの三つの国のかしら文字をとってJibsと命名したアメリカのイアンブレマー氏のその意図するものはそれぞれの地域で建設的な役割が果たせない国ということのようです。

三つの国の歴史を考えてみると確かに他国とチームワークをうまくとりながらやってきた、というより強い自負のもと、独自路線を歩んできました。そして、今、その独自路線を更に強固なものにしようとしているのが三人の首相なのかもしれません。

日本の場合には20年におよぶ経済低迷、その間に世界の中の日本はジャパンpassingとかジャパンnothingと揶揄されました。日本にはもう、日は昇らないとも言われた中で今、日本の存在感を強く打ち出しているのが安倍首相です。たぶんですが、世界の評価は今までの1年ごとに変わる首相とは違う、という評価は出てくるものと思います。が、同時にその外交を含めた施策に「ひとり、突っ走る日本」という印象を与えつつあるのも事実です。

イスラエルは常にアメリカのバックをもとに強気の外交を展開してきました。というよりユダヤ人はごく単純化すればイスラエルとアメリカに大多数が居住しているという中でアメリカはイスラエルの見方をするのが前提であったともいえます。その中でアメリカ自体の立ち位置の変化に伴い、イスラエルは自分が強くならなくてはいけないという気持ちがより一層深まっている気がします。

イギリスもEUという枠組みの中で大陸組に完全に溶け込めない歴史は相変わらず引きずっています。

地域における建設的な役割とは何かと考えればそれは日本、イスラエル、イギリス共にアメリカというバックグラウンドがあっての地域であります。アメリカは80年代に世界のリーダーとしてその主導権を日本にバトンタッチできるか前向きに考えられたこともあったとされています。それはアメリカがいつまでも世界のリーダーシップは取れないということがわかっていたからだ、と説明された記憶があります。

いま、アメリカの力は絶対的でなくなった以上、本来であればJibsがアメリカの意図を汲み取り、地域内での強いリーダーシップをとることがいよいよ求められていますが、必ずしもそういう風にはなっていない、というのが現状かもしれません。

それは三国とも余裕がない、というのが真相かもしれません。アメリカという強力なバックアップがあったからこそのJibsだったとしたらJibsは生まれ変わるぐらいの変革が必要かもしれません。今の日本、イギリス、イスラエルに地域をまとめる能力はまだまだ足りていないような気がします。

今日はこのぐらいしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年1月31日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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