インターネットとコンピュータ60年史から見えてくるもの ―@toriaezutorisan

2013年03月04日 17:07

ふと思いついて、1951年にメインフレームコンピュータが誕生して以降の60年史を作ってみました。左の縦じくに大きな動きをカテゴリでまとめ、右の横じくが年表になっています。これを眺めると色々教訓やら背景が見えて面白かったので、解説してみたいと思います。


60年の間に起こった3つの大きな波
全ての始まりは、1951年に世界初のメインレームコンピュータが作られたことなのですが、それ以降大きな波が3回あったかと思います。それは、

●「パソコン→インターネット」の波
●「日本の携帯電話」の波
●「スマートフォン」の波

です。

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年表の原寸サイズ画像はこちら

「パソコン→インターネット」の波は、1984年のMacintoshを起点とする誰でも使えるコンピューターの登場以降からインターネットにつながるまでの動き。「日本の携帯電話」の波は、1999年のiモードスタートを起点とする日本の携帯電話普及とコンテンツについての大きな波。「スマートフォン」の波は、2007年のiPhone発売を起点とするスマートフォンとコンテンツプラットフォーム普及についての動きです。

■大きな波は「デバイス→インフラ→プラットフォーム→ソリューションコンテツ」を経る

そして、この3つの大きな波は

1.デバイス(何を使って「する」かという箱)
2.インフラ(何で「運ぶ」かという通信)
3.プラットフォーム(何を使って「統合」するかというプレイスやソリューション)
4.ソリューション/コンテンツ(上記3つを使って「流通」するソリューションやコンテンツ)

という経路を経ています。3つの波についてこれを細かく見ていくとこんな感じです。

「パソコン→インターネット」の波

1984年にMacintoshが発売されて以降、GUIの概念が広まり、マイクロソフトによりOSの開発が進みます。Windows95の登場のあたりでパソコンにおけるデバイスの覇者がマイクロソフトになりました。
インフラにおいては1984年にインターネットの商用利用が始まり、その後高速通信の普及に伴って環境が整備されていきます。
プラットフォームに関しては、デバイスにおいて覇者となったマイクロソフトがインターネットコンテンツを閲覧するためのプラットフォームに相当するツール、InternetExplorerを自社のOSを搭載したパソコンに標準で搭載するのです。ここまでの環境が整うと、ソリューション/コンテンツが多数登場します。代表的なものは、1998年に検索サービスを開始したgoogleなどです。

デバイス(何を使ってするかという箱)】
 1984年Macintosh発売→GUIの概念が広まる(その後1995年のWindows95発売によって、一般人でも簡単に使えるように)
インフラ(何で運ぶかという通信手法)】
 1984年アメリカでインターネット商用利用が開始され、90年代、2000年代で高速通信が普及してく
プラットフォーム(何を使って統合するかというプレイスやソリューション)】
 1995年InternetExplorerの登場→世界中のコンテンツをブラウジングできるように
ソリューション・コンテツ(上記3つを使って流通するソリューションやコンテンツ)】
 1998年google検索サービス開始→世界中のコンテンツにアクセスし易く
 (Facebook等のSNSやその他多くのwebサービスもこれに当たる)

「日本の携帯電話」
そして日本の携帯電話における波は、「パソコン→インターネット」の波に比べて随分特徴的です。それは、デバイス、インフラ、プラットフォームが全て同一の事業者=キャリアによって同時並行で進められたことです。インターネットは、誰にでも開かれたネットワークであるのに対して、日本の携帯電話のプラットフォームは、どんなコンテンツを流通させるかという判断も通信会社が握っており、非常にクローズドだったのです。このクローズドなコンテンツ流通の流れは今日のappstoreやgoogleplayにも繋がる流れかと思います。

デバイス(何を使ってするかという箱)】
 2001年第3世代携帯電話普及→リッチなコンテンツが携帯電話で見られるように
インフラ(何で運ぶかという通信手法)】
 2001年に第3・第3.5世代移動通信システム開始→コンテンツの閲覧がスムーズに行えるように
プラットフォーム(何を使って統合するかというプレイスやソリューション)】
 1999年iモードスタート→良質なコンテンツを集約し、利用料金の集金システムや課金体系も整備される
ソリューション・コンテツ(上記3つを使って流通するソリューションやコンテンツ)】
 iモードやその他キャリアプラットフォームに掲載されたコンテンツの数々

「スマートフォン」
最後はまさに今進行している「スマートフォン」の波です。ここにおける現在の覇者は、もちろんAppleとgoogleだと思いますが、アプリプラットフォームについては「日本の携帯電話」における波に非常に近しい。アプリプラットフォームがクローズドの環境になっており、利用料金の集金システムや課金体系、コンテンツのレギュレーションもプラットフォーム提供会社の手の内にあるのです。i-modeがグローバルレベルに広がった感じですね。

デバイス(何を使ってするかという箱)】
 2007年iPhone発売→Androidとともにスマートフォンが一気に流通。
インフラ(何で運ぶかという通信手法)】
 キャリアが提供する既存の通信サービス。LTE等の高速通信は日々進化。
プラットフォーム(何を使って統合するかというプレイスやソリューション)】
 2008年APPストアサービス開始→googleもgoogleplayをサービス開始
ソリューション・コンテンツ(上記3つを使って流通するソリューションやコンテンツ)】
 インスタグラムやカカオトーク、LINEなどグローバルで使用されるアプリが登場

■未来予想図

温故知新と言いますが、じゃあ歴史を振り返ってみてこれから何が起こるのかという話です。年表を見ているとイノベーションとは以下の2つのいずれかです。

A.すごい革新的なデバイスが登場して一気に広まる(パソコン、スマートフォン・・・)
B.デバイス⇒プラットフォームを経た後に、革新的なソリューション・コンテンツが出来て一気に広まる(google、Facebook、Twitter・・・)

ではまず、新しい革新的なデバイスがいつ出るのかというと、デバイスに関する大きな動きがあった年を繋いでみるとこんな感じになります。(日本の第3世代携帯は、グローバルな影響ではなかったのでとりあえず外します。)

1964年 IBMメインフレームの主流コンピュータ開発
↓この間20年
1984年 Macintosh登場。GUIの概念を大きく普及させることに成功
↓この間11年
1995年 windows95誕生
↓この間5年
2000年以降 ノートPC主流に
↓この間7年
2007年 iPhone誕生

なんとなくこれを眺めてると10年以内に何かが起こるかもという気がします。現在は2013年なので、iPhoneが登場してから既に6年。あと3年以内くらいにデバイスにおける次のイノベーションが登場するのかも。ということを言っていると話題のgoogleグラスが脳裏をよぎるわけです「プロモーションムービー

傾向としてはメインフレーム以降どんどんダウンサイジングが進み、通信インフラが整備されたことを伴ってポータブルになっているため【身に着ける系の何か】になるのではないでしょうか?

一方、スマートフォン上において、これからも革新的なコンテンツやソリューションは登場するのかという件。主にコンテンツとソリューションの普及には以下3つの条件のいずれかが当てはまると思います。

1.既存流通しているデバイスやプラットフォームに欠かせないコンテンツ、ソリューションであること
=パソコンにおけるgoogle等の検索エンジン
=iPhoneにおけるチャットアプリ

タイミングがほぼ全てなので、プラットフォームが構築されてから2~3年以内には、このカテゴリにおける勝者が登場しているイメージです

2.リアル世界においての代替材であり、ネットに置くことによって便利になるもの
=年表には載せてませんが、Amazon等のECサイトや各種情報サービス、定額動画視聴サービスなどもこれに当たるでしょう。同業他社が一定規模を取ってしまう前に事業に参入する必要があります。

3.コンセプトが受け入れられているもの
これは、サービス自体のコンセプトが潜在的な欲求に属しているか、サービスを出すタイミングで時流を読む力があることが条件です。

▼サービスのコンセプトが潜在的な欲求に属している
Facebook(リアルな人間関係のグラフを構築し、コミュニケーションを図ることが出来る)
Twitter(コミュニケーションの時間軸が「今」という軸に。またそれを拡散出来る仕組み)

▼サービスリリース時に時流を読んでいる
モバゲー(月額300円を支払ってライトゲームをやることが【当たり前】になっていたタイミングで無料ゲームを提供した)
NAVERまとめ(情報量が爆発的に増えている時代に、モノゴトの文脈を整理して提供する)

1.に関して言うと、既にタイミングは過ぎてしまっているので、2.や3.についてはいつ出てもおかしくない(特に3.が出やすい)のではないでしょうか。

逆に先ほどのgoogleグラスのような新たなデバイスが誕生した場合は、そこから2~3年で主軸となるコンテンツ・ソリューションが立ち上がってくる可能性が高いのかもしれません。(デバイス提供側がプラットフォームとしてソリューション/コンテンツを提供する仕組みを外部に開放すればですが)

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ということで長くなったので、このへんで終わりますが、個人のブログ「鳥あえず鳥」のブログ書きれなかった教訓話を書いておくので良かったらそちらも及びください。

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