あすの朝生は田原さんの遺言が飛び出すのか?

2013年04月25日 07:00

あすの「朝まで生テレビ!」のテーマは「激論!ネット世代が日本を変える?!」らしい。出演者の「目玉」は仮出所間もないホリエモンとNHKを脱藩した堀潤さんだろう。堀さんの古巣の深夜ニュースで最近までネットナビゲーターを務めていた津田さん古市さんなどお馴染みの面々も登場する。あれ?飯田さん、明大に移ったのか。おや、「はあちゅう」のところの美魔女社長もいるぞ(苦笑)


パネリストはネット界の若手論客を一通りそろえている。ただ、「朝生」の真骨頂といえば、考え方が対極のパネリストがガチンコでぶつかり、田原さんが巧みな挑発を交えて論戦を煽る演出だ。

130425朝生ツイッター

●何故か同じような気質の出演者ばかり
ところが、だ。今回のパネリストは皆、個性豊かな面々ではあるけれど、それぞれの分野で既成概念との闘いを繰り広げてきた「イノベーター」気質な人ばかり。つまり似たようなタイプの人間を並べてばかりで、際立った論戦が出来るのだろうか。かつてTシャツ姿のホリエモンをたしなめた亡き三宅翁のような「アナログVSデジタル」的な対立軸は感じられない。今回の出演者が発表された直後は首をかしげるばかりだったが、ふと私の中である「仮説」が思い浮かび、これはある意味、違った意味で面白くなるのではと感じた。

まず気が付いたのは「朝生」パネリストで定番の国会議員がいない。では今回は政治と縁遠い内容になるのかと思えば、そうでもなさそうだ。番組サイトの予告内容では、「各界で活躍するネット世代の皆さんをお招きし、それぞれの夢や希望、日本の現在、未来の課題や可能性等々を熱く討論する予定」とある。ならば「ネット世代」の政治家で、ツイッターやFacebookを盛んに活用してネット選挙を先取りしてきた若手議員を与野党から1人ずつでも招いて未来に向けた課題を語っても良かったはず。

●最近の田原さんを巡る状況
ここで頭をよぎったのが田原さんの最近の体調だ。「自分からやめると言い出すつもりはない。番組中に死ねたら本望」(2006年5月25日、読売新聞夕刊)の気迫で続けてこられたが、今年2月のオンエアでは顔色がすぐれなかった。その直後、ご自宅近くで気を失ったところを救急搬送されたのは周知の通り。日本のテレビ界で討論番組というジャンルを確立し、政界にも多大な影響を与えてきた大御所もこの15日で御年79歳。こうした経緯があった中で若い世代だけ(明日の最年長は40歳のホリエモン)を集めて討論するのは、どこか後事を託す意味合いを感じなくもない。で、今回、政治家がいないことを考えると、これは田原さんによる「後継者」の品定めではないかと思えるのだ。

そういう観点でパネリストを見ると、美魔女社長さんやTOKYO PANDAさんは「女性枠」で選ばれたのかなと思う一方、津田、乙武、堀、古市、荻上の5氏は作家やジャーナリスト、評論家など、社会的視点からの論評および言論活動を生業にしている(そういや、田原さんに引退勧告を続けている常見のアニキはツイッターで古市さんや荻上さんを推していたっけ……)。そして、出所直後に新しいメディア事業の構想を明らかにし、多数のメルマガ読者を持つホリエモンもこのカテゴリーに加えてもいいだろう。そもそも後継者探しは長年の課題。10年くらい前の新聞記事で、田原さんが後継者を探しているがなかなか見つからないことを嘆いたコメントを読んだ記憶がある。80歳の大台を前に、後継者探しとしては最後のタイミングであろう。

●どうする?どうなる?朝生
その一方、番組の“役割”が終わったことを指摘する意見も絶えない。他局で報道番組のディレクターを長く勤めた友人は「論戦を煽る田原スタイルはバブル時代の産物で今の時代にもう合わなくなっているのではないか」と指摘する。パネリストのむき出しの感情を引き出し、複雑な政治問題を「イエスかノーか」で二元化、ステレオタイプを強化するかのような手法への批判も付いて回る。

何より、番組開始当時と違い、今はインターネットが普及して様変わりした。朝生もツイッターで視聴者の声を募っているものの、電話やFAXに付け足した域を抜けていない。もし仮に前述の5人から後継者を選ぶにしても、NHKやBS各局のように、ソーシャルメディアとの連動が機能している討論番組も散見されるようになっている中、「朝生」が今の形を維持できるとは思えない。

筆者は中学時代から朝生のファンであり(テーマ曲もiPodにダウンロードしているぞ)、ニヤッとしながらタブーを無視した質問をする田原さんに憧れてきたが、悲しくも引き際は誰にでもやってくる。明日の放送で若者たちへの「遺言」があるのか。まさかの後継者指名をドンとしてしまうのか!? 番組と田原さんの行く末を占う意味でターニングポイントになる気がしてならない。

新田 哲史
Q branch
メディアストラテジスト/コラムニスト
個人ブログ

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

関連記事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑